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コパノリッキーが連覇!圧倒的1番人気に応える
2015/2/24(火)

15年2月22日(日)1回東京8日目11R 第32回フェブラリーS(G1)(ダ1600m)
コパノリッキー
(牡5、栗東・村山厩舎)
父:ゴールドアリュール
母:コパノニキータ
母父:ティンバーカントリー
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逃げると思われていたコーリンベリーが、発馬でいなくなった。思わずスタンドがどよめく。コパノリッキーが内から体半分ぐらい出て行き出した時に、外からアドマイヤロイヤルが先手となっていく。その後は流れも落ちつき、ほとんどの人気上位馬が前でレースを進める。
4角手前から動きだしたコパノリッキー。直線入り口ではもう先頭の勢い。前走と同じパターンで脚を伸ばしていく。後ろもそう鋭い脚を使う馬がいなくて勝利かと思えた処から最後は半馬身差までつめ寄られていたが、まずは危なげない勝利だった。初の連覇と、コパノリッキーはこの一年で大きく成長をとげた。
日曜は雨予報もあった。新幹線の車窓から流れる景色も濡れている処もあったが、思ったよりも降らなかった。何よりも寒い。予報どおりの寒さであった。それでも熱心な関東のファン。パドックを見下ろす廻りは人、人で溢れかえっている。
コパノリッキー。数字は2キロ減と少し減ったが、むしろフックラ見えて悪くない。まずは安心であった。と、言うのも当初は武豊Jで最終追い切りをする番組を組んでいたのだが、《うちでやる事にしました》と村山師からお断りの連絡を受けた。
そしてあの6Fが87秒の追い切り。上がり1Fだけは11秒台だが、全体に遅すぎると感じる。トラックマン時代から、G1こそ普段どおりがいいと痛感してきている。数々のドラマを観てきた。ここ一番こそ、同じ様にやっているものがいい。直前に替えたりするのは良くないのを知っている。前走で戻った馬体を減らしたくないのは良く判る。だがあまりに軽すぎたのではないかと、不安ばかり感じていた。それがパドックで馬を観たとたんに安堵をする。そんなものである。
しかしあとは展開もある。それとコパノリッキーはゲートが上手くない馬だ。どうやらゲート内で落ち着かない様である。もっともっと外でいいと思っていた。内で逃げるだろうコーリンベリーがポンと行って、こちらはもたついてしまって後から外を廻って追い上げるのかなんて、悪いイメージしか浮かばない。そう、貧乏性なのである。
ところがスタートで、そのコーリンベリーが馬群から取り残されていたのである。コパノリッキーはと見ると、そんなに悪くなかったゲートの様子(後で武豊Jに訊くと《あまり良くなかったよ~》とは言っていた…が)。最悪のゲートからの流れは免れた。
ジワっとした隊列が続き、外からアドマイヤロイヤルが出てきた。鞍上はノリちゃんである。彼らしい乗り方と思えた。それも切れ込む様な先手の取り方でなくて、ジワーッとである。巧くその外へと出して行けたコパノリッキー。3番手の外がキョウワダッフィー。前は落ちついて流れていく。1000m通過が1.00.0とこのクラス、このレースとしては遅い(昨年はもっと遅く1.00.6だった…が)ものとなった。道中で13.1をマークするほどに、息の十分に入る流れとなった。
前半の3Fは34.3である。一見は速い様だが、最初の位置取りの処であるから、決して数字程には速くはないはず。そこらで、武豊Jは前を行くアドマイヤロイヤルの外へと出せた。その後で少し前に出ていき、アドマイヤロイヤルの1馬身以内に身をおく。4角手前では体半分ぐらいに寄せて、カーブを廻る時にはほとんど並ぶぐらいの位置どりだ。
ラスト400を過ぎるまでは何もせずだが、ラスト300が近づく前に勝負に出る。右ステッキでゴーサインを出す。
瞬時にインカンテーションが置かれる。2馬身ぐらいの差が出る。セーフティリードかと思えた処からジワジワと迫ってきていたのだから、あそこでの先に出て行ったポイントが凄く大きかったのかと思える。11.5をマークしているところ。ベストウォーリアも内目から、ローマンレジェンドにグレープブランデーも伸びては来ているが、前にまで届く脚色と残された距離ではなかった。
ワイドバッハが大外から伸びて来ていたが、6着どまりだった。インカンテーションが半馬身差まで詰め寄ったが、大勢は決していた。ゴール板過ぎにすぐ、武豊Jが右ステッキで小さなガッツポーズをしていた…。
火曜の朝、監視小屋にて最初に入ってきた羽月師と話をする。どうやら少し休みに入るらしい。
続々と入ってくる音無師や橋口師や今野師らと、挨拶や言葉をかけていた。少し遅れて入ってきた小崎師が『おめでとうございます。そして残念でしたね…』と言う。一瞬何を言っているのか判らなかった。iPadでスポーツニュースを観ていても、何も変わらずだった。
《骨折した》の報を訊いて、眼の前が一瞬真っ暗になる。しばらく動けずにいたが即、厩舎へと行ってみる。村山師は不在であった。
コパノリッキーの馬房に行くと、隅にジッとしているリッキーがいる。大仲(厩舎の休憩場所)に行くと、担当さんがいた。そしてイロイロと話をする。
骨折のレントゲン写真を見せて貰う。遠位下端骨折だそうだ。左前脚で鮮明に見えていた。まだ週初めであり手術は出来ないそうで、これからその段取りをするそうだ。
東京競馬場に着いた当時は544キロあったそうだが、それでもあれだけ減るのだと。追い切りは1週前に79秒でやってあるし、ジョッキーを乗せてやるとやり過ぎになるから、最初からあれくらいの時計でおさめる予定だったと知る。《新聞屋さんから見たらやらな過ぎと思うかも知れませんが、予定どおりなんです》と、まるで当方の心を知っていたかの様な言葉であった。プロ達がやっている事を素人が何と知ったかぶりで言っているのかと、小さくなりたくなる様なわが心であった。
骨折という大きなアクシデントに遭いながら、担当さんが明るく話してくれるので凄く気が楽になった。帰り際に、《秋には十分、間に合いますから…》の言葉を訊いて厩舎を後にした…。
平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。
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