リアルスティール低評価覆す2着 矢作師「世界的に見ても大きな2着」

リアルスティール

●10月30日(日) 4回東京9日目11R 第154回 天皇賞(秋)(G1)(芝2000m)

ドバイターフ勝ち馬のリアルスティール(牡4、栗東・矢作厩舎)はメンバー最速の上がり33秒5で2着に入り、7番人気の低評価を覆す好走を見せた。

当初は毎日王冠からここへ参戦する予定であったものの、2度の輸送で疲れが残るなどの懸念から、天皇賞への直行を決めた。最終追い切りもこれまでとは違ったセーブ気味の内容。安田記念での大敗を糧に、陣営の試行錯誤した結果が出た。

道中は若干行きたがる面を見せたものの、勝ち馬モーリスの直後をキープ。直線は大外を通って素晴らしい伸びを見せた。「少しだけ掛かりました。馬場の内側が悪く、外に出したかったので、一番いいところを走れました。モーリスがすごく強かったです。元気過ぎるところがあるけど、今日はすごく落ち着いていました」と初騎乗のM.デムーロ騎手もこの結果に納得の表情。

ドバイで世界の頂に立った馬として、今日は無様な競馬は許されないところだったが、管理する矢作芳人調教師も「負けてしまったのは残念ですが、力を示すことは出来ました。安田記念では朝からイレ込んでいたのですが、今日はすごく良かったです。結果は悔しいですが、世界的に見ても大きな2着だと思います」と海外G1で2勝を挙げているモーリスの2着に入った僚馬を讃えた。

気になる次走だが「今日はスローで折り合う事が出来ましたし、ジャパンCも視野に調整したいと思います。香港はメンバーなどを加味しながら考えたいです」と矢作師。現時点では流動的であるものの、今日の末脚を見せることができれば、どちらに出走してきても好勝負になるはず。次にG1タイトルを手に入れるのは、この馬かもしれない。