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金鯱賞

フィリーズR

アルアイン

(牡5、栗東・池江寿厩舎)

ディープインパクト
ドバイマジェスティ
母父Essence of Dubai
通算成績14戦4勝
重賞勝利 17年皐月賞(G1)
17年毎日杯(G3)
連対時
平均馬体重
520kg (最高:526kg)
(最低:518kg)
前走時馬体重520kg
POINT
馬体重520キロと大型のディープインパクト産駒で、筋肉量・骨量に富んでいる。金鯱賞は大型でがっしりとした体型の馬が活躍しているが、本馬も好走馬体に合致する体付きをしており、レースへの適性は高いはず。父の産駒特有の柔軟性・瞬発力がありつつも、最たる長所はその豊富な筋肉量からなるスピードの持続力。時計が掛かる条件よりも高速決着でより優れたパフォーマンスを披露するタイプだ。同厩のペルシアンナイトと血統は異なるが、筋肉の付き方・全体のイメージは似通う部分が多い。飼養管理と調教、そして主戦場としている路線が同じであるため、自ずと近い造りになってくるのだろう。G1を目標としているだけあり、前走、2走前の立ち写真と比較して腹周りにはゆとりを感じさせ、トモの張りもまだまだ良化の余地がある。力は出せる状態だが、使って良くなりそう。
今週のイチオシ

エアウィンザー

(牡5、栗東・角居厩舎)

キングカメハメハ
エアメサイア
母父サンデーサイレンス
通算成績14戦7勝
重賞勝利 18年チャレンジカップ(G3)
連対時
平均馬体重
497kg (最高:508kg)
(最低:490kg)
前走時馬体重508kg
POINT
盛り上がるように発達した胸前、丸みのあるトモ。キングカメハメハ産駒は総じて筋肉量の豊富な馬が多い傾向にあるが、この馬も例に漏れず筋肉が全面に出たパワフルな馬体。バランス・シルエットも整っており、G1馬が揃った今回のメンバーに入っても見劣らない、見栄えのする好馬体を披露している。特に後躯の張りは秀逸で、下腿部には網目のように血管が浮き上がっており、相当なパワーが伝わってくる。全兄エアスピネルもかなりの好馬体だが、この弟は更にスケールアップしたような印象があり、将来的にはG1制覇も期待できるほどの素質を秘めていると見た。チャレンジCから間隔は開いたものの、皮膚を薄く見せているように馬体の張りは申し分なく、太め感も無い。相手は強化されるが、5連勝でG1馬撃破も十分ありそう。まず勝ち負けになる。
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馬体診断における基本ポイントを伝授!奥が深い馬体の世界に足を踏み入れてみよう!

ダノンプレミアム

(牡4、栗東・中内田厩舎)

ディープインパクト
インディアナギャル
母父Intikhab
通算成績5戦4勝
重賞勝利 18年報知杯弥生賞(G2)
17年朝日フューチュリティ(G1)
17年サウジアラビアRC(G3)
連対時
平均馬体重
486kg (最高:498kg)
(最低:476kg)
前走時馬体重498kg
POINT
ダービー時で498キロと比較的馬格に恵まれたタイプのディープインパクト産駒で、肩周りやトモには立派な筋肉が付いている。全体のバランスも整っており、現役馬の中でも屈指の好馬体を誇ると言っても過言ではない。筋肉量が多いため胴が幾分短く見えるが、中距離までなら問題なくこなせるはず。とはいえ、あまり距離が延びて良いタイプとは言えないか。3歳時は筋肉の輪郭がハッキリと浮き出て、皮膚を薄く見せ全身に血管が浮き出るほどの張りを見せていたものの、今回は10ヶ月ぶりということもあって全体に緩さを残す体付きをしており、良化途上の印象。スピード・パワーに秀でたタイプのため本来このレースに対する適性は低くないはずだが、良い頃の馬体を見ているだけに推しづらい面も。絶対能力でどこまで駆けられるか。

ペルシアンナイト

(牡5、栗東・池江寿厩舎)

ハービンジャー
オリエントチャーム
母父サンデーサイレンス
通算成績15戦4勝
重賞勝利 17年マイルチャンピオンS(G1)
17年アーリントンカップ(G3)
連対時
平均馬体重
481kg (最高:492kg)
(最低:474kg)
前走時馬体重492kg
POINT
マイルでG1勝ちを挙げているものの、前脚をスラッと見せているようにバランスが良く、距離には比較的融通が利くタイプ。肩周りやトモに立派な筋肉が付いているが、シルエットが整っているためパワーと素軽さ、いずれも感じさせる立ち姿。同厩ということでアルアインと全体に似通う部分が多く、好走するならば2頭一緒になって馬券になりそうなイメージ。このレースへの適性は高そうだ。基本的に見栄えするタイプの馬ではあるが、今回はG1前のステップレースということもあって磨き上げられてきたという印象ではない。昨年の中山記念前に似た雰囲気を感じさせる。ただ、背中には僅かであるが銭型が浮き始めており、毛艶は良好で体調は良さそう。同厩舎の2頭で言えば、コチラが前に来るのでは無いかと見ている。

