いざ有馬へ!ゴールドシップ2週前レポート
2012/12/16(日)
須貝尚介調教師(S.R.S)
菊花賞からさらにパワーアップ中
-:先週からゴールドシップの近況を聞かせてもらっているんですけど、今週の変化はいかがですか?
須貝尚介調教師:体重が20キロぐらい増えてきたんですけど、それは脂肪太りじゃなくて……。まあ、菊花賞終わってから、放牧に出したんですけど、そんなにユルめず、乗り込んだ中での体重のプラス増なので、今回帰ってきても、有馬記念に向けて攻めていける状態にはあります。
-:それは成長と見て良いですか?
尚:まあ、成長という言葉よりもパワーアップという言葉の方が合っているんじゃないかと、僕自身は思っているんですけど。
-:パワーアップというと、普段の動きを見せていただくと、かなり暴れるというか、迫力のある動きをして、元気も良いし、菊花賞を勝った馬というのは3歳の秋に3000mを走ったという疲れがどうしても出ると思うんです。過去の馬達はそうだったんですけど、ゴールドシップだけはやたらに元気が良いという。
尚:ハハハ(笑)。そう見てもらったら嬉しいですね。確かにこの馬は使った後、順調に来ているし、自分で体を作るというか、今週の動きなんて素晴らしいものがあったんで。また、来週も攻めていけるんですけど、これが体が減っていたり、具合が悪かったり、脚元を痛めていたら、それが出来ないんで。有り難いのはこの馬にとって、今はどこも悪い状態がないと。
-:今もそうですけど、これまでも脚元とか、体のパーツの丈夫さというのも、ゴールドシップの一つの強みだと思うんですけど、それもスゴいことですよね。
尚:まあ、それだからこそ、攻めたい時に攻められる状態にはあると思います。
-:3歳の代表として、二冠馬として良い状態で有馬記念に臨めそうですね。
尚:そうですね。古馬相手になると思うんですけど、二冠馬として恥ずかしくないような競馬をして欲しいと思ってます。
ファンの支持に応えるため有馬記念へ
-:結構、菊花賞から有馬記念というのは良いローテーションなんですよね。歴史を見ると。
尚:まあ、ジャパンカップを考えたとこも少しはあったんですけど、有馬記念はファン投票で、お蔭さまでファンの支持を受けてこその出走なので、それに応えないといけないと考えたら、やっぱりジャパンカップは使うべきではないと判断したので、有馬記念一本に絞りました。
-:ゴールドシップのレースをご覧になって、重馬場適性というのは誰もが認めることで、もちろん良馬場でも成績は出てるんですけど、右回り、左回りでいうと。
尚:それも関係なさそうですね。
-:関係ないですか?
尚:この馬にとって、別に馬場状態、馬場の形態というのはあんまり影響しないですね。
-:ゴールドシップの脚質が若干、前半あまり急ぎたくない性格じゃないですか?中山の2000mの皐月賞なんかは、むしろあんまり合わないのかなと思って、客観的に見てたんですけど、全然、能力が違ったというね。
尚:あそこからスパートをして、突き抜けるぐらいのモノは持っていたんでしょうね。
-:しかもあの馬場ですからね。
尚:はい。皐月賞でも経験している馬場なんでね。内田君もこの馬のことをよく知ってもらっているんで、自信を持って乗ってくれたら良いなと思っております。
-:先生は挑戦者、古馬に立ち向かう精神で。
尚:そうですね。今回はチャレンジャーとしての立場もあるんで。
-:ファンはチャレンジャーではなく、同等以上の評価をしていると思うんですけど。
尚:いやいや、古馬でも一線級と戦ってきた相手が中にはいるんで、そんなに甘い競馬にはならないと思いますから、あくまでも今回はチャレンジャーとして挑みたいなと思っています。
-:実際に帰ってきた時に20キロぐらい増えたという話なんですけど、レースではどれぐらいの、菊花賞からプラスしたらどれぐらいの感覚で持っていきたいと、今の現状では思ってらっしゃいますか?
尚:多分、プラス10ぐらいが理想じゃないかなと思います。それは良い筋肉の重さを含めて、510前後ではいけると思います。筋力アップを含めてね。
-:骨格的なサイズではなくて、筋力が。
尚:筋肉として。現に体を見たら、良い筋肉が付いてきているんでね。
-:菊花賞よりもパドックでは見栄えが良いというか。
尚:迫力があると思いますよ。
-:来週のお話も楽しみにしています。
尚:はい。よろしくお願いします。
(写真・取材)高橋章夫
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■重賞勝利
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父は定年により引退を迎えた須貝彦三 元・調教師。自身は騎手として4163戦302勝。うち重賞は01年のファンタジーS(キタサンヒボタン)など4勝。
09年から厩舎を開業し、初年度は年間10勝だったが、翌年は25勝を挙げて飛躍。昨年も29勝をあげると、今年はゴールドシップ、ジャスタウェイを筆頭に勝ち星を量産。 |