競馬専門紙にて記者として30年余り活躍。フリー転身後もその情報網を拡大。栗東の有力ジョッキーとの間には、 他と一線を画す強力なネットワークを築く平林氏が、現場ならではの視点でレースを分析します。
【共同通信杯】クラシックを占う一戦
2024/2/5(月)
関西馬ばかりと気が付く。ルメールは関東、手塚厩舎のショーマンフリート。前走、シンザン記念は輸送してプラス18キロだから成長を入れても重めか。1戦のキャリアが2頭。ジャスティンミラノにベラジオボンド。ジャスティンミラノのコース経験済みは大きい。
そして、ミスタージーティーはホープフルSで後1Fから前が詰まり追えず。最後に内へ切り替え2完歩だけ追えての5着。惜し過ぎる競馬。
【きさらぎ賞の回顧】
24年2月4日(日)京都11R きさらぎ賞(G3) 芝1800m)
- ビザンチンドリーム
- (牡3、栗東・坂口智厩舎)
- 父:エピファネイア
- 母:ジャポニカーラ
- 母父:ジャングルポケット
- 通算成績:2戦2勝
これほどにゴール前で勝ち馬がどれか判らないレースは観たことがない。まさしく3頭が同着でもいいぐらいの大接戦だった。
先手をとったのはテイエムリステットだったが3コーナー前あたりから画面ではミルコのシヴァースがまるで主導権を握っているかの様な勢い。4コーナー入り口でもいちばん内で持ったままのシヴァースが目に付いた。その前にヴェロキラプトルが故障発生かで下がり気味。
最後方で内のピエナオルフェが少し離れた以外の10頭は3馬身ぐらいの塊で直線へ入ってきた。馬場の真ん中へ進路をとっての追い合い。それでも終始、シヴァースが先頭。ジャスティンアースがあと200で力尽き、外のインザモーメントが伸びあぐねる。
4コーナーでは外めに居たウォーターリヒトがいつの間にか内へと切り替えていちばん内。ファーヴェントと並んでの追い合いでも少しずつ前に出て行く。外のシヴァースと並び幸Jは右ムチ、ミルコは左ムチで叩き合う。進路が狭くなり真ん中のファーヴェントの川田Jが手綱を絞る。この2頭の追い合いが続く。大外をジワジワとビザンチンドリームが来ているが、前までは届くまいと。だがゴールは果てしなく遠い様だ。
3頭がほぼ同時にゴール、インザモーメントは僅かに遅れていた。それでもシヴァースかウォーターリヒトの争いだろうと。東京新聞杯が終わり京都のそれが画面に出た時に思わず驚く。1番上に⑫番。《届くのか~》と。PVを観るとこれほどに今の京都の芝は悪かったのかと。それだけ最初から最後まで外を使っての戦い。1900ぐらい走っているのではなかろうか。
常にビザンチンドリームは後ろでのレース。レースには決していい場所では参加していないのだが最後はあの脚だ。これが豪脚と言うのだろう。何せ長い脚を使っての勝利。今回も最速の脚で勝利した。若さと粗削りながら素質はかなりと再認識のビザンチンドリームだ。
プロフィール
平林雅芳 - Masayoshi Hirabayashi
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、その情報網を拡大し、栗東のジョッキーとの間には他と一線を画す強力なネットワークを構築。トレセンおよびサークル内ではその名を知らぬ者はいないほどの存在。