『馬インフルエンザ』とは

トピックス

この度、馬インフルエンザの発症による感染拡大を防止するという観点から、今週の中央競馬の開催が中止となりました。
競馬ファンにとっては真に残念なことであり、今後の開催等の動向も大いに気になることでしょう。
『馬インフルエンザ』とは何なのか?
ここで解説してみたいと思います。

『馬インフルエンザ』は馬の呼吸器病で、主に冬期に流行し、伝染性が強いのが特徴。
1956年チェコスロバキアでの発生以降世界各地で発生があり、日本では1971年暮れに1頭の輸入された乗馬からマイアミ型ウイルスによる発生の感染が広がった。
東京競馬場、中山競馬場、白井分場(現競馬学校)に繋養されていた全競馬場、関東全域の乗馬クラスの全乗馬が感染して、翌1972年第1回、2回東京競馬は中止され、番組を変更して2月26日の第1回中山競馬場から開催された。
この時、全国で6800頭近くの馬が発病するに至った。
以降、インフルエンザワクチンが開発されて、全馬属に毎年接種が義務付けられているが、今回の発生は今までと全く違った型のウイルスによるものなのか、ワクチンの効力調査を怠っていたか、トレセンへの入厩検査に問題はなかったか、この夏の暑い時の発生は、検査方法に手落ちはないのか等々を含めて、徹底した原因調査が求められる。
『馬インフルエンザ』の症状は、通常ウイルス感染後1~6日の潜伏期間を経て発熱(39~41℃)、鼻汁、発咳、流涙などが見られる。
発症期間は約1週間だが、この病が直接の原因で馬が命を落とすことは無い。
専門家の中ではウイルスの型の変異などが起こり、今度のような事態が起こり得ると危惧していた人たちもいました。
                                                 -獣医:山本剛-