オルフェーヴルがフォワ賞へ最終追い切り…平松さとしの現地レポート

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9月12日、オルフェーヴル(牡4、栗東・池江厩舎)は凱旋門賞の前哨戦であるフォワ賞(同16日、フランス・ロンシャン競馬場・芝2400メートル)へ向け、最終追い切りを行なった。

乗り運動をしている時には小雨がパラついていた。しかし、最終追い切りを敢行する頃には、上がっていた。

乗り運動をしたシャンティイのラモーレ地区から、追い切りを行なったエーグル地区までは馬の脚でも30分弱歩かねばならない。これだけでも良い運動だ。

日本から帯同したアヴェンティーノ、現地の入厩先である小林智厩舎の管理馬であるキングスキャニオンと、3頭でエーグル地区まで移動したオルフェ。ここで新たなるパートナーとなるC・スミヨン騎手が跨る。

芝の直線コースで6ハロンの追い切り。前に2頭を行かせて3番手を追走したオルフェは、ラスト2ハロンで先頭に踊り出る。すると、あとはまさに圧巻の走り。息の上がった2頭を約10馬身、置き去りにした。

「能力が高い。凱旋門賞までは中2週になるので、フォワ賞は余力を残して勝たせてあげたい」

スミヨンは淡々とそう語った。

「本当に順調にきています。最終追い切りこそ多少速めになったけど、それだけ仕上がってきたということでしょう」

そう語ったのは池江師だ。9月4日には現地入り。一週前追い切りにも立ち会った同師は「先週しっかり追えたお陰でグッと良くなってきた」と表情をほころばせ、更に続ける。

「オルフェ自身、レースが近付いているのを分かっているようで、大分荒々しくなってきました。それは、今春にはみられなかった様子で、昨年を彷彿とさせる雰囲気です」

猛獣オルフェが帰ってきた。日本の現役最強馬として、そして、凱旋門賞を狙うためにもフォワ賞で恥ずかしい競馬が出来ない。いや、しないだろう。そう思わせるアトモスフィアを現在のオルフェは有している。

(続く)


平松さとし
ターフライター。1965年2月生まれ。
昭和63年に競馬専門紙「ケイシュウNEWS」に就職。その後、2紙経た後、フリーランスに。現在は雑誌や新聞の他にテレビの台本書きや出演、各種イベントの演出などを行う。毎年のようにブリーダーズCや凱旋門賞、ドバイワールドCを観に行くなど、世界中を飛び回る。そのお陰もあって、欧州におけるJRA所属馬のG1全17勝(平成24年現在)のうち16勝をライヴで目撃している。