モズカッチャン

(牝5、栗東・鮫島厩舎)

ハービンジャー
サイトディーラー
母父キングカメハメハ
通算成績14戦4勝
重賞勝利 17年エリザベス女王杯(G1)
17年サンスポ賞フローラS(G2)
連対時
平均馬体重
471kg (最高:476kg)
(最低:468kg)
前走時馬体重486kg
POINT
背中が垂れているように見える体型をしているが、これは元々の体型。歳を重ねて徐々に解消されてきており、キ甲から背中、腰にかけてのラインもだいぶ整ってきた。馬体は完成されたと見て良いだろう。ただ、このように背中が垂れた形をしている馬は、その構造から背腰に疲れが溜まりやすい。近走を振り返ってもなかなか使い込めていないのは、背中の造りも関係しているのでは無いだろうか。牝馬ながらクビさしも太く、肩周りの筋肉も発達しているように筋肉量が豊富だが、お腹周りは比較的常にシャープな印象があるため、レース間隔が開いても仕上げやすいタイプに見える。今回も休み明けを感じさせない状態で、好勝負が期待出来そうだ。

リスグラシュー

(牝5、栗東・矢作厩舎)

ハーツクライ
リリサイド
母父American Post
通算成績17戦4勝
重賞勝利 18年エリザベス女王杯(G1)
18年東京新聞杯(G3)
16年アルテミスステークス(G3)
連対時
平均馬体重
442kg (最高:462kg)
(最低:428kg)
前走時馬体重462kg
POINT
G1初制覇を遂げたエリザベス女王杯が自己最高馬体重の462キロ。晩成型のハーツクライ産駒にしては3歳時からクラシック一線級で活躍を見せていたが、ようやく本格化したと言って良い。胸前、トモには明瞭なスジが浮き上がっているように馬体の張りは目を見張るモノがある。ただ、本質的に骨格が大きいタイプではなく、パワーよりも素軽さ、瞬間的に繰り出す末脚のスピードで勝負するタイプ。近年の金鯱賞では馬格の立派なパワータイプが活躍しているため、牡馬一線級に入ることを考慮した上でこの条件、レース適性はそう高くないと見た。ただ、冬毛の伸びやすい春先の牝馬ながら毛艶は光っており、代謝の良さを感じさせる。この馬は目一杯に仕上げると肋骨がハッキリ感じ取れるほどシャープに見えるため若干のゆとりは残すものの、体調は良さそうだ。

アウィルアウェイ

(牝3、栗東・高野厩舎)

ジャスタウェイ
ウィルパワー
母父キングカメハメハ
通算成績3戦2勝
連対時
平均馬体重
456kg (最高:464kg)
(最低:450kg)
前走時馬体重464kg
POINT
前走時馬体重が464キロ。母ウィルパワーも現役時代はほぼ同じくらいの馬格をしており、骨格に対して豊富なトモの筋肉は、母父のキングカメハメハが強く発現していると考えられる。筋肉質なタイプである点は母似だが、まだキ甲が抜け切っておらず腰高な印象があるため、成長曲線としては晩成傾向にあった父ジャスタウェイに共通するイメージ。現状での完成度でも重賞で好走しているのは高い身体能力・素質によるところが大きいのではないだろうか。飛節の折りは深いタイプで、瞬間的な加速を得意とする構造。後躯に向かって胴周りも引き締まっており、腹側のラインと比べて背中側が短く見える瞬発力タイプ。ただ脚部不安明けということもあり、以前との比較は出来ないものの、お腹周りはややゆとりある造り。一度使って状態が上がってきそうな雰囲気を感じる。

キュールエサクラ

(牝3、栗東・中内田厩舎)

マンハッタンカフェ
インコグニート
母父Gone West
通算成績3戦2勝
連対時
平均馬体重
459kg (最高:464kg)
(最低:456kg)
前走時馬体重456kg
POINT
母インコグニートの産駒は芝の短距離から中距離馬、ダート馬と幅広いジャンルで活躍しているが、この馬は毛色、骨格が母の3番仔で1200~1400mで2勝した半姉インクレセントに近い体付きをしている。特に肩周りの筋肉の付き方が似ており、蹄がやや寝ていて繋ぎが長く立っている造りも近いモノがある。姉は道悪が得意では無かったので、この馬もレースは良馬場希望といったところか。比較的父の特徴を引き出す血統である影響か、後躯の仙骨から飛節にかけての造りは父マンハッタンカフェらしさも感じる。所謂「瞬発力に秀でたタイプ」の構造であり、背中側のラインが短く見えることからも、柔軟性に富んでいる造りと判断して良さそうだ。春先の牝馬にしては冬毛も伸びずに毛艶が黒光りしており、肋骨が僅かではあるが感じられるようにしっかり仕上がっている。重賞でも勝ち負けが期待出来るだろう。

