ジャスタウェイ


●須貝師が繋げたジャスタウェイの縁


-:改めてレースが終わってから須貝先生とはどんな話をされましたか?

大:終わってからは全員の共通したコメントが「ビックリした」でしたし、須貝さんとはその後も祝勝会でしたけど、僕もフワフワし過ぎて、覚えていなくて……。これも嬉しかったのは(ハーツクライの)橋口弘次郎先生からも、須貝さんのメールに「ハーツクライのG1初制覇をありがとう」と連絡があったらしくて、それはそれは本当に嬉しかったですね。僕もハーツクライの担当だった鎌田(元調教助手)さんから連絡いただいて、鎌田さんも一緒に喜んでくれましたよ。

-:競馬の良いところは人の繋がりであったり、血の繋がりであったり、それがちゃんと受け継がれて。

大:須貝さんが繋げてくれたんですよ。

-:3頭しか持ってなくて、GⅠを勝つと。凄いですよね。

大:そんなことがあるんですかね……?あっちゃったんですね。そうなったことは他の人にも“俺も馬主になってやろう”というキッカケになってくれると嬉しいんですけど。


-:いや、そう思うと思いますね。職種的にも、他ジャンルのファンにも訴えかけやすいお仕事をされている方ですし、そういう意味でも、競馬界にとって大きいことだったんじゃないですか。それが色々な形で繋がっていくと、なお素晴らしいですよね。

大:でも、「ちょっと自分で首を絞めてるな」とは言われましたけど。というのも「ハーツクライ(産駒)はまた高くなるよ」と(笑)。

-:それは間違いない。

大:まあ、いいでしょう。それはしょうがない。天皇賞の資金で第二のジャスタウェイを。

-:ジャスタウェイはセレクトセールで1200万円の馬ですよね。そんな馬が名だたる実績馬を退けたことも夢があります。

大:そうですね。これからはハーツクライの子供を買う楽しみだけでなく、ゆくゆくはジャスタウェイの子とかね。


-:そして、今回はジャスタウェイ(アニメのキャラクター)をわざわざ持参していただきまして。これはもう売ってないんですね?

大:そう売ってないです。ジャスタウェイ(馬)はたまたま新潟デビューだったじゃないですか。当日、新潟に行く前に東京駅のジャンプショップで売ってて。じゃあ、これを買って行こうと。

-:思い付きで持っていったんですね。

大:そうそう。

-:でも、オーナーが銀魂に関わっている人だということを、天皇賞で改めて知らしめましたよね。

大:(銀魂が放送されている)テレビ東京だけでなく、NHKで宣伝出来たもんね。NHKで『銀魂』を宣伝出来るのは僕くらいですよね(笑)。

-:もちろんドバイにも持って行くんですよね?

大:面白いね。来年はお客さんに投げたりしたいね。在庫がないから出来ないけど……、貯金箱だから、中に1万円か何か入れておいて。

-:周りの人にサインをもらって、ファンにプレゼントしても良いんじゃないかという話はしていましたが、1万円を入れて、投げ入れるとは考えもつきませんでしたよ(笑)。

大:だって貯金箱じゃないですか(笑)。

●成功の秘訣は「有言実行」


-:天皇賞といえば「天皇盾」です。ご自宅にあの盾があるわけですよね?

大:盾だけはその日のうちに持ってきました。もらうものはレプリカで、本物と比べると小さいのですが。

-:表彰式も伊集院静さんがプレゼンターとして来られていましたし、あんなしっかりとしたセットが作られているとはビックリしました。

大:ねえ。気分が良かったですよ。こんな幸運で良いんだろうかと。凄いことなのでね。自分で言うのも何ですけど。

-:馬主を始めた頃は想像出来ましたか?

大:う~ん。いろいろと口に出したのが良かったんじゃないですか。


-:「有言実行」ですか。

大:走る前からずっと言ってた訳ですよ。「天皇賞に行きたい、ドバイに行きたいね」と。須貝さんと話した通りになりましたからね。

-:元々、そうやって実行されてきた方なんですか?

大:口に出して言った方が良い気がするな……。馬主になるっていうのも結構な昔から言ってましたから、やる前は不可能そうなことでも、大目標を口に出した方が良いんじゃないかと思うようになりました。ドバイに行きたいと言ってたら、行けるようになってしまいましたからね。

-:有言実行で実現されてきた、大和屋さんの今後の目標というのは?

大:ドバイ制覇です。ドバイデューティフリーを獲ることです。


「須貝さん、榎本君ら厩舎スタッフ。そして、ジャスタウェイのお陰です」

-:天皇賞を勝てたことでドバイへの道が拓けたわけです。ここまでジャスタウェイを応援してくれたファンは向けて、「おめでとう」という声を届けてくれているファンへのメッセージをいただけますか?

大:ありがとうございました。来年はドバイに行くので皆で頑張ります。そして、この場をお借りしてお礼をいいたいです。「須貝さん、榎本君ら厩舎スタッフ。ノーザンファームC1厩舎の皆さん、吉澤ステーブルWESTの皆さん、応援してくれた友達や知り合いの皆さん、ファンの皆さん、そして、ジャスタウェイ。本当にありがとうございました」

-:今年の初勝利が天皇賞制覇。そんなオーナーは今までいなかったはずですよ。

大:そうかもしれないね。2着が6回ですもん。ずっと悔しい思いをしてきたからね。喜びもひとしおです。まあ、ここから多分、半年くらい飲みっぱなしですよ。痛風に気を付けないと(笑)。

-:痛風が持病なんですか?ドバイに行く時に発症したらマズいんじゃ?

大:まだ、発症はしてないけど、健康診断に行ったら「あなたの数値はもう、いつ発症してもおかしくない」と言われました(笑)。飲み過ぎないように気を付けます。

-:そちらの方は「有言実行」とせず、「有言不実行」ということにしないといけませんね。この度はありがとうございました。