初めての個人所有馬ジャスタウェイがレーティング世界No.1の評価を獲得し、種牡馬に。
人並み外れた馬運の持ち主が脚本家という本業のキャリアを活かし、馬主ライフを書き下ろします。
『ジャスタウエイ産駒』
2018/8/7(火)
皆さんこんにちはライター大和屋です。皆さん最近どうですか?先週末はジャスタウエイにとっては良い週末だったかと思われます。 土曜日は我が愛馬アウィルアウェイがダリア賞を楽勝、そして日曜日の新馬戦ではヴェロックスが8馬身差での圧勝。どちらもそのレースを見れば今後が楽しみで仕方がないレースっぷりだったと、僕でなくとも思ったはずです。
まずは土曜日のアウィルアウェイ(牝2、栗東・高野厩舎)のダリア賞を振り返ります。スタートは前に比べればマシ、出遅れはしませんでしたが、それほど良いとも言えずに後方2番手へとつけます。馬なりのまま追走していくと4コーナーで徐々に進出、先行集団へと取りつきます。
そして、直線に向くと外へと持ち出し軽く仕掛けるだけで先頭へ。そのまま後続を突き放しムチを使うこともなく、ゴール前では抑える余裕もあったように見える完勝でした。まさに強いの一言、これから先が楽しみで仕方のなくなるレースっぷりでした。気になることといえばこの暑い夏場に2戦目を使ったことが後々響いてこなければいいということと、デムーロ騎手が「1600mがぎりぎり」だと言っていること。
ジャス君の子供ですので、ただの単距離馬であるはずがないと僕は思いますし、この時期は使い分けの計算がある人達はこういうコメントを言いがちであることを考慮に入れて、関係者の皆さんには今後のことを考えて欲しいです。クラシック当時のジャス君の時の福永騎手のコメントもまさにこんな感じでしたよね。忘れやしません、「この馬はマイラーです」とあの方は言っておりました。
とまあ不安な点をあげればいくらでもあげられますが、この時期にOP特別をきっちり勝ち上がれたことは大きいです。本賞金を加算できたことで使いたいレースに賞金不足で使えないということが、少なくとも来年のG1ぐらいまではほぼほぼ安心になりました。ゆっくりと休養させて逆算しながら目標のレースを目指して調整できるというのは大きいですよね。
そして衝撃の日曜日。小倉で行われた芝1800mの新馬戦、小回り小倉コースで8馬身の差をつけたヴェロックス(牡2、栗東・中内田厩舎)。こちらは優等生。好スタートから好位へ無理することなくつけると、そのまま馬なりでレースを進め、直線に向くと差は開いていくばかり。こちらもムチを入れることなく最後は抑える余裕あり。100点満点、いや120点あげてもいいくらいの完璧なレースぶり、とんでもない大物の登場と言っていいでしょう。
もうひとつ、今週かぎりのことかもしれませんが、先週の土曜と日曜の勝利(プラス、マイディアライフの2着)によってジャスタウェイが2歳リーディングの上位にくらいついています。ロードカナロアはすごいなあと思いつつも、今年の2歳、来年の3歳クラシック戦線では、なんとかジャスタウェイ産駒に活躍してもらわねばなりません。
ヴェロックス、アウィルアウェイ、ラブミーファイン、エイシンゾーン、アドマイヤジャスタ、スター候補が続々登場している現在、もしかしたら僕が思っていた以上のすごい展開が待っているかもしれないとも思い始めている自分がいます。ぶっちゃけ本当にわくわくしています。
ラブミーファイン、エイシンゾーンの度重なる2着に、そこまで遺伝しなくていいよとやきもきしてみましたが、アウィルアウェイがきっちり勝ってくれたこと、ヴェロックスのような勝ちっぷりの新馬が現れてくれたこと。なんともいろいろと楽しみです。この調子で年末までニコニコしていられるといいなと思います。
了
プロフィール
大和屋 暁 - Akatsuki Yamatoya
脚本家・作詞家・ライター。若くして一口馬主に出資を始め、クラブ馬主歴2年目にハーツクライと運命的な出会いを果たすと、有馬記念、ドバイシーマクラシックを制す大活躍。しかし、ノド鳴りによるアクシデントに見まわれ、突如として引退したことに一念発起、馬主になる決心を固めた。個人馬主としては、初めてデビューを果たした所有馬ジャスタウェイが大活躍の強運ぶりを発揮。遂には、目標であったドバイ遠征を実現させ、ドバイデューティーフリー(現在のドバイターフ)を圧勝。「自らの馬でドバイを勝つという」夢を実現させたばかりでなく、そのパフォーマンスが評価され、2014年度のワールドベストレースホースランキングでは、日本馬史上初の1位を獲得している。
現在の現役所有馬はカリボール、マジカルステージ、ジャスコ、キングロコマイカイ。一口馬主や共有馬ではアウィルアウェイ、ルーツドール、イストワールファムなどに出資している。
本業ではアニメ版「銀魂」、「スーパー戦隊シリーズ」などの脚本を手がけ、2020年公開の映画「デジモンアドベンチャー」も担当。愛馬との数年間に及ぶ足跡を綿密に綴った『ジャスタウェイな本』などの執筆も手がけた。