競馬専門紙にて記者として30年余り活躍。フリー転身後もその情報網を拡大。栗東の有力ジョッキーとの間には、 他と一線を画す強力なネットワークを築く平林氏が、現場ならではの視点でレースを分析します。
【阪急杯】逃げと内枠に要注意
2024/2/19(月)
まして今年は開幕週で相当に芝の状態はいいと思える。ずっと雨が続いていたから芝の生育もすこぶるいいと推測する。逃げ馬か内で脚を貯めている馬の活躍が見込まれる。
まずはウインマーベルか。松山Jが乗って8戦で久しぶりに重賞制覇となった前走。ここと同じ舞台での勝利は心強いだろう。問題は休み明けより使った方がいい過去であろうか。ダノンティンパニーの前走は度外視。スタートと直線でスペースがなく脚を余す形。阪神コースと1400の内容も良く前進あるのみ。そしてアサカラキング。距離を短縮して良さが出てきた。まず内枠を引こう。
【フェブラリーSの回顧】
24年2月18日(日)東京11R フェブラリーS(G1) ダート1600m)
- ペプチドナイル
- (牡6、栗東・武英厩舎)
- 父:キングカメハメハ
- 母:クイーンオリーブ
- 母父:マンハッタンカフェ
- 通算成績:20戦8勝
『ちょっと先頭に立つのが速いかな~』は藤岡祐介Jの勝利者インタビューである。実際、後1ハロン手前からステッキを入れ出した鞍上に応えるようにペプチドナイルは伸びる。ずっと先頭に立ったままゴールへ向かう。ちょっと後ろで2番手が大接戦、タガノビューティーが一旦は2番手に鋭く伸びてあがった。
しかし、それも束の間、白い馬体のガイアフォースと大外から接近したセキフウがタガノビューティーを飲み込みそうな勢いで襲いかかる。勝者はペプチドナイルは誰でも判ったし、2着もガイアフォースと直ぐにあがったが問題はセキフウがタガノビューティーを差したのかどうか。勢いではセキフウと思ったが。そもそも今回のフェブラリーSはテーマが多すぎた。オメガギネスが5戦全てで手綱をとった戸崎でないのか。
もうひとつ、ウィルソンテソーロも原Jの差しても逃げても大健闘をしたのに、ここで松山Jにが良く判らない。ま、いろいろな事があるのだろう。ウィルソンテソーロは直線で一旦は先頭に立ち気味だったから力は発揮したのだろう。ただドンフランキーが造った1000M、57・9のハイペースに付いて行った分で脚が知らず知らずに残っていなかったかも。だからこそペプチドナイルのその流れに付いて行っての直線での伸び具合は眼を見張るものだった。良くぞ残したものである。
ガイアフォースの初ダート参戦も満を持しての挑戦だったようだ。長岡Jはレースこそ今回が初めて手綱を握るが稽古は何度もつけている。この馬を良く知っているとも言える。ペプチドナイルに届かなかったが芝でもダートでもGⅠ級の馬と再確認した。消極法でドゥラエレーデを推したがレースの入りで外へ逃げたりと若さを出していたか。
オメガギネスは疲れていたとのコメント。もっともっと精査しないと美味しい馬券にありつけないと。それにしても難しかった今年のフェブラリーであった。
プロフィール
平林雅芳 - Masayoshi Hirabayashi
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、その情報網を拡大し、栗東のジョッキーとの間には他と一線を画す強力なネットワークを構築。トレセンおよびサークル内ではその名を知らぬ者はいないほどの存在。