昨年も終わってみれば130勝をマークし、2年連続のリーディング&MVJを獲得した戸崎圭太騎手。ジョッキー自身は「勝って兜の緒を締めよ」といった心構えだが、喜びの声を伺うと共に、中山金杯など新年初日開催の手応え、2016年の展望を語ってもらった。

2年連続リーディング&MVJ獲得!

-:あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。

圭太:あけましておめでとうございます。よろしくお願いします。

-:早速ですが、2015年もリーディング獲得、MVJの受賞おめでとうございます。

圭太:ありがとうございます。去年も年明けから目標にしていたことですし、決して一人の力では出来ないこと。家族やファン、厩舎関係者の支えがあっての結果だと思いますので、改めて感謝の気持ちでいっぱいです。ただ、130勝ということで、前年よりも勝ち星は落ちていますし、内容に関しても満足はしていません。いつも言ってはいることなのですが、質も良くしていかないといけませんね。

戸崎圭太

-:「満足していない」とは常々耳にする言葉ですが、こうした結果を残しても、その気持ちには変わりないということですね。

圭太:ええ。競馬なので、はっきりした正解もない世界ですし、どれだけ勝っても満足は出来ないのかもしれません。ただ、それとはいえ、納得がいかない騎乗が多かったのが事実ですからね。

-:一方で香港で海外初騎乗も遂げ、初勝利もできました。G1も中央で2勝、交流で1勝されました。

圭太:香港は招待競走もあっての騎乗でしたが、海外は素晴らしいものだと感じましたね。そして、また香港に限らず、どこか他の国、競馬場を見てみたいという思いも強くなりました。

-:それは行かれる前よりも、その気持ちが強くなったわけですね。

圭太:そうですね。機会があれば、今年も出ていきたいです。

-:海外といえば、昨年からはミルコ・デムーロ、クリストフ・ルメールの両騎手が通年でJRAの免許を取得。途中から参加しながら、リーディング上位にも食い込んできましたね。

圭太:今年は年明けからいるわけですから、もっと争いが厳しくなるのは当然です。もちろん二人だけがライバルではありませんが、また気を引き締めていきたいです。(間を空けて)……負けたくないですからね。気持ちは強く持って、リーディングを狙って頑張っていきたいです。

戸崎圭太

中山金杯はネオリアリズムと久々のコンビ!

-:そして、新年の初日ですが、幸先の良いスタートを切りたいところです。まず、2Rシゲルクロダイ(牡3、美浦・伊藤圭厩舎)はチャンスですね!

圭太:チャンスは十分ですね。しっかりモノにして、初白星といきたいです。

-:続いて、初日の出賞モンドアルジェンテ(牡4、美浦・萩原厩舎)は前走、初コンビながら勝たれました。

圭太:なかなかの素質の持ち主ですね。ただ、体の緩さも残していますし、ゲートの出も良くなかったり、一つ一つクリアしていくべき課題はありますね。

-:前回も大きな出遅れを挽回しての差し切りでしたね。

圭太:ええ。このクラスでもやれるだけのモノはありますので、課題さえ克服すれば、という思いですね。

戸崎圭太

▲久々のコンビ結成となるネオリアリズム


-:そして、中山金杯(G3)ネオリアリズム(牡5、美浦・堀厩舎)と久々のコンビです。

圭太:そうですね。まずは久々の騎乗依頼ですから、それに応えたいところです。

-:以前も簡単に当欄では話を伺いましたが、どんなタイプでしょうか?

圭太:とにかく折り合い重視といいますか、僕から乗り替わっても勝っているので、それははたから見ていても勉強になりましたね。道中、引っ掛かるところを上手くなだめないと、というタイプですが、僕が乗っていた時はそこで馬がカーっとなってしまい、終いが甘くなる競馬が続いていたのでね。

-:お話を聞く限りでは、ジョッキーが合いそうなタイプにも見えますが、それでも乗り難しいと。

圭太:そうですね。それだけにしっかり乗りこなしたいと思います。中山のこのコースも問題ないですし、僕次第ですね。

-:お兄さんは戸崎ジョッキーにもゆかりのあるリアルインパクト。似ているところはありますか?

圭太:正直、タイプは全然違いますね。ただ、僕が乗った新馬戦こそ敗れてしまいましたが、当時から素質は感じていました。初の重賞でも素質はヒケをとりませんし、しっかり乗ってこようと思います。

-:力強い言葉も聞けたので、あとはジョッキーのファイトに期待ですね。

ルージュバックは好調を取り戻すも……

-:そして、最後に年末開催の回顧もお願いいたします。ルージュバック(牝4、美浦・大竹厩舎)は良いレース運びをしていたと思ったのですが、意外な結果に終わってしまいました。

圭太:返し馬から馬の雰囲気の良さを感じていましたし、状態も良かったと思います。「これは良いレースになるな」と思っていたほどで、スタートの行きっぷりも前走とは明らかに変わっていました。当初描いていたよりも、前目の位置にはなったものの、リズムは良かったと思いますし、あとはラストスパートだけだったのですが、いざ追ってみると、反応がなくて……。上がってきてからも先生とは「距離なのかな」なんて話はしていました。

-:外枠でスローペースだったとはいえ、不可解な負け方でしたよね。

圭太:う~ん、馬の雰囲気が良くなかったりすれば、敗因もわかるものなのですが、良かっただけに余計にわからないですよね。

戸崎圭太

▲不可解な負けとなってしまったルージュバック


-:続いてプランスシャルマン(牡3、美浦・斎藤誠厩舎)はテン乗りでしたが、こちらはいかがでしたか?

圭太:道中ハミを取り過ぎていましたね。すごく真面目で一生懸命なタイプ。もう少しハミを抜いて走っていれば、違ったとは思います。

-:兵庫ゴールドT(G3)レーザーバレット(牡8、美浦・萩原厩舎)はお見事でしたね。

圭太:馬場もぐちゃぐちゃで、思っていたよりも後方になり、ペースも落ち着いてしまったのですが、レーザーバレットの強さ・能力を出してくれましたね。馬に助けられた思いです。

-:駆け足で年末年始を振り返りましたが、すぐに3日間開催がやってきますね。引き続き今週もお話を聞かせてください。改めまして新年もよろしくお願いします。

圭太:ハイ、よろしくお願いします!

※次回は1月8日(金)に更新予定です。