【4回阪神】ピュアコンチェルト…小平奈由木の注目新馬レポート

ピュアコンチェルト
(牝2、栗東・田中章厩舎)
父:キンシャサノキセキ
母:ミスコンチェルト
母父:Concerto

フジキセキの後継であり、高松宮記念を連覇したキンシャサノキセキの産駒。南半球産にもかかわらず、2歳12月に新馬を勝ち、続くオープン(ジュニアC)も連勝した一方、8歳の引退レースで過去最高の強さを示した。仕上りが早いうえ、奥深さも見込める。折り合いの難しさからスプリントで才能が花開いたものの、NHKマイルCを3着するなど、1600mまでは守備範囲だった。この世代も多数の繁殖を集め、シュウジ(小倉2歳S)がJRAの初重賞を勝ち取っている。

母はG3・ベッサラビアンHなど、アメリカで8勝したミスコンチェルト(その父コンチェルト)。G2・ブージャムHを制したロードカースン(種牡馬)らを輩出しているファミリーである。馬主を対象とした社台グループオーナーズの所属。募集総額は1200万円だった。

社台ファームで順調に体力強化が図られ、7月4日、トレセン近郊のグリーンウッド・トレーニングへ。スピードメニューを消化し、8月7日の入厩に備えた。27日のゲート試験をパスすると、ひと追いごとに上昇。先週のウッドコースでは6ハロンから追われ、余力たっぷりに鋭い伸びを見せた。父譲りのスピードだけでなく、末脚も確かである。

9月19日(土)、阪神の芝1400mに向かう。追い切りにも騎乗し、特徴を把握している川田将雅騎手で。



小平 奈由木(こだいら なゆき)

早稲田大学日本語研究教育センターに勤務した後、競馬関係に進む。競馬専門紙「1馬」の記者、法人馬主「サラブレッドクラブラフィアン」のレーシングマネージャーなどを経て、現在はフリーランス。業界のキャリアは 20年近くになり、生産・育成現場からトレセンまで精通。

月刊誌「競馬最強の法則」の人気コーナー「トレセン最前線」をはじめ、幅広い知識を生かしたエッセーが評判 になっている。