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前走とは中身が違う「これが牝馬か、という体」

-:そういう中で4月4日に追い切られましたが、動きはいかがでしたか。

丸:動きは良かったんじゃないですか。

-:今回は初めて在厩で調整して桜花賞に向かいます。これまでは短期放牧を挟んで、帰ってきてからがレースでしたが、本番に向けて、チューリップ賞とここが連戦になった戸惑いはなかったですか。

丸:なかったですね。逆にプラスしかないと思っていたので。とにかく休み明けでリセットされて帰ってくるので、追い切りも1週前は6ハロン81~82秒で、5ハロンで言ったら、64~65秒なので、けっこうなタイムを出さなきゃいけないんですけど、今回は1回使ってずっと厩舎にいるんで、そんな時計もいらない。いつもの放牧明けだと、1週前はちょっと取り付く前でいくらか仕掛けないといけなかったけど、今日は全く馬なりだったので、やっぱり1回使った効果はあるから、戸惑いはまったくなかったです。

ラッキーライラック

-:今の体重はどれぐらいですか。

丸:今で500キロちょっとぐらいなんで、一緒ぐらいなんじゃないですか。ただ、放牧明けを絞り込んでチューリップ賞を使って、また乗り込んだので(体重が)同じだとしても中身が違いますね。

-:立ち写真を見ても迫力がありました。

丸:もうムチムチでしょ。あれが中身ですよね。

-:桜花賞という女のレースに男が出るような感じですね。

丸:多分、体重は変わっていないけども「これが牝馬か」という体ですよね。だから、1回絞って使ったというよりは、またそこから膨らんだけども、休んで楽をして膨らんだわけじゃないから、良いよということですよね。

-:肩甲骨、肩の辺りですね。

丸:そうそう。でも、マッチョにはなって欲しくなかった。マイルの桜花賞を5回目に設定してきたけど、知らず知らずの内にマイラーにしてしまう可能性もあるから、マッチョにして反応だけ良くなって短距離馬になっちゃうことだけは本当に注意してやってきました。

ラッキーライラック

「先生も冷静で『こうなったらどうしよう』というのが特にないんですよね。毎回競馬の内容が違うし、これまでも対応してきているから」


-:この桜花賞でラッキーライラックに死角とか危険度はあまりないですよね。

丸:そうですね、先生も冷静で「こうなったらどうしよう」というのが特にないんですよね。毎回競馬の内容が違うし、これまでも対応してきているから。スタートも速いし、どんな時でも末脚はシッカリしているから、本当に心配というのはそんなにないんですよね。

-:昨年、一昨年と一番人気には辛いレースが続いています。ソウルスターリング(3着)、メジャーエンブレム(4着)も敗れましたが。

丸:ジョッキーもプレッシャーはあるんだろうけど、多分返し馬で乗ったら、いつもの馬だと思うはずだから。だって、メンバー中で一番時計を持っているし、このコース、この距離で2戦2勝で、馬は反復練習が良いと言われている中で、(桜花賞を)3回目に持って来ているから、本当に理想的に進んでいると思っています。

-:あとは、ケガをさせないことですね。

丸:そうですね。

-:どこに注意して乗られていますか。

丸:まずは、とりあえず真っ直ぐちゃんと走らせるということを注意しています。とにかく体幹がしっかりしているので、ミスステップもあまりしないんです。多分まだ1回も使っていないギアがあるだろうけど、それを使う時というのは、オルフェの血が全開になる時でしょうね。

-:もともと怖がりな面もあったけどレースでは見せませんね。

丸:だから、怖がりなんだけど、そんなにゲートも出て行かなかった馬だけど、いざ競馬に行くとそんなことはないから凄い馬なんですよね。

-:学習能力が高い馬ということですね。

丸:チューリップ賞でも石橋脩騎手があれだけ最後促したけど、そこまで離していかないのは、多分普段の調教と同じように走っているからだと思います。ちゃんとここでやっているルールを覚えていてくれて、カッとならないのが良いんだろうなと。賢い馬なんでしょうね。

ラッキーライラック

-:ラッキーライラックは今まで勝ったことしかない。馬はレース後に勝ったことを分かっていると思いますか。

丸:分かっているというか、分かっていないと思う。よくソラを使うと言われるけど、実際はソラを使っているわけじゃなくて、1頭で先頭に立って周りが開けているから、怖いという感じなんだと思います。本当に戸惑っているだけだから、かわいいですよね。そういうところはレディだなと。

-:でも、桜花賞で抜けだしたら、多分前には馬はいないですよね。

丸:多分、いないでしょうね。

-:引き離せますか。

丸:逆に怖がりな部分があるから、後ろから来られたら、来られた分だけ行くんですよ。その辺は上手く出来ているなという。馬が怖いから並んでいたくないんですよ。だから、一気に抜いてしまうという。でも、追い切りとかでは、ちゃんと横で我慢することもできるんですよ。

-:僕らが取材で使う「怖い」という言葉は、こういう馬には当て嵌まらないということですね。

丸:ちょっと違うと思う。しかも、人間とのコンタクトは尊重してくれる賢さを持っているから。

歴史的名牝へ「無敗のオークス馬を目指したい」

-:その辺は、子馬の頃から大切に育てられて、人と上手く付き合ってきたということでしょうね。

丸:それもあるでしょうね。だから、この馬に関わった人たちや僕も含めて本当に丁寧につくってきた馬なので。

-:最後に、たくさんの応援してくれているファンに。

丸:このまま勝ち進んでくれたら良いなと思っているので、無敗のオークス馬を目指したいです。まあ、いろんなデータが飛び交っているのも知っています。でもデータというのは統計だから、アルテミスSの時も1戦1勝馬は勝ち馬がいないと言われていました。そういうのは塗り替えていくことだから。実際に、桜花賞までに重賞を3勝している馬はいなかったわけですからね。本当に過去に例がないことをやっているので、逆に心配もないというか、不安もないというか。

ラッキーライラック

-:ファンは安心して応援できますね。

丸:今日追い切りましたけど、エサも全部食べましたし、普通はこんな牝馬はいないですよね。、僕の中でのチャンピオンはブエナビスタなので。ウチにレッドディザイアもいたし、ブエナビスタは負けても2着。しかも、マツパク先生(松田博資元調教師)が「後ろから行け」と。ぺースだって分からないのに「ケツから行け」というわけで、馬群は縫わないといけないし、しかも他の17頭は全部ブエナビスタを負かそうとする。僕らもそう考えていたし、でも、ブエナは17頭全部を受け止めて跳ね返さないといけない。チャンピオンというのはそこなんですよね。そういうのを含めてのチューリップ賞でもあったから、ああいう風に後ろからマークされたけど、跳ね返してくれたというのはやっぱり頼もしいなと思ったし、本当にチャンピオンになれる器なんだろうなと思います。だから、本当に堂々と競馬して欲しいなと。

-:もしかしたら、世界的な名牝になるかもしれないですね。

丸:かもしれないですね。この馬はゲートも速いし、小脚も使えるし、加速も出来るし、ブレーキを掛けても再加速をスムーズに出来るという、本当に欠点がなくて、理想的ですね。本当にこの馬はすごいです。

-:すごさだけが目立ちますね。

丸:だから、みんなアラを探すんでしょう(笑)。

-:お忙しいところ、ありがとうございました。

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