16年ぶりのJRA女性ジョッキー!藤田菜七子騎手が登場!
2016/3/13(日)
多忙を極める毎日 素顔は読書家の一面も
-:まだ、デビューされて間もないのですが、現時点でトレーニングや調教以外で何かされていることはあるのですか?
菜七子:最近は本当に忙しくて、なかなか出来なかったりするのですが、時間がある時は木馬に乗ったり、トレーニングはするようにはしています。
-:多忙を極める最近のスケジュールはどんな感じですか?
菜七子:朝は調教に乗って、昼も取材があったりして、夕方は厩舎に来て、獣医さんが来るので待ったりしなきゃいけません。それからご飯を誘われたら、ご飯にも行かないといけないし……。誘っていただいてすごくありがたいのですが、夜は疲れて、そのまま寝てしまったりもするので、なかなかトレーニングも難しかったりもします。時間がある時は木馬に乗ったりはするのですが。
-:相当お忙しいと思っていたので、ちょっと意地悪な質問になってしまいました。さすがに今はなかなか時間がとれないですよね……。それにしても、16年ぶりのJRA女性ジョッキーとして話題にはなるのかなと思っていたのですが、ここまで注目されると思っていましたか?
菜七子:いえいえ、本当に全く思っていなかったです。
-:競馬が一般のニュースに頻繁に取り上げられることも珍しいですよね。何気なくテレビをつけていて、何度も菜七子さんが取り上げられていたので、ご本人はさぞかし大変かと思いました。しかし、それだけ注目されるのは、ご自身にとっても嬉しいことですよね。
菜七子:ええ、本当にありがたいですね。
「今まで以上に実戦に向けて乗るという意識の上では、実習の時とは違う心構えで乗れるようにはなったと思います」
-:トレセンには競馬学校の頃から来られていますが、いざスタッフの一員として入った厩舎の環境、トレセンの雰囲気はいかがですか?
菜七子:色々な方が「菜七子ちゃん」と声を掛けてくださって、とても嬉しいです。過ごしやすいというか。
-:でも、トレセンの中では息を抜く暇もないんじゃないですか?
菜七子:う~ん、息抜く暇はなかなかないですね。(調教に)乗っている時は違いますが。でも、調教も上手く乗れない時もあって、今まで以上に実戦に向けて乗るという意識の上では、実習の時とは違う心構えで乗れるようにはなったと思います。
-:今は息抜きも出来ないと思いますが、もし時間があったら、どうやって使いますか?
菜七子:時間がある時は読書をすることが好きで、本を読んでいたりしますね。
-:最近の若年層で読書をされる人も減っていると思いますが、若くして読書家とは素敵ですね!お薦めの本はありますか?
菜七子:伊坂幸太郎さんが好きで、学校にいる時はよく読んでいました。最近はちょっと忙しくて、読めなくなりましたね。
-:読書が好きなのは、元々子供の頃からですか?
菜七子:全然、そんなことはなくて、競馬学校に入ってから読むようになって。競馬学校で仲良くなった厩務員課程の方がいたのですが、同じ厩舎の厩務員課程の方が「面白いよ」とお薦めして下さった本がすごく面白くて、そこから色々と本を読むようになりましたね。
▲師匠である根本康広調教師(右)らと談笑
まずは一勝を 将来は信頼されるジョッキーに
-:これだけメディアの注目を浴びていらっしゃるのですが、プロの騎手になったからには、結果を求められてくる世界に踏み入れたわけです。目標としているジョッキーはいらっしゃいますか?
菜七子:ニュージーランドの(女性騎手)リサ・オールプレスさんというジョッキーを目標としています。本当に素晴らしい方で尊敬しています。
-:今年もかなり活躍されているみたいですね。
菜七子:そうですね。ニュージーランドで活躍されていますね。昨年も一緒に調教に乗せていただいたり、お話をさせていただく機会を(当時の身元引受調教師だった)二ノ宮先生がつくって下さって、何度かお話もしましたし、色々なことを教えもらいました。
-:といいますと、菜七子さんは英語が堪能ですか?
菜七子:いえ、全然出来ないです(笑)。リサの方がだいぶ日本語を覚えてくれました。ニュージーランドに帰国する頃には、私が日本語の単語を言うだけでも通じるというか、日本で滞在中にすごく日本語を勉強していらっしゃったみたいで。
-:家族もいて、騎手としてのご自分の仕事もあるはずなのに、その順応性、対応力がすごいですね。
菜七子:そうですね。本当にすごいと思いますし、そういうところも尊敬しています。
-:では、菜七子さんも、次に(リサ・オールプレスさんが)来られた時は英語のワンフレーズでも。
菜七子:そうですね。私がちょっと英語を勉強しないといけないですね。競馬学校はそういう授業も全くなかったので。
-:毎日のように菜七子さんのニュースがメディアを賑わせていますが、現段階での今後のスケジュールを教えていただけますか?
菜七子:今週の土日(3/12、3/13)は中山で、次週の火曜日に高知に行きます。それから来週の土曜日は中京で乗って、日・月は中山で、それ以降はまだ決まっていないですね。24日(木)の浦和も抽選で入れてもらえれば、というところです。
「今後の目標はまずは初勝利ということですね。それに尽きます。それ以降は厩舎関係者の方、ファンに信頼されるようなジョッキーになりたいなと思います」
-:遠征もジョッキーの仕事のうちとはいえ、地方競馬も含めて、こんなになかなか行ける機会もないと思うので。
菜七子:そうですね。なかなかないと思うので。ありがたい思いです。
-:改めて今後の目標があったら教えていただけますか?
菜七子:今後の目標はまずは初勝利ということですね。それに尽きます。それ以降は厩舎関係者の方、ファンに信頼されるようなジョッキーになりたいなと思います。
-:菜七子さんを通して、競馬の露出が増えていますし、ファンや後継者も増えてくれれば良いですね。そのためには活躍を続けることで、さらに目標とされる女性ジョッキーになっていただきたいです。
菜七子:そうですね。私の立場で言えませんが、競馬ファンが増えてきてくれたり、ジョッキーを目指す人が増えてきてくれたら嬉しいなと思います。
-:今の段階では、ジョッキーになって良かったですか?
菜七子:もちろん!なって良かったと思います。
-:また、活躍をしていただいて、その喜びの声も聞かせていただきたいと思います。今日はお忙しいところ、ありがとうごいます。
菜七子:ありがとうございました。頑張ります!
プロフィール
【藤田 菜七子】 Nanako Fujita
2016年3月に、JRA所属としては16年ぶりの女性騎手として免許を取得。3月3日に中央競馬でのデビューに先駆けて、公営・川崎競馬で初騎乗という異例のデビューを果たした。3月6日の中山競馬で中央デビューを果たすと、初騎乗でいきなり2着に入る好走。待望の初勝利にファンの期待が高まっている。目標とする騎手は、ニュージーランドで活躍する女性騎手である、リサ・オールプレス。
1997年、茨城県出身。
2016年に根本康広厩舎からデビュー。
JRA初騎乗:
2016年3月5日 3回中山1日2R ネイチャーポイント