アップトゥデイトがデビュー勝ち!

トピックス

土曜阪神5R
2歳新馬
ダ1400m
勝ちタイム1.25.0

アップトゥデイト(牡2、クロフネ・栗東、佐々木晶厩舎)

※アップトゥデイトがデビュー勝ち!!

圧倒的人気のルミナスウイングが、2番手から直線1ハロンで抜け出した時には勝利を確信できる勢いと手応えだった。追い出した和田Jの左ステッキが入る。ところがその左、内ラチをも飛び越えようとする動きでラチに激突して落馬。鞍上和田Jも弾かれてしまった。その時に2番手に上がったアップトゥデイトが今度は先頭。追い上げて来ていたクリソライトが追いかけて来たが、半馬身しのいでの勝利。最後の1ハロン13.1が物語る結末だった・・・。

昼過ぎのレースで日差しも出てきだした。芝馬場は重馬場発表だが、ダートは不良のまま。スタートして最内のタガノビリーヴィンが何か変だ。異常に離れて前へと進むスピードが違い過ぎる。やはり3コーナーすぎに中止した。逃げたのがマキオプレジデント。その2番手に楽な手応えで追走して行ったルミナスウイング。最後のカーヴも持ったままで廻り直線に入って来た。そして追い出して楽勝かと思えた瞬間に、あろうことかラチを超えようとしたのか、激突して和田Jもラチの上に投げ出される。思わず見てしまい、後続の目線を切ってしまった。後でP.Vを観た。道中は内目を進めていたアップトゥデイト。直線では外へ出してジワジワと伸びて来た。そしてそのアクシデント。クリソライトも後ろの方からの競馬。流れ自体は速かったのは確か。前半3ハロンが35.2で1000通過が59.7。1200、いわゆる残り1ハロンまでが1.11.9とこれも2歳戦としては破格の速い道中と言える。

後刻、誰もいない処で勝ち馬の佐藤哲Jに聞いた。坂路ではあまり動けないタイプらしい。しかしダートの適性はかなりありそうだとも。
そして翌日、和田Jにも聞く事が出来た。《馬場の中の出入り口が2つある。その最初のを気にしたので、こちらも気をつけていた。左ステッキでうながしていたのに・・。ケイコでも物見をしない馬なのに・・・》と語ってくれた。左ステッキを入れているのに左に逃げた事を聞いたのである。
本来なら楽勝劇であっただろう。最後の1ハロンが13.1とかかって、1.25.0がアップトゥデイトの勝ち時計となった訳である。
いやいや、競馬は本当にゴールに入るまで何が起きるか判らないと思ったのが実感。幼稚園児の運動会みたいなものでもあるのだから。
それにしてもジョッキーは大変な仕事である。馬は動物なのだから・・・。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。