ドバイWCプログラム参戦のラインナップを一挙紹介!

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賞金総額2700万米ドル(約22億5000万円)、世界で最も高額賞金となる2012年のドバイWCプログラム、その8つのサラブレッド競走に最終登録したエリート・ランナーは、少なくとも48頭のグレード/グループ競走勝馬と20頭を超えるチャンピオン馬やクラシック勝馬で占められている。

総賞金1000万米ドル、1着賞金600万米ドル、世界1の賞金を誇る第17回ドバイWCには日本から昨年の2着馬トランセンド、ステークス19勝のスマートファルコンと2010年の日本ダービー馬エイシンフラッシュと、強力トリオが出走するが、DWC9頭目の米国チャンピオンを目指すのは昨年のBCクラシック2着馬ゲームオンデュードと牝馬チャンピオンのロイヤルデルタ。欧州からはG1・8勝馬ソーユーシンクを始め、独チャンピオンのザズー。迎え撃つゴドルフィン調教軍団は昨年の3着馬モンテロッソを筆頭に、プリンスビショップ、メンディップとカポーニのカルテット体制を敷いている。

BCターフ勝馬のセントニコラスアビーは総賞金500万米ドルのドバイシーマクラシックに僚馬トレジャービーチと臨む。2頭でG1・5勝は強力だ。仏のトップ古馬シリュスデゼーグルと昨年アメリカでG1を勝ったチンチョン、南アフリカのチャンピオン馬ボールドシルヴァーノとマーブーバ。ゴドルフィンはキャヴァリーマン、シムラーン、ソングクラフトのトリオで挑む。

日本からダークシャドウが出走する総賞金500万米ドルのドバイデューティーフリーには8つのグレード/グループ勝馬がいる。香港の年度代表馬アンビシャスドラゴン、昨年暮れの香港カップ勝馬カリフォルニアメモリーとチャンピオンズマイル勝馬エクステンションと、強力な香港トリオが集結。また、昨年の勝馬プレスヴィスも戻って来た。才能豊かなムジーアやG1馬ウィグモアホール、リオデラプラタ、それにプラントゥールも顔を揃えている。

米国のスピード競馬は総賞金200万米ドルのドバイゴールデンシャヒーンで見られそうだ。ここにはザファクターとジャイアントライアンが出走、10頭目の米国調教馬の同レース優勝を目指す。昨年の勝馬でシンガポールのロケットマンも戻って来た。また、そのロケットマンを暮れの香港スプリントで完封した香港ラッキーナインのレース振りも注目される。スーパーサタデーで3着と期待を裏切った南アフリカのG1馬オーガストラッシュ。G1・4勝の豪州シーポイ、カーニバルら豪華な顔ぶれと言えるだろう。

今年からG1に昇格する直線芝1000mで争われるアルクォーツスプリントにはエーシンヴァーゴウが出走する。ライバルは、スーパーサタデーでがっかりさせられた米レガリーレディー、他2010年の勝馬ジョイアンドファンと1000mの競馬を得意とするイーグルレジメントの香港デュオ。豪州オルテンシアや欧州G1勝馬プロヒビット、ソールパワー、マーゴットディド。他にも加えるならばシンガポールのベタービーザワンといったところだろう。

ゲンテンが出走予定のUAEダービーはカーニバルを戦って来たキングレット、ミックダーム、フォールズオブローラが待ち受ける。注目すべきはメイダン初登場、ウルグアイのボビーディジョブやアルゼンチンのバラダセール、オーストラリアのヘルメットといった南半球産3頭の先行力。今から楽しみな1戦である。
米国のG1・3勝馬リチャーズキッドとG1ジャマイカH勝馬ウエスタンアリストクラトはG2ゴドルフィンマイルで、好調のベテラン馬バーベキューエディーと顔を合わせる。他の11頭はG2、G3勝馬だが混戦は必至の一戦だ。

マカニビスティーが出走予定の新設のマラソン競走G3ドバイゴールドカップ。ライバルはアメリカとカナダのG1勝馬アンユージュアルサスペクトとジョシュアトゥリー。フランスのG1馬カスバブリスが立ちはだかる。


海外競馬評論家 和田栄司
ラジオ日本のチーフディレクターとして競馬番組の制作に携わり、多岐にわたる人脈を形成。かつ音楽ライターとしても数々の名盤のライナーを手掛け、海外競馬の密な情報を把握している日本における第一人者、言わば生き字引である。外国馬の動向・海外競馬レポートはかねてからマスメディアで好評を博しており、それらをよりアップグレードして競馬ラボで独占公開中。