初めての個人所有馬ジャスタウェイがレーティング世界No.1の評価を獲得し、種牡馬に。
人並み外れた馬運の持ち主が脚本家という本業のキャリアを活かし、馬主ライフを書き下ろします。
『魔女見習いをさがして』
2020/11/3(火)
今回は宣伝です。おジャ魔女どれみニ十周年記念作品『魔女見習いをさがして』が11月13日に劇場公開されます。この映画を是非見て欲しいという更新です。
この『魔女見習いをさがして』という映画は、二十年前にやっていたおジャ魔女どれみ(ちなみに新人の頃の僕も脚本で参加させてもらい沢山の勉強をさせてもらい沢山の涙を流した番組です)という女児向けの番組が放送ニ十周年ということで劇場映画となったものです。デジモンの劇場が動いていた時に同じく制作していた映画でして、脚本は僕ではなく栗山緑さんという名の山田さんです。
しかしながらこの映画の番宣用フラッシュアニメなんかの脚本は僕も書かせてもらったりしています。今現在色々な媒体とコラボしたりしているので皆さんも耳にしたことがあるかもしれません。現在20代後半から30歳くらいの女の子にはなじみのある番組だと思います。四年間も続いた番組ですのであの頃子供だった女の子達は毎週楽しみにしていてくれたに違いない。そんな皆さんに是非見て欲しいのです。
恐らく内容についても少しは出回っていると思うのでできる範囲でネタバレします。主人公はどれみ達ではなくあの頃テレビでおジャ魔女どれみを見ていた悩める女子三人の物語。「20歳になったどれみ達なんかやったって話題にもならないからねえ!思い切った切り口が必要なのよ!」と20歳になった太一達を描いたデジモンアドベンチャーラストエボリューション絆の打ち合わせでプロデューサーの関さんは鼻息荒く語っておりました。
先日試写会に行ってきましたが、どれみのスピリッツをしっかりと継承した良い作品でした。主人公はどれみ達ではありませんが、おジャ魔女どれみが大切にしていた根幹をしっかりと受け継いで、あの頃どれみを見ていた皆が成長した今、抱えているであろう問題に真正面から向き合っていて、あの頃どれみを見ていた皆さんはきっと彼女たち三人のうちの誰かにずずんと感情移入できることでしょう。もやもやした毎日を送っている女子たち必見、おジャ魔女どれみと同様に悩める皆によりそって、バンと背中を押してくれる。そんな作品になっているのです。
そういう面で言うとラスエボも同じなのですが、切り口が違っているというか、男の子ものと女の子ものの違いはあるのですが……。どちらの番組も関さんがプロデューサーをやっていた番組ですので、そういうスピリット的な部分、気概というか伝えるべきものは共通しているのだと思います。子供だましではなく、しっかりと子供達と向き合った番組 作りができていたからこそどちらの作品もヒットし20年後に映画にできたのだと思います。
はっきり言って魔法邪魔だよっていうくらい彼らは自分の力で問題を解決しなければならないのです。清い心と優しさと思いやりと天然のおせっかいが、事件や問題を解決する糸口となるのです。それはそうでしょう。魔法で都合よく問題を解決しても誰も共感なんてしてくれません。彼らが視聴者と同じ目線で悩んでもがいて苦しんだ挙句問題が解決するから見ている人達は共感し感動できるのです。そんなどれみの基本、どれみのデフォルトが今回の映画にもしっかりと引き継がれているのです。
子供の時にどれみを夢中になって見ていた三人の女の子が、大きくなって社会人だったりこれから社会の荒波へ船出しないといけない大学生だったりふんぎりのつかないアルバイトだったりと、大人へと成長したものの、大人になったいまでも、それぞれ夢だったり問題だったり面倒な男なんかを抱えています。そんな三者三様な彼女たちがおジャ魔女どれみという番組をきっかけに出会い。化学反応を起こして変わったり、こじれたり、一歩踏み出したりするのです。
そこにどれみ達はいませんが、彼女たちの中にはどれみがいます。子供の頃のどれみ達のように、そっと背中を押してくれるのです。なんでもかんでもうまくいくほど現実は優しくはない部分もしっかりと描かれているところもどれみらしい世界観だと思います。
佐藤順一監督をはじめコンテで五十嵐さんやキャラデザの馬越さんら、20年前のオリジナルのメインスタッフが再結集し、新たに若い監督やスタッフもよい感じで調和しているのでしょう。
間違いなくどれみの絵でありながらもまったく古臭く感じない映像美。そして探してもらえればわかると思いますが、20年前にどれみに出演していた声優さん達も各所に出演していたりするので、注意深く探してみるのも楽しいですよ。僕なんかのような生粋のスタッフは昔のBGMが流れただけで当時の思い出があふれ出しました。
そんな生粋のスタッフであるこの僕が声の出演(居酒屋の店員)をしている『魔女見習いをさがして』は、11月13日に公開です。エンディングのスタッフロールの僕の名前も含めて、ドンミスイット!ですよ!
そんなどれみファンも応援してくれているマジカルステージは現在休養中です。戻ってきたらまずは一勝、未勝利を脱出してくれることを祈ります。
そしてアウィルアウェイがマイルチャンピオンシップへの出走を予定しているようです。いきなり1600mに距離延長なのかと少し驚きましたが、はっきり言ってマイルチャンピオンシップも強敵だらけではありますが、ジャス君の子ですので距離がこなせないとは思いません。ちなみにこのレースにも超スピードでレースを引っ張っていってくれる逃げ馬がいそうなうえに今回も人気がなさそうですので今から期待しております。
了
プロフィール
大和屋 暁 - Akatsuki Yamatoya
脚本家・作詞家・ライター。若くして一口馬主に出資を始め、クラブ馬主歴2年目にハーツクライと運命的な出会いを果たすと、有馬記念、ドバイシーマクラシックを制す大活躍。しかし、ノド鳴りによるアクシデントに見まわれ、突如として引退したことに一念発起、馬主になる決心を固めた。個人馬主としては、初めてデビューを果たした所有馬ジャスタウェイが大活躍の強運ぶりを発揮。遂には、目標であったドバイ遠征を実現させ、ドバイデューティーフリー(現在のドバイターフ)を圧勝。「自らの馬でドバイを勝つという」夢を実現させたばかりでなく、そのパフォーマンスが評価され、2014年度のワールドベストレースホースランキングでは、日本馬史上初の1位を獲得している。
現在の現役所有馬はカリボール、マジカルステージ、ジャスコ、キングロコマイカイ。一口馬主や共有馬ではアウィルアウェイ、ルーツドール、イストワールファムなどに出資している。
本業ではアニメ版「銀魂」、「スーパー戦隊シリーズ」などの脚本を手がけ、2020年公開の映画「デジモンアドベンチャー」も担当。愛馬との数年間に及ぶ足跡を綿密に綴った『ジャスタウェイな本』などの執筆も手がけた。