【天皇賞(秋)】エイシンフラッシュ、ミルコで復活V!

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一昨年の日本ダービー以来、勝ち星から見放されたダービー馬・エイシンフラッシュの連敗を止めたのは、テン乗りのミルコ・デムーロ騎手だった。

レースはスタートから飛ばしたシルポートを尻目にジワりとインに寄せ、馬群の中団で待機。勝負所までは慌てることなく、スパートのタイミングをうかがうと、直線に向いて、最内に進路がポッカリと。

「状態もよくて、リラックスできていましたね。とても賢い馬で、ゴールがどこにあるかわかっている。枠はちょっと外だと思ったけれど、徐々にいい位置へつけて、すごくいい反応をみせてくれた」

鞍上のデムーロ騎手はこう振り返ったが、空いたインのビクトリーロードを一気にスパート。あっという間に先頭 に踊りでると、上り3F33.1秒の末脚でまとめ、約2年5ヶ月ぶり久々の勝利の美酒を味わった。

ウイニングランでスタンド前に現れた鞍上は、「僕から日本へ対する気持ち」と語ったように、馬上でハートマークを作り、天皇皇后両陛下の御前で下馬すると、跪いて最敬礼。

「勝つことができたら、何かをしようと考えていました」

過去に来日した外国人騎手の中でも、誰よりも愛されるイタリアンは、またしてもファンの心を鷲づかみにした。

次走は中3週を挟んで11月25日のジャパンカップが有力。

「困ったことにその週は免許をもらっていないんですよね(今回の短期免許は11月19日の月曜まで)。JRAに特別にお願いしたいです」

鞍上は困った表情を浮かべたが、如何にせ よ、凱旋門賞帰りのオルフェーヴル、三冠牝馬・ジェンティルドンナ、外国からの刺客の参戦も噂されるJC。 再び持ち前の輝きを取り戻したダービー馬が、豪華メンバー揃う最強馬決定戦に挑む。


エイシンフラッシュ(藤原英昭調教師) 「ダービー以来の勝利です。ここまでが長かった。すべての関係者に感謝するしかありません。 出走させる都度、調子を整えて勝負してきたのですが、なかなか結果が出ず、ピークがつかみにくかったですね。そのなかでも、ひと叩きされ、明らかに上向き。状態には自信を持っていましたよ。他陣営も同様とはいえ、交通渋滞により輸送が2時間半遅れました。ただ、古馬になって精神力も強くなっていますので、影響はありませんでした。マイナス8キロは想定 どおり。完璧だと思いました。
デムーロ騎手とは2週間くらい前からコンタクトを取り、よく話し合っていました。枠順が決まってから、過去に成績が出ている12番枠をどう使うか、じっくり相談しましたよ。まさにイメージどおりの位置取り。直線でインが開くのは、さすがに予想できませんでしたが、理想的なパターン。まっすぐに突き抜けてくれました。つい『よし』と声が出ましたね。
この間にスタッフも成熟しましたし、ダービーのときとは、また違った喜びです。ミルコも言っていましたが、天覧競馬で勝て、夢のようです。
オーナーと相談してから決めますが、昨年と同様、ジャパンC、有馬記念と進むことになるでしょう。馬の具合を見て、またいい状態で臨みたいですね」