ココフィーユ

(牝3、美浦・斎藤誠厩舎)

ロードカナロア
ブルーミングスノー
母父サンデーサイレンス
通算成績5戦2勝
連対時
平均馬体重
432kg (最高:436kg)
(最低:426kg)
前走時馬体重434kg
POINT
前走時馬体重が434キロ。馬格は牝馬の中で平均よりも小さめな部類に入るが、骨格が小さいというよりも、全体に華奢でシャープな印象を感じる。全体にスッキリと見せている一方で、肩周りやトモにはしっかりと筋肉が付いており、この辺りは父ロードカナロアの長所が出ていると考えられる。骨格の大きさの関係で筋肉量が絶対的に多いというワケでは無いが、肩から前腕にかけて、トモの下腿部には血管が網目状に浮き上がっており、馬体の張り無くしてこのような外貌を披露することは出来ない。推進力の源と言って良いだろう。冬毛も伸びておらず、体調は良さそうだ。関西への初輸送となるため、馬体を大きく減らさなければ勝負圏内。
今週のイチオシ

プールヴィル

(牝3、栗東・庄野厩舎)

Le Havre
ケンホープ
母父Kendargent
通算成績5戦2勝
連対時
平均馬体重
419kg (最高:424kg)
(最低:416kg)
前走時馬体重424kg
POINT
前走時で馬体重424キロと小柄な馬。確かに数字通り骨格は小さめなものの、付くべきところにしっかりと筋肉が付いているため、数字以上に立ち姿は立派な印象を受ける。骨格に対して筋肉量が豊富なことと、胴周りが短いこともあって短距離志向が強い馬体構造をしている。マイルでは2度走って④⑤着、1400mでは①①②着と成績にも如実に出ているように、距離は短い方が合っているタイプ。将来的にはスプリント路線を歩むことになりそうだ。特に前駆の造りは目を見張るモノがあり、かき込む力は秘めていそう。繋ぎも短く立ち気味なので、馬場が渋っても苦にしない造り。むしろ柔軟性という点ではサンデー系と比較して分が悪いので、上がりの掛かりそうな馬場なら評価を更に上げたいところ。下腿部には網目状に血管が浮いているように皮膚を薄く見せ、馬体の張りはピカイチ。しっかりと出走権を確保してくるだろう。
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馬体診断における基本ポイントを伝授!奥が深い馬体の世界に足を踏み入れてみよう!

ホウオウカトリーヌ

(牝3、美浦・栗田徹厩舎)

マツリダゴッホ
テルヌーヴ
母父Henrythenavigator
通算成績6戦2勝
連対時
平均馬体重
472kg (最高:474kg)
(最低:468kg)
前走時馬体重470kg
POINT
まず目に止まるのが折りの深い曲飛と、角度の付いた仙骨。これは父マツリダゴッホにも見られる馬体の特徴であり、遺伝したパーツと考えて良い。このような造りでは一完歩が小さくなり、ピッチの利いた走りになりやすくなる。スピードの乗りが良いため自然に短距離向きの馬となっていくのだが、実際父は中距離以上で活躍したにも関わらず、産駒はマイル以下を主戦場とする馬が多い。それだけパーツ、特に後肢の造りを素直に伝える種牡馬ということだろう。胴がもう少し詰まっていれば典型的なスプリンターになっていたが、この馬は全体のシルエットに対して胴が若干長いので、前走でマイルにも対応出来たのだろう。とはいえ、距離が1F短くなるのは好材料と言える。全体に冬毛が伸びており見栄えはしないが、トモには大きなスジが浮いており馬体の張りは上々。腹には丸みを感じるものの、関東からの遠征を考慮すれば太いとは感じない。今回も注目の1頭。

メイショウケイメイ

(牝3、栗東・南井厩舎)

ワークフォース
メイショウアキシノ
母父デュランダル
通算成績4戦3勝
連対時
平均馬体重
420kg (最高:426kg)
(最低:416kg)
前走時馬体重416kg
POINT
立ち姿をひと目見て分かるように、華奢でシャープな造りをした牝馬。骨格自体も小さな馬であるが、筋肉の付き方もなだらかで決して見栄えのするタイプではない。母メイショウアキシノも3歳春までは同様に400キロ台前半の小柄な馬体であったため、母方の特徴が良く出ていると考えて良さそうだ。胴の長さ自体も短くで、必然的に距離は短いところになる。ここまで書くと父の特徴が全く出ていないように聞こえるかもしれないが、実はソコが重要なポイント。ワークフォース産駒は重厚感のあり過ぎる馬が多いため、見た目に筋肉量が多いタイプは日本競馬と合わず、特に芝のスピードに対応し切れていない印象がある。実際稼ぎ頭は牝馬であり、華奢に見えるからこそ父の下地が活きていると考えることも出来る。冬毛も伸ばしておらず、ムダ肉の無い体型で仕上がりも上々。見栄えはしないが侮れない。

金鯱賞

フィリーズR

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