'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
勝利数
4月22日時点1483勝
祝・2年連続リーディング!中山金杯はネオリアリズムで腕試し!
2016/1/4(月)
2年連続リーディング&MVJ獲得!
-:あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。
圭太:あけましておめでとうございます。よろしくお願いします。
-:早速ですが、2015年もリーディング獲得、MVJの受賞おめでとうございます。
圭太:ありがとうございます。去年も年明けから目標にしていたことですし、決して一人の力では出来ないこと。家族やファン、厩舎関係者の支えがあっての結果だと思いますので、改めて感謝の気持ちでいっぱいです。ただ、130勝ということで、前年よりも勝ち星は落ちていますし、内容に関しても満足はしていません。いつも言ってはいることなのですが、質も良くしていかないといけませんね。
-:「満足していない」とは常々耳にする言葉ですが、こうした結果を残しても、その気持ちには変わりないということですね。
圭太:ええ。競馬なので、はっきりした正解もない世界ですし、どれだけ勝っても満足は出来ないのかもしれません。ただ、それとはいえ、納得がいかない騎乗が多かったのが事実ですからね。
-:一方で香港で海外初騎乗も遂げ、初勝利もできました。G1も中央で2勝、交流で1勝されました。
圭太:香港は招待競走もあっての騎乗でしたが、海外は素晴らしいものだと感じましたね。そして、また香港に限らず、どこか他の国、競馬場を見てみたいという思いも強くなりました。
-:それは行かれる前よりも、その気持ちが強くなったわけですね。
圭太:そうですね。機会があれば、今年も出ていきたいです。
-:海外といえば、昨年からはミルコ・デムーロ、クリストフ・ルメールの両騎手が通年でJRAの免許を取得。途中から参加しながら、リーディング上位にも食い込んできましたね。
圭太:今年は年明けからいるわけですから、もっと争いが厳しくなるのは当然です。もちろん二人だけがライバルではありませんが、また気を引き締めていきたいです。(間を空けて)……負けたくないですからね。気持ちは強く持って、リーディングを狙って頑張っていきたいです。
中山金杯はネオリアリズムと久々のコンビ!
-:そして、新年の初日ですが、幸先の良いスタートを切りたいところです。まず、2Rのシゲルクロダイ(牡3、美浦・伊藤圭厩舎)はチャンスですね!
圭太:チャンスは十分ですね。しっかりモノにして、初白星といきたいです。
-:続いて、初日の出賞のモンドアルジェンテ(牡4、美浦・萩原厩舎)は前走、初コンビながら勝たれました。
圭太:なかなかの素質の持ち主ですね。ただ、体の緩さも残していますし、ゲートの出も良くなかったり、一つ一つクリアしていくべき課題はありますね。
-:前回も大きな出遅れを挽回しての差し切りでしたね。
圭太:ええ。このクラスでもやれるだけのモノはありますので、課題さえ克服すれば、という思いですね。
▲久々のコンビ結成となるネオリアリズム
-:そして、中山金杯(G3)はネオリアリズム(牡5、美浦・堀厩舎)と久々のコンビです。
圭太:そうですね。まずは久々の騎乗依頼ですから、それに応えたいところです。
-:以前も簡単に当欄では話を伺いましたが、どんなタイプでしょうか?
圭太:とにかく折り合い重視といいますか、僕から乗り替わっても勝っているので、それははたから見ていても勉強になりましたね。道中、引っ掛かるところを上手くなだめないと、というタイプですが、僕が乗っていた時はそこで馬がカーっとなってしまい、終いが甘くなる競馬が続いていたのでね。
-:お話を聞く限りでは、ジョッキーが合いそうなタイプにも見えますが、それでも乗り難しいと。
圭太:そうですね。それだけにしっかり乗りこなしたいと思います。中山のこのコースも問題ないですし、僕次第ですね。
-:お兄さんは戸崎ジョッキーにもゆかりのあるリアルインパクト。似ているところはありますか?
圭太:正直、タイプは全然違いますね。ただ、僕が乗った新馬戦こそ敗れてしまいましたが、当時から素質は感じていました。初の重賞でも素質はヒケをとりませんし、しっかり乗ってこようと思います。
-:力強い言葉も聞けたので、あとはジョッキーのファイトに期待ですね。
ルージュバックは好調を取り戻すも……
-:そして、最後に年末開催の回顧もお願いいたします。ルージュバック(牝4、美浦・大竹厩舎)は良いレース運びをしていたと思ったのですが、意外な結果に終わってしまいました。
圭太:返し馬から馬の雰囲気の良さを感じていましたし、状態も良かったと思います。「これは良いレースになるな」と思っていたほどで、スタートの行きっぷりも前走とは明らかに変わっていました。当初描いていたよりも、前目の位置にはなったものの、リズムは良かったと思いますし、あとはラストスパートだけだったのですが、いざ追ってみると、反応がなくて……。上がってきてからも先生とは「距離なのかな」なんて話はしていました。
-:外枠でスローペースだったとはいえ、不可解な負け方でしたよね。
圭太:う~ん、馬の雰囲気が良くなかったりすれば、敗因もわかるものなのですが、良かっただけに余計にわからないですよね。
▲不可解な負けとなってしまったルージュバック
-:続いてプランスシャルマン(牡3、美浦・斎藤誠厩舎)はテン乗りでしたが、こちらはいかがでしたか?
圭太:道中ハミを取り過ぎていましたね。すごく真面目で一生懸命なタイプ。もう少しハミを抜いて走っていれば、違ったとは思います。
-:兵庫ゴールドT(G3)のレーザーバレット(牡8、美浦・萩原厩舎)はお見事でしたね。
圭太:馬場もぐちゃぐちゃで、思っていたよりも後方になり、ペースも落ち着いてしまったのですが、レーザーバレットの強さ・能力を出してくれましたね。馬に助けられた思いです。
-:駆け足で年末年始を振り返りましたが、すぐに3日間開催がやってきますね。引き続き今週もお話を聞かせてください。改めまして新年もよろしくお願いします。
圭太:ハイ、よろしくお願いします!
※次回は1月8日(金)に更新予定です。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成し、NARとのダブル1000勝は史上4人目の快挙を挙げた。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。