今やダート競馬も世界を股にかける時代。JRAのGⅠ、フェブラリーSでもパスされてサウジアラビア王国のサウジカップへウシュバテソーロにレモンポップらの5頭が遠征。どうしても小粒な今年最初GⅠのフェブラリーSとなってしまうのか。

それでも地方の雄、ミックファイアが参戦。地方馬では園田のイグナイターも居る。昨秋の南部杯では離されたがレモンポップの2着。そして前走でJBCスプリント勝ちと昇り調子の馬である。JRA勢では初ダート挑戦のNHKマイル勝者のシャンパンカラーやこれまた初ダートのガイアフォースと興味は尽きない。

そしてこの2戦2着ながら存在感たっぷりのウィルソンテソーロ。今回は鞍上が松山Jに替わる。そのまま原Jで来て欲しかった。チャンピオンズCではお世話になった鞍上だ。そこへ続く3着のドゥラエレーデもダートは巧い。キングズソードにレッドルゼルと一発を秘める馬も居て混戦模様だ。

【共同通信杯の回顧】

24年2月11日(日)東京11R 共同通信杯(G3) 芝1800m)
  • ジャスティンミラノ
  • (牡3、栗東・友道厩舎)
  • 父:キズナ
  • 母:マーゴットディド
  • 母父:Exceed And Excel
  • 通算成績:2戦2勝


11・4~10・9~10・8。これはジャスティンミラノ勝利の共同通信杯の上がり3Fの数字である。ジャンタルマンタルがあと200で前を捕らえそうな勢いに見えたが、そこでまた離された。この数字をみれば前を交わすにはどれくらいの脚を使わなければならないのか良く判る。

最後は1馬身半も開いたジャスティンミラノと2歳王者ジャンタルマンタル。相手は無敗の2歳王者である。それをまったく寄せつけない長い持続性のある切れと言えようか。ふと過去の共同通信杯でこんな数字を出したレースがあったのかを調べてみた。JRAで我々が検索できるホームページで、過去の結果の2000年からこちらをつぶさに調べてみた。

2012年、ゴールドシップ勝利時に3Fめが10・9。2014年イスラボニータ勝利時が10・9~10・9~11・6で勝ち時計が今回とほぼ同じ1・48・1。そして2021年エフフォーリアが勝った時の2Fめが10・8をマークしただけ。ほぼ24年間でこれしか10秒台をマークしたレースがないのである。

特に今年で凄いのは2F通過時よりもゴール前がさらにアップしての10・8だ。パワーホールがスッと先手をとったが前につけたエコロヴァルツ、ジャンタルマンタルがまるで申し合わせた様に頭を振って掛る始末。そこから先に進んでも後ろの方でミスタージーティーがやはり頭を振って抑えなければならない勢い。それだけパワーホールのペースはスロー。

1000M通過が1・02・7。ジャスティンミラノはスタートこそ遅くて後ろだったがスッと前に出てパワーホールの2番手を折り合って確保。今の東京は内有利に先行有利で持ったままで直線を迎えた。過去に1勝のキャリアで制したのは2015年のリアルスティールと2022年のダノンベルーガだけ。ジャスティンミラノは間違いなく大物。これから何度、GⅠのレイを肩にかけるのか。