-フィリーズレビュー-平林雅芳の目

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日曜阪神11R
フィリーズレビュー(GⅡ)
芝1400m
勝ちタイム1.22.8

アイムユアーズ(牝3、父ファルブラヴ・美浦、手塚厩舎)

※※アイムユアーズが絶好の3番手から抜け出す!!

朝のいちばんのレースで蛯名Jが落馬。乗り替わりとなったイチオクノホシ。結局1番人気はアイムユアーズとなる。3番手の内目を楽に追走していたアイムユアーズが、直線もそのまま早めに前と抜け出していく。その内からビウイッチアスが一旦は抜く脚色に見えたが、最後はむしろ脚が止まり気味となる。大外をプレノタートが凄い脚を使って迫ってきたが、3着まで。
アイムユアーズは、暮れの戦いではジョワドヴィーヴルには屈したが、ここでは力が上とばかりの存在感を見せた。イチオクノホシは4コーナーでの反応が今一つで、伸びても前を捕えるまでにはいかなかった・・・。

薄暗い空、少し降ってみたり止んだりの小雨の中でのゲートイン。大外のイチオクノホシが最後に入った。中で一番の出はサクセスセレーネ。行くのかと思えたが内からエイシンキンチェム、外からレディーメグネイトがダッシュつけて前と出て行った。ビウイッチアスも好発だが、やや行きたがる馬を下げ気味とする。その内からアイムユアーズが上がって行き3番手につける。一番後ろにプレノタートが下げてほぼ隊列は決まる。

前がけっこう飛ばして行く。3番手アイムユアーズは内ラチにつけて追走だ。その後にレッドクラウディアアンチュラスが続く。前半3ハロンを34.3とまずまずの入りだ。エイシンキンチェムの逃げはその後も軽快に行く。2番手レディーメグネイトにむしろ接近していくのがアイムユアーズ。
半馬身差ぐらいでちょうど半分を通過。イチオクノホシはと見るとアンチュラス、アイラブリリ、ビウイッチアスの後ろで中団の中程にいた。最後方のプレノタートも馬群に追いつき、外目を上がりつつある。馬群自体がかなり小さくなった。

カーブを廻って直線に出てきた。外目に出したアイムユアーズ。レディーメグネイトの外へ出して、もう先頭になろうかの勢いだ。その真後ろにビウイッチアスの白い流星が見える。残り300を過ぎて、完全に先頭はアイムユアーズになった。レッドクラウディアとファインチョイスの間からイチオクノホシが顔を覗かせようとしているが、勢いがそう増さない。

先頭に立ったアイムユアーズだが、後続とのリードがそう広がらない。むしろ内から伸び出したビウイッチアスの方が勢いで勝り出す。左ステッキで前進を促すピンナJ。ビウイッチアスが内から伸びるのかと思えたのもつかの間。また少しずつアイムユアーズの体が前へと出だす。イチオクノホシが何とか3番手かと思えた瞬間に、外からプレノタートがかなりのいい脚で並び、抜き、さらに前と迫っていく。最後はビウイッチアスにクビまで接近した処がゴールだった。

アイムユアーズのピンナJが、ゴールに入った瞬間にステッキを少しだけ上に向けて勝利のポーズをした。イチオクノホシが4着。5着にサトノジョリーが中から伸びて来ていて、これが5着だった。

アイムユアーズは1000メートル通過が58.0の速い流れを、3番手から2番手に上がろうかの位置でレースを進めた。直線も早めに前へと出て後続の封じたもの。最後の1ハロンが12.9とかかって脚が上がり出したのも事実だが、後続に抜かせなかったのだから悪くない。
逆にイチオクノホシは外から馬群の中へとコースロスを防ぐ乗り方。それでいて最終カーブに入るあたりで手応えがいち早く押っつけだしていた程に良くなかった。そこらが今回は影響した様子。
2着ビウイッチアスは、この流れでもやや掛かり気味な道中。そして最後も完全に前を捕えたと思った勢いもあったのだが、最後は逆に止まり気味。距離に壁があるのかも知れない。
3着プレノタート。馬場入りして返し馬の感じはやや硬さを感じたものだったが。後ろで脚を貯めての最速の上がり脚。面白い存在になりそうだ。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。