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騎手コラム

【NHKマイルC】過去10年・トレンドジャッジ

トライアルであるニュージーランドTの上位馬は苦戦が目立つ。近5年では連勝したカレンブラックヒルくらいだ。コース形態が全く異なるだけにこれはある程度頷けるところ。好走馬のローテーションは千差万別で、特定の路線に偏ることはない。ただ、ここ3年は皐月賞組が1頭ずつ馬券になっている。なお性別については考慮する必要はないだろう。好走馬の枠にも偏りはない。

血統傾向を1つ。かつて強く出ていてその後消滅、また近年復活しているのが「父か母の父がデピュティミニスター系」ということ。つまりクロフネかフレンチデピュティを持つ馬の好走が目立つ。もちろん該当しながら凡走した馬もかなり多いので、最重要視すべき項目とは言わないが、該当馬は何らかの形で馬券には入れておきたい。 それからダート要素がある馬が、良馬場の場合は好走しやすい。

ニュージーランドT上位馬は苦戦が目立つ
好走馬のローテーションは千差万別
近3年は皐月賞組が1頭ずつ馬券に
性別は不問、枠順も偏りなし
父か母父デピュティミニスター系の好走が近年復活
良馬場ではダート要素のある馬が好走しやすい

【NHKマイルC】過去10年・連対馬血統

年月日 馬場状態 馬名 種牡馬 母父馬
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1
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稍重 1
2
稍重 1
2

今年のポイントは?

例年になく粒が揃い、上位人気に牝馬が多数というのも異例。そして前走がGI組の出走も例年以上に多い。世代レベルや牝馬レベルが取りざたされているが、あまりそうした前評判に惑わされることなく、1頭1頭の適性を見極める必要がある。

今年は桜花賞、皐月賞、そして前哨戦に、ペースあるいは馬場という意味で消耗度の高いレースが多かった。つまりは前走の着順の悪かった馬の巻き返しがありそうな年である。

【NHKマイルC】有力馬・血統MMチャート

アエロリット 8点

(牝3、美浦・菊沢厩舎)


桜花賞は位置取りが後ろになってしまい、直線だけの競馬でよく伸びた。そういう展開でも対応できたことは収穫だが、本来の武器は先行力。近親にミッキーアイル、ここにも出ているタイセイスターリーらがおり、東京マイルでの走りはクイーンCでも証明済み。とにかくゲートが開いてからの位置取りにかかってくるだろう。クロフネ産駒であることも加え、前に行けば8点評価。

カラクレナイ 7点

(牝3、栗東・松下厩舎)


桜花賞はアエロリットと全く同じレースをした。ただしこちらはいつもの競馬。ローエングリン産駒は東京マイルでは勝ち切れないまでも、とても安定して走れる。不安は追い込みがハマる馬場かどうかということ。先週までの東京では、少し厳しいか。渋りが残れば一気の突き抜けも。

モンドキャンノ 7点

(牡3、栗東・安田隆厩舎)


キンシャサノキセキ産駒は、芝の場合はやや早熟の気配がある。この時期までは問題ないが、伸びしろはあまりないかもしれない。現能力でどう戦うか。短距離指向が強い配合で、直線の長い東京の場合は道中の折り合いがカギとなる。内目の枠が欲しいところ。

ジョーストリクトリ 5点

(牡3、栗東・清水久厩舎)


ニュージーランドTはかなりのスローペースで、位置取りと騎手のペース判断が勝敗を分けた。巧く流れに乗れる器用さはあるものの、この相手と舞台ではスピードと底力に欠けるのは否めない。ニュージーランドTで勝ったあたりも適性が逆目に出ているか。

アウトライアーズ 6点

(牡3、美浦・小島茂厩舎)


母の父がフレンチデピュティであることは評価できるが、競馬パターンはマクリが最大の武器で、東京では厳しくなる。この舞台で好走するにはかなりスローになることが望ましいが、GIともなるとさすがにそうはいかないだろう。押さえ程度か。

水上学が注目の伏兵馬・血統MMチャート

タイムトリップ 5点

(牡3、美浦・菊川厩舎)


父は短距離指向の強いロードアルティマ産駒。下級クラスならマイルでももつが、ここでは能力の絶対値がさすがに足らないか。牝系はかなり古いもので、しぶとさはあるが……。

ボンセルヴィーソ 6点

(牡3、栗東・池添学厩舎)


父ダイワメジャーからはカレンブラックヒル、メジャーエンブレムと2頭の勝ち馬が出ている。近親にはココナッツパンチ、リトルオードリーらがいるやや古めの牝系。ただし東京では直線がいささか長いことと、スピード不足が心配。万が一道悪なら警戒。

ミスエルテ 5点

(牝3、栗東・池江寿厩舎)


適性云々以前に、イレ込みが強くなっているのが最大の問題点。脚がたまらなくなってきており、これでは長い直線では弾けない。長距離輸送も不安。血統自体はやや瞬発力に欠けるくらいで、ダート色も濃いし、レースの傾向にはある程度はハマっている。現状は気になるなら押さえる程度か。

レッドアンシェル 7点

(牡3、栗東・庄野厩舎)


父マンハッタンカフェからはジョーカプチーノがこのレースで穴を空けた。母の父もストームキャットで、ダート色もしっかり補完している。道悪からスピード馬場までこなしており、対応力が広いのは魅力だ。輸送は新馬戦で函館→札幌を経験しており、足らないのは実績と左回りくらい。穴として一考したい。

トラスト 7点

(牡3、栗東・中村厩舎)


皐月賞でも前に行き、かなりの速い流れを演出。13着とはいえ、勝ち馬から0秒8差で踏ん張っていた方だ。皐月賞の時は2000mくらいあった方がいいと書いたが、あの行きたがる気性では短縮がプラスに出る可能性はある。長い直線でも、以前の東京ではそうそう簡単にバテてない。前回も書いたが、牝系は古色然とした配合で、タフさがあり混戦向き。スクリーンヒーロー産駒で東京代わりはベターだし、穴として面白い。

プラチナヴォイス 8点

(牡3、栗東・鮫島厩舎)


エンパイアメーカー産駒でダート的な要素は十分。ダート血統によく見られるように、速い時計の出るキレイな芝に強く、スピードの持続力をダート的な要素でカバーしている。祖母の弟がディープインパクトという良質牝系。クラシックでは父からスケール不足も、NHKマイルCなら一発ある。

タイセイスターリー 7点

(牡3、栗東・矢作厩舎)


父についてはレッドアンシェルを参照。兄は言わずと知れたこのレースの覇者ミッキーアイル。レース適性はとても高い。右回りに難があるので、左回りになるのもプラス。まだ1勝馬の弱みはあるが、上位に採りたい1頭だ。

NHKマイルC

混戦であり、軸1頭を決めるのは無理だろう。馬連ならボックス買いをすべき。上位で考えたいのは順不同でアエロリット、プラチナヴォイス、タイセイスターリー。穴で面白いのはトラスト、レッドアンシェル。3連複なら3列目は総流しにしてもいいくらい?の一戦だ。