【安田記念】脚質に幅が出た3歳マイル王ミッキーアイル

3日、安田記念(G1)の最終追い切りが栗東トレセンにて行われた。昨年のNHKマイルCの覇者ミッキーアイル(牡4、栗東・音無厩舎)はCWコースで浜中俊騎手を背にしての併せ馬。古馬準オープンのサンライズスマートを3馬身ほど追走し、直線半ばで軽く仕掛けると弾むようなフットワークでパートナーに迫り、半馬身交わしてゴール。時計は6F81.7-66.8-53.1-39.7-12.4秒をマークした。

高松宮記念3着のあとは短期放牧でリフレッシュ。5月半ばに帰厩し、1週前追い切りでは長めをビッシリと追われるなど、ここまで順調に攻め馬を消化。軽快かつパワフルな動きに「うん、予定通り。折り合いもついてたし、馬場が悪い中でもしっかりと走っていたね。落ち着きもあるし、いい雰囲気でここまでこられているよ。中間はCコースを中心に乗ってきたし、この調整が競馬にも結びついてくれるんじゃないかな」と音無秀孝調教師も自信ありの表情。騎乗した浜中騎手も「ケイコでも無駄なことをしなくなっているし、体つきもいいですね」と心身ともに成長していることを実感している。

デビュー2戦目から圧倒的なスピードを武器にNHKマイルCまで逃げて5連勝。秋にはスワンSも逃げ切ったが、連勝がストップした昨年の安田記念、スワンS後のマイルCS、阪神Cでは激しい先行争いの末に大敗。「スピード一辺倒では先々が苦しくなる」と年明けから差す競馬を試み、阪急杯はハナ差2着、高松宮記念も0秒1差の3着とレースぶりに安定感が出てきた。さらにここへ来て気性面が成長。理想は好位差しも、鞍上は「以前より脚質に幅も出ていますが、スタートして他が(テンに)行かないようなら、自分から動いていくことも考えています」と積極策を示唆している。

確たる主役がいない現在のマイル路線だが、3歳時に歩んできた道を考えれば、十分に主役を張れる存在。むしろ、主役にならなくてはいけない4歳世代のトップホース。大敗を糧に大人の競馬を身に付けたミッキーアイルが2つ目のマイルG1を獲りに行く。

ミッキーアイル

ミッキーアイル

▲素軽い脚捌きで僚馬を交わし去るミッキーアイル