セントライト快勝で再度名乗り!フェイトフルウォー
2011/10/16(日)
伊藤伸一調教師
-:菊花賞に出走を予定しているフェイトフルウォーについて、伊藤伸一調教師に伺います。よろしくお願いします。
伊:よろしくお願いします。
-:春のクラシック、皐月賞は12着、ダービーは13着という結果でしたけれども、改めて振り返っていただけますか?
伊:皐月賞もダービーも、今そのときに出来ることをやって「現状ではこれが一番良い状態だろうな」と思いながらやっていたわけですけれども、結果を見ると、少しずつ少しずつ疲れが溜まってきていたのかな、というのはありますね。若干ですけど目方も減っていきましたし、その分お腹のあたりもスリムになってきていましたからね。
-:そうなんですね。
伊:皐月賞前のレース、新馬戦であったり、東京スポーツ杯2歳ステークス、ホープフルステークス、京成杯の内容から、ポテンシャルのある馬だと当然思っています。それが、結果的に皐月賞とダービーであのように惨敗してしまったのは、今思えば、疲れが溜まってきていたのかな、と。
-:なるほど。では、春のクラシックを終えて、夏はどのように過ごされたのか教えてください。
伊:ダービー後は山元トレセンに戻して、夏は向こうで過ごしてリフレッシュしてきました。
-:そして秋はセントライト記念から始動されましたけれども、秋緒戦をセントライト記念に選んだ理由は、どういうところになりますか?
伊:菊花賞に向かっていくにあたって、セントライト記念か神戸新聞杯という選択肢がある中で、両方考えてはいましたけれども、やっぱりレースを使ったあとの疲れや、菊花賞までの間隔を考えると、1週でも開いていた方がいいかな、ということでセントライトにしました。あと、輸送もあまり良くはありませんので、関西に行ってそのまま滞在することも考えましたけど、慣れた場所で確実に調整してレースに向かいたいということもあったので。
-:そうなんですね。そのセントライト記念では、素晴らしい伸びを見せて京成杯に続いて2つ目の重賞タイトルを手にされましたけれども、レースを振り返っていかがですか?
伊:行ってくれる馬がいて、流れてくれましたから、レースはしやすかったと思います。それでも、あの距離をあのペースでついて行って、最後に外を回って差し切って勝ったわけですから、強い内容の競馬だったと思います。
-:レース直後のフェイトフルウォーの状態はいかがでしたか?
伊:やっぱり、しっかり走ってきたなという感じはありました。でも、その後1週間ぐらい楽をさせたら、こちらが思った以上に回復が早かったですね。体は500キロありますけど、まだまだ幼いところがあって、意外とカイバをペロリと食べる馬ではないんですけど、今回はレース後もお腹が巻き上がるような感じは見えませんし、しっかりした体を保って、今のところは上手く来ています。
-:なるほど。では本日(10/14・金)行われた1週前追い切りの内容と終えての感想を教えてください。
伊:ヨシトミ(柴田善臣騎手)に乗ってもらって、坂路で前の馬を追いかけて併せるという形でした。入りが遅かった分、全体時計はそれほど速くありませんでしたけど、リズム良く走っていましたし、折り合って流れもスムーズで、終いもしっかりしていました。もうビッシリとやる必要はない状態でしたし、1週前追い切りとしては良い内容だったと思います。ヨシトミも、セントライト記念前のときよりも今日の方が良いと言ってくれましたし、順調に来ていることを確認してもらえて良かったですね。
-:順調なんですね。さていよいよクラシック最後の1冠ですが、菊花賞の舞台、京都・芝3000メートルに対するコース適性についてはどのようにお考えですか?
伊:3000メートルという距離は長距離といっても2400とはまた競馬が違うでしょうし、どの馬もみんな初めてですから何とも言えませんけれども、これまで前に行ったり後ろから伸びてきたり、いろいろな形の競馬を経験していますから、あとは気分良く走らせてあげられればいいなと思います。セントライト記念のとき、4コーナーの大事なところでフワッと抜ける感じになったように、悪さをしたり、スタートして行かないときもあったりしますけど、リズム良く気分を害さずに行ければ、前走ぐらい走れると思います。
-:なるほど。
伊:あと、京都競馬場も初めてですけど、状態が良ければどこのコースでもちゃんと走っていますから、初コースはそれほど心配はしていませんし、外回りも気になりません。
だから、初めての競馬場でどうこうというより、輸送減りの方がどうなのかな、ということですね。長距離輸送の競馬を上手くクリア出来ればな、と思っています。
-:分かりました。ところで、春に取材をさせていただいたときに「この馬は距離が延びて良さが出ると思っています」というお話を伺いましたが…。
伊:ああ、それはですね、血統的にマックイーンの肌にステイゴールドですから、長距離は良いんじゃないかな、ということです。「この血統なら、絶対に長い方がいいだろう」って、自分に言い聞かせているんですよ(笑)。
-:そうなんですね(笑)。では、最後にレースに向けて意気込みをお願いします。
伊:幸い今のところはいい形で来ていますから、あとはゲートが開くまで、いかに気分良く持っていってあげられるかだけだと思っています。G1ですからメンバーは揃っていますけれども、重賞を2つ勝っている馬もそうはいませんから、関東の代表として胸を張って行こうかな、と思います(笑)。
-:応援しています。今日はありがとうございました。
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■主な重賞勝利
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98年の開業後、コンスタントに勝ち星を積み重ねる。11年菊花賞に、京成杯、セントライト記念を制した管理馬フェイトフルウォー号を送り込む。
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