【東京大賞典】アポロケンタッキー前走の取消は調子が良すぎたから!?…こちら検量室前派出所(仮)

ポロケンタッキー

東京大賞典へ向けて調整されるアポロケンタッキー

12月3日、チャンピオンズカップ(G1)当日の朝にアポロケンタッキー(牡5、栗東・山内厩舎)出走取消の報が突如として流れてきた。有力候補の一角だっただけに、残念がるファンも多かったようだ。ただ、一番悔しいのは陣営だろう。アポロケンタッキーを担当する富岡潤調教助手も残念そうな顔で振り返る。

「かなり調子は良かったんです。そしたら土曜の調教中に、後ろ脚が右前脚の蹄球を踏んづけてしまうような形になってしまいました。右前脚の皮が剥ける感じになってしまい、歩様が乱れて……。治療もしましたが、これでは厳しいということで、日曜朝に出走取消を決めました」陣営も苦渋の決断だったようだ。G1を直前で断念する無念さは察するに余りある。

富岡助手は、今回の事象について「こういう例は珍しいことではないんです」と話す。そして「調子がいいと踏み込みも深くなるので、より後ろ脚を前脚に引っ掛けやすい。この馬は以前、ドバイに遠征した時も同じように後ろ脚を引っ掛けて傷を作ってしまいましたし、癖のようなものなのかもしれませんね。ドバイの時はレースまで時間があったので何とかなりましたが、今回は前日……。残念です」と続けた。

ただ、馬房でのアポロケンタッキーの様子を見ると、極めて元気に見えた。前の晩、遅くにラーメンを食べて胃もたれに苦しむ隊員より全然元気そうだ。

出走予定の12月29日(金)大井・東京大賞典(G1)は昨年初G1制覇を果たした思い出の舞台。富岡助手は「レースを走ってないから、もう元気いっぱいです。人間で言うとニキビを潰したようなもので、針で血を抜いて治療した結果歩様も良くなり、チャンピオンズCが終わって4日後からもう乗り出しています。状態はいいですよ。あとは無事に本番を迎えたいですね」と、最後は笑顔で話してくれた。

重戦車のような大きな身体でダート路線を進軍するアポロケンタッキー。再び輝けるか注目したい。