【日本ダービー】リアルスティール 矢作芳人調教師一問一答

5月31日(日)に行われる日本ダービー(G1)の共同記者会見が、栗東トレセンにて行われた。
リアルスティール(牡3、栗東・矢作厩舎)を管理する矢作芳人調教師の一問一答は以下の通り。

●今回は挑戦者 皐月は「素直に勝った馬が強かった」

-:早い時期からダービーを意識していたというリアルスティールですが、いよいよですね。

矢作芳人調教師:そうですね。よくここまで来たなと思っています。

-:皐月賞の前には「久しぶりに緊張しています」と話していました。今も良い緊張感があるのではないでしょうか?

矢:皐月賞の後で言ったように、あくまで挑戦者なので、今回はだいぶ気楽に楽しんできています。

-:キャリア4戦目に挑んだ皐月賞では2着でした。レースを振り返っていただけますか?

矢:うちの馬自体はいいレースをしたと思います。素直に勝った馬が強かったと思っています。

-:皐月賞までわずか4戦ですが、次々に色々な課題を克服してきたように思えますが。

矢:そういうセンスの高さというのは能力のひとつだと思うので、一回、一回、レースを経験するごとに上積みというか、そういったものがあったのではないかと感じています。

-:皐月賞の2着を踏まえて、その後の調整で主眼に置いたのはどういうところでしょうか。

矢:ダービーだからといって特別なことはできないので、ひとつひとつ今までやってきたことの精度を高めて、現在持っているポテンシャルを最大限に引き出せるように、それだけ考えてやってきました。

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-:現在持っているポテンシャルというのは、皐月賞前には「まだこの上があって、まだ7、8分だろう」とおっしゃっていました。

矢:まだ7、8分だと思います。

-:ダービーへ向けての調整という点では、ダービーを勝ったディープブリランテの経験が生きている面はございますか?

矢:それは非常に大きいと思います。

-:どのあたりを一番感じていますか?

矢:ダービーというレースはすべてのホースマンが目標にするレースですから、何かひとつでもピースが欠けると勝てない。ディープブリランテで勝った時にそれを感じましたので、ピースがひとつでも欠けることの無いようにやってきたつもりです。

●一線を超えない、究極の仕上げを敢行

-:中間も時計がしっかり出ていますし、それを踏まえての今朝の調教は何がテーマだったのでしょうか。

矢:今日はもう反応を見る程度で、やり過ぎないということです。先週しっかりと負荷を掛けられて、今朝の体を見てそのように判断しました。

-:手応え十分と。

矢:そうですね、本当に良い調教ができたなと思います。リードホースのほうの騎乗者が、僕が要求したラップを正確に刻んでくれたので、非常に満足できる調教だったと思います。

-:皐月賞の時より手応えは上ですか?

矢:うーん、相手は強いのでね。それはどうでしょうか。でも、最初から春は5月31日を目標に厩舎スタッフ一丸となって、(福永)祐一とも一緒になってやってきたので、それに向けてやれる仕事ができたかなという手応えを感じています。

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時折笑みもこぼれる「ダービートレーナー」矢作芳人調教師


-:馬体重の数字を見ますと500キロ前後で非常に安定して体を作ってくる馬ですね。

矢:今回は研ぎ澄まされてきているので、多少減るかなと思いますが、そんなに大きな増減は無いんじゃないかなと思っています。

-:皐月賞前には「どんなレースでもできるというのがこの馬の強みで、行かそうと思ったら行くこともできるんだよ」とおっしゃっていました。今回はダービー、どんなレースをイメージされていますか?

矢:イメージしているのは、直線で並んで叩き合いになる、というようなレースになってくれればと思いますが、基本的に作戦については一流ジョッキーですので、ジョッキーに任せますし、あとは当日、枠順と馬場状態を見て、細かな打ち合わせを祐一君としたいなと思っています。

-:現時点ではピースはすべて揃った感触でしょうか?

矢:やはりギリギリまで究極の仕上げをしなければ勝てないし、かといって一線を越えてはいけないと。99.9なら良いけれど、100.1になってはいけないという気持ちで今日の追い切りに臨みましたが、それがシッカリとできたのではないかと思っています。

-:馬にとっては生涯に一度のチャンス、ダービーに向けて抱負をお聞かせください。

矢:僕だけではなくて、誰もが勝ちたいレースですから。勝てるために精一杯やってきたつもりですし、あとは本当に天命を待つだけだという気持ちです。

-:良い結果を楽しみにしています。

矢:ありがとうございます。頑張りますので、応援よろしくお願いいたします。

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