昨年のダービー馬に皐月賞馬。そして秋の新鋭が出ているのにどうしても前夜のドバイワールドCデーの熱量には負けている。日本馬が熱い戦いをした筈で、みんな寝不足であろう。

それでも今年も大阪杯にはいいメンバーが揃った。ダービー馬、タスティエーラ。有馬記念を改めて見直してみると直線1Fで左右から絞られて6着。それでもあそこからよく追い上げた内容だ。ソールオリエンスもやはり追いづらい混雑に居た。枠も脚質も性格もあっての結果だろう。いちばんこの馬を知っている横山武史に戻った今回、ダービーの鬱憤を晴らす時が来たのかも知れない。

そしてベラジオオペラ。ダービー時に減っていた体も秋には戻しての足跡。前走はプラダリアの渋とさに負けただけ。古馬はプラダリアを筆頭にローシャムパークにリカンカブール、ステラヴェローチェにミッキーゴージャスと脇を固める。あとはお天気だ。雨の降らぬ日がないぐらい。どれくらい馬場が悪いのか。

【高松宮記念の回顧】

24年3月24日(日)中京11R 高松宮記念(G1) 芝1200m)
  • マッドクール
  • (牡5、栗東・池添学厩舎)
  • 父:Dark Angel
  • 母:Mad About You
  • 母父:Indian Ridge
  • 通算成績:12戦6勝


まさしく菜種梅雨、中京競馬場もずっと雨が降り続く。同じ舞台の8Rでインを逃げ切る。続く9Rも逃げ切り だが馬場の真ん中を通る。このふたつの意味は?と考える。内はずっとましだと思っていたのに。馬場と展開が微妙だ。

パドック、返し馬と観て、香港馬ビクターザウィナーが短距離馬らしい体つきで思っていたよりいい。ゲートOP、テイエムスパーダが躓いた様だ。白い馬体が前に、マッドクールだ。ビクターザウィナーも外で悪くないスタート。内でマッドクールが主張して相手を簡単に内には入れさせぬ。ウインカーネリアンが3番手。ママコチャも続く。

ルガルも好位組。ナムラクレアは真ん中の内のエアポケット。1F半ぐらい行った処でビクターザウィナーが先頭に。マッドクールは内の3番手。前半3Fの34・9は昨年ほどではないにしても遅い先行馬ペース。カーブを廻り直線へ入ってきたが、ビクターザウィナーは外へ出してきた。マッドクールは内へ。その2頭の間が大きくポッカリ開いたほど。マッドクールはラチ沿いのいちばん内へと寄っていく。

あと1Fでは内からマッドクールが先に出た。ビッグシーザーの内を抜いたナムラクレアが前を追う。一完歩ずつ前へと迫るがゴールはすぐに来た。ビクターザウィナーが3馬身の差が開いて3着。外のウインカーネリアンが4着。5着には開いた内めから脚を伸ばしたロータスランドがあがった。

ママコチャ、トウシンマカオは伸び切れず。この馬場でも上り2Fは11・0~11・6。良くぞナムラクレアが迫っただけで前の馬の流れだった。坂井瑠星は内が我慢できる馬場だと感じていた様だ。ビクターザウィナーの鞍上はあの判断だった。終ればルガルは中京の芝は初めて。ま、いろんな事が重なる。雨の高松宮記念。この馬場を読み切った者が勝った。