ドバイターフをライブで観ていたが直線に入ってすぐ、画面の左端で何か異変があった様に感じた。それがルメールの落馬と後で知った。競馬は何があるか判らない。まずは無事に廻ってくる事、そして持てる能力を全部出す事がいかに難しいか。

今週は若き乙女達の晴れ舞台、桜花賞。今年は桜の開花もジャストタイミングか。関東馬が8頭、そのうち5頭が栗東入りでの調整。無敗の2歳女王、アスコリピチェーノは今回も1週前に鞍上が乗って併せ馬。と言うか、この馬は直前も併せ馬が出来るタイプ。よほど体幹がしっかりなのだろう。後はプラス体重ならば文句なし。

暮の2着馬ステレンボッシュは上り最速の切れ味。今回は速め入厩で負荷をかけている。チェルヴィニアは半年近い実戦となるが栗東で観るかぎりブランクは感じない。直前輸送組も含めて東馬は脅威だ。西組もクイーンズウォークにスウィープフィートと名優揃い。東西が入り乱れて熾烈な戦いになりそうだ。

【大阪杯の回顧】

24年3月31日(日)阪神11R 大阪杯(G1) 芝2000m)
  • ベラジオオペラ
  • (牡4、栗東・上村厩舎)
  • 父:ロードカナロア
  • 母:エアルーティーン
  • 母父:ハービンジャー
  • 通算成績:8戦5勝


どう見ても絶対に行かなければならない馬が居ない。そんな今年の大阪杯であった。だからゲートが開いて、勢いよく出て行ったベラジオオペラに《やっぱりか~》と驚きより、その作戦をとる鞍上の積極的な騎乗に納得した。そう、横山和生はまさしく先手もあるし控えての差しもある臨機応変ジョッキーだと認識している。

そして前半はこれほどに行けないのかと観ていたローシャムパークが向こう正面からグーンとあがって行った時に《この手で来るのか~》とこれまた思わず感嘆してしまった戸崎の騎乗っぷり。その2頭が最終コーナーもいい手応えで廻ってきて最後までしっかり追い合う姿に《なるほどね~》と。レースを受けて乗るのでなく、自分から出て行く乗り方で結果を手に入れたものと言っていいだろう。

もちろん逃げの手に出たスタニングローズも展開を読んだもの、過去にない先手での競馬はそれなりに悪くなかったが、最後は昨年5月以来の実戦が響いたのか。馬体重が発表されてまず気になったのがソールオリエンス。過去最低の数字。デビュー以来でいちばん低い456キロ。初ブリンカー着用で今まで出し切っていない能力を出せるのではないかと内心期待をしていた。過去に菊花賞で西下時も体は減らなかったのにこの数字。パドックを周回している馬体は少し寂しく見えた。

逆にいい体に見えたタスティエーラ。好位の内でそつない競馬。それなのに後1Fからまったく伸びない。有馬記念でもあの逆境から伸びてきたのに。前走、ベラジオオペラに勝利のプラダリアも伸びあぐねた。これは距離か。

一旦下がりかけたステラヴェローチェがまた盛り返したり、ジオグリフの粘っこい競馬。3着のルージュエヴァイユの激走には正直驚いた。勝ち馬が2番人気で2着が3番人気。今回もファンの鋭い眼にはおそれいりました!