注目の新馬【4回阪神】ヴァルティカル

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●注目の新馬【4回阪神】ヴァルティカル

ヴァルティカル
(牡2、栗東・飯田雄厩舎)
父:ジャングルポケット
母:ヴァルパライソ
母父:サンデーサイレンス

ジャガーメイル(天皇賞・春)、オウケンブルースリ(菊花賞)、トールポピー(オークス、阪神JF)などを送り出し、大舞台での強さが光るジャングルポケットが父。昨シーズンもアヴェンチュラ(秋華賞)やトーセンジョーダン(天皇賞・秋)がG1制覇を果たし、存在感を高めた。この世代もサンデーサイレンス系を中心に優秀な繁殖を集めていて、大物の登場が待たれる。

母ヴァルパライソ(その父サンデーサイレンス)は2勝をマーク。チューリップ賞でも5着した。祖母のトコピジャはアルゼンチンのG1を2勝し、亜古牝馬チャンピオンに輝いている。同馬の半兄がヴァルディヴィア(現2勝)、シルクエルドール(現1勝)。社台サラブレッドクラブの所属となり、総額2800万円で募集された。

1月4日生まれだけあって、社台ファームでの育成時より大人びた雰囲気を漂わせていた。しっかりと乗り込まれたうえ、5月22日、トレセン近郊のグリーンウッド・トレーニングに移動。6月15日には栗東に入厩する。少し慎重な性格ゆえ、ゲート練習に時間がかかったものの、8月3日に試験をパスした。坂路を中心に、先週までに時計を9本。十分すぎるほどの調教量を積んだ。

9月22日(土)、阪神のダート1800mに初登場。騎乗予定だった北村友一騎手が落馬による骨折に見舞われたため、現在、鞍上は調整中。

兄たちと同様、ダート適性は高いと思われる。調教の動きは目立たないが、実戦で渋太い母系。ヴァルディヴィアは2戦目、シルクエルドールはデビュー戦で勝利を収めていることを忘れてはならない。



小平 奈由木(こだいら なゆき)
早稲田大学日本語研究教育センターに勤務した後、競馬関係に進む。競馬専門紙「1馬」の記者、法人馬主「サラブレッドクラブラフィアン」のレーシングマネージャーなどを経て、現在はフリーランス。業界のキャリアは 20年近くになり、生産・育成現場からトレセンまで精通。
清水成駿氏の公式サイト「SUPER SELECTION」に毎週連載中の「トレセン尋ね人」や、月刊誌「競馬最強の法則」の人気コーナー「トレセン最前線」をはじめ、幅広い知識を生かしたエッセーが評判になっている。