関東馬が上位独占！ケイアイエレガントが楽々、逃げ切り!!

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ケイアイエレガント

15年1月24日(土)1回京都8日目11R 第50回京都牝馬S(G3)(芝外1600m)

ケイアイエレガント
(牝6、美浦・尾形充厩舎)
父：キングカメハメハ
母：ポストパレード
母父：A.P. Indy

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金曜まで降っていた雨で芝は少し湿っているのかと思いきや、意外に乾いている。芝良、ダート重で終日開催された。
関東から7頭の参戦をみた今回の京都牝馬S。愛知杯2着のキャトルフィーユが1番人気。昨年の覇者、ウリウリがそれに拮抗する2番人気の支持。しかしそんな人気馬を後目に、ケイアイエレガントが誰にも並ばれずに逃げ切ってみせた。2着3着にも、インコースにこだわったゴールデンナンバーとパワースポットがいい伸び脚で続き、関東馬のワンツースリー。大波乱となった。東高西低の風が今年も吹きそうである…。


パドックで馬を観るにも今日はいい。いつもの北風がほとんど感じられない。陽が射すところとスタンドの影を大きく落とすところがあって、なかなか見づらい。そんな中で、ウリウリがいつもよりイラついている感がある。第一印象は、アロマティコの馬体観がいい。しかし右後脚を流す感じがイヤだ。キャトルフィーユの感じがいい。フォーエバーモアが数字は増えているのだが、なにか毛艶のせいなのかくすんで見えてしまう。まったく大混戦になりそうであった。

そしてゲートが開く。ベルルエミールが出遅れた。そして当然に武豊Jをいつも観ている。好発がほとんどの彼なのだが、今回のトーセンベニザクラの出は早くなかった。おまけに一瞬、武豊Jの姿が見えなくなった。後でPVを観る、と出てから躓いていた。ケイアイエレガントが出して行った。内田Jの気迫で先手主張だ。外からシャイニーガールが2番手、内からマコトプリジャールが、すっと3番手につける。

外からクッカーニャが3番手となる。ウィングドウィールが内の4番手。ウリウリが好位の外目につく。キャトルフィーユとベルルミエールの2頭が、スタートを出てすぐにぶつかりあっていた。キャトルフィーユが内へもたれたのが原因かと見える。その瞬間でキャトルフィーユは位置が悪くなって、馬群の後ろの方を強いられる。その後で内へ潜って前へと動くも、壁がビッシリ。馬もいらついて、左右にブレて走っている感じだ。
流れは淡々としている。フォーエバーモアが5番手。その後ろの外がウリウリ。その内にダンスアミーガもいる。
坂をくだって4角手前、前は3頭が並び加減となっている。内がケイアイエレガント。その外へシャイニーガール。外にクッカーニャ。そこから1馬身ぐらい開いて後続が続く。さらに4角を廻る時は、後続が接近。ひとかたまりとなって直線へ入ってくる。後続も脚を貯めているから、外へどっと開く。ケイアイエレガントは内へ切れ込んで、内田Jの左ステッキが入る。瞬間に後続と差が開いた。

ラスト300mあたりでは、横一列に近い形になる。ケイアイエレガントだけが僅かに抜けて、後ろがどの馬が追いつくのかが判らない。外へほとんどの馬が開いたので、内がガラリと開く。ウイングドウィールの内が開いていて、そこへゴールデンナンバーが突っ込んでくる。4角をブービーで廻った馬だ。その一瞬後を、今度はパワースポットがウイングドウィールの外をスリ抜けて前を追う。

内田Jの左ステッキは止らない。ケイアイエレガントが逃げる逃げる。外へ出したウリウリも伸びかけているが、前に追いつく脚色ではない。
ゴール寸前で、ケイアイエレガントにゴールデンナンバーが追いすがる様に伸びたが、間に合わず。パワースポットが3着。ウリウリは、マコトプリジャールに遅れて5着。キャトルフィーユが6着だった。

ゲートを出てから12.4～11.3～11.7の最初の3F。35.4である。入りがゆったり。それから12.4～11.9～11.7で、最後の2Fが11.0～11.5と、完璧な逃げのペース。内田Jのしてやったりのレースとなった。
そしてPVで見ると、秋山Jのゴールデンナンバーは最初からイン狙い。内ラチを目指して乗っているのが良く判る。実戦が昨夏以来となって、この馬が今回の穴を演出した。しかしレースぶりは、最初から狙っている乗り方。ここらを読まないと馬券獲得は難しい。パワースポットは、愛知杯の感じからも距離短縮はいいだろうとは思っていた。

関東馬7頭のうち、3頭が力を発揮。最近こんな傾向が多いと感じている。東軍が息を吹き返してきているのをひしひしと感じる。関東馬、関東ジョッキーの生きを感じさせられるレースでありました…。
平林雅芳 （ひらばやし まさよし）
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。