ついに出た、大物2歳馬!エピファネイア快勝!!

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日曜京都5R
2歳新馬
芝外1800m
勝ちタイム1.48.9

エピファネイア(牡2、シンボリクリスエス・栗東・角居厩舎)

ついに出た、大物2歳馬!エピファネイア快勝!!

母シーザリオを彷彿させる様な馬体と勝ちっぷり。待ちに待った逸材と思える馬の出現であろう。エピファイア。馬名はクリスマスから数えて12日目にあたる1月6日《公現祭》とある。ヤフーで調べると《キリストの人間世界への到来》とある。まさしくこれは『到来』であろう。そんな強烈な印象でゴール板を駆け抜けたエピファネイアの疾風ぶり。ステッキを一度も使おうともせず手綱も微動だにもしない馬なり状態で、最後の100メートルは流していたぐらい。それでいてマークした最後の1ハロンは11.1。待ちにまった超大物2歳馬が現れた瞬間でもあった・・・。

栗東のケイコでは角馬場にいてもすぐに判る、そんな感じがこのエピファネイアである。時に福永Jを背に、また助手が乗っていても《ああ、あの馬だ》と判るほどにすぐに見分けられる雰囲気がある。母シーザリオもとってもいい馬っぷりの馬であった。この馬にも母のそんなムードをそのまま受け継いでいる感じだ。ゴール前のフォームなどは母ソックリな気がした。乗り味とかを今度福永Jに聞いてみたいものだ。レースをエピファネイアを中心に観てみよう。

スタートは速い方だった。距離があるだけにスローになるのが常の競馬。そのままジワっと乗られて先頭から中団に位置した。当然、枠なりに内ラチ沿いを進む。前半3ハロン36.6のペースでも折り合って進む。内田Jドンアンフィニが逃げて、四位Jレッドジゼルが2番手。岩田Jファンクスが3番手。ちょうど馬群が切れた空間にいた。坂を登って行くあたりで後方にいた浜中Jショウナンアズーリが外を進出。ここらでだいぶ馬群は前よりも凝縮される。坂を下って行く時にはさらに外から間を詰めて行く馬が動く。

4コーナー手前では8頭ぐらいが二列になっていた。眼の前にはチャームドヴェールがちょうどいた。
そしてカーヴに入って来た。内へ進路を取る先行馬。好位グループも内目へと方向づける。しかし福永Jは外目を狙う。コーナーリングで6頭めとなったが、クリノスターオーの外へと見事に出してきた。前5頭がステッキを使って追い出しているその外を、瞬時にトップスピードに入った様子で、1頭だけ違う脚色で走り出している。

上がり3ハロンが11.6~11.3~11.1である。最後の2ハロンの中で上がり300のオレンジ棒のあたりではまだ6番手ぐらいだったはず。そこから完全に先頭に立ったのは残り100のオレンジ棒で抜け出したレッドジゼルを抜いたもの。だからもの凄い脚を使っている計算になる訳だ。最後は3馬身抜けていたが、もうフィニッシュに入った体勢であったし、もっともっと感じる差でもあった。コーナーワークも悪くないし、手前も上手に替えていそうだ。

母はデビュー時の馬体が464キロ。7戦したが、それが一番多い数字だった。この馬は牡馬でもあり490キロでデビューを迎えた。ビロードの様な肌、母からいい面を全部受け継いでいるのではなかろうか。これは楽しみな馬が出てきた。来年のクラシックでの中心になりうる馬の出現といっても過言でなかろう。そんな雰囲気の馬だ。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。