
初めての個人所有馬ジャスタウェイがレーティング世界No.1の評価を獲得し、種牡馬に。
人並み外れた馬運の持ち主が脚本家という本業のキャリアを活かし、馬主ライフを書き下ろします。
『訃報』
2026/8/12(水)
皆さんこんにちはライター大和屋です。先日、元社台スタリオンステーションの場長であり元社台コーポレーション白老ファームの代表を務めていらっしゃった角田修男先生がお亡くなりになりました。
競走馬の世界のことを何も知らない私の面倒をことあるたびに見てくださって、ジャスタウェイ、そして須貝先生とめぐり合わせてくれた大恩人でございます。謹んでご冥福をお祈りいたします。
角田先生との出会いは2010年のセレクトセールの会場でした。右も左もわからないままにジャスタウェイを落札した私が(落札すると牧場の方が挨拶にきてくれます)ハーツクライの会員だと知ると、それならがに股でも大丈夫だなと言ってくれ、ジャス君ががに股だと初めて知ることができました。
「誰か調教師知ってるの?」「いえまったく」と答えた私にその場で須貝先生に電話をかけて紹介してくださいました。今だからわかりますが、おそらくあの時須貝先生を紹介してくれなかったらジャスタウェイは世界一までは届かなかったと思います。そんな運命の出会いをセットしてくれた角田先生には一生頭があがりません。
多くの名馬に関わった角田修男氏(一番左)
その後も事あるたびに気にかけてくださり、G1を勝った後もそのままの保険料にしたままだと知ると、その場で保険料を変更してくれたり(3000万から数億円の掛け金になりました……その後ありえないと怒られました。笑)、獣医さんなので競馬場でジャスタウェイの脚元などをチェックしすぐに手配してくださいました。
海外遠征の希望、ドバイへ行きたいと初めて人前で喋った時も一緒にご飯を食べておりました。この時は天皇賞前に皆でごはんを食べようとなっていて、もし天皇賞に勝ったら次はどこ使う?という質問をしてもらいまして、ハーツクライと同じくドバイで勝ちたいという言葉が出てきました。
ジャスタウェイが引退しスタッドインした時も、ハーツクライの隣の馬房に入れてくれたり、条件面でいろいろと尽力してくださいました。僕が言わずともジャスタウェイに力を入れて種付けしてくれたりなど、いろいろと面倒を見ていただきました。
クラシック三冠から有馬記念、そして凱旋門賞制覇まであと一歩まで迫ったオルフェーヴル、その兄ドリームジャーニー、そして世界一のレーティングを日本馬で最初に獲得したジャスタウェイを作った男。角田先生です。世界に誇るスーパーホースマンであり、社台グループと浦河や日高の橋渡し役をずっと担っていた先生。困った時はいつでも力になってくれ、私のような弱小馬主にも常に気をくばってくださり、本当にありがたかったです。今まで本当にありがとうございました。
角田先生が残してくれたジャスタウェイ、その産駒で今一度ドバイへ行けるような仔を輩出させたい。そしてもう一度、世界へ挑戦したいと改めて思いました。ジャスタウェイもすでに高齢になってきておりあまり悠長に構えているわけにはいきませんが、愛馬たちにはぜひ頑張っていただきたいです。
すでに中央での勝ち星から一年以上ご無沙汰している状況ですが、なんとかこの状況を脱して、再び世界を意識したい。そのためにはまずは一勝。そこからですかね。
角田先生には本当に何から何までお世話になりました。本当に感謝の言葉しかありません。本当にありがとうございました。再び世界を狙えるようにこれからも頑張っていきたい所存でございます。見守っていてください。
了
プロフィール

大和屋 暁 - Akatsuki Yamatoya
脚本家・作詞家・ライター。若くして一口馬主に出資を始め、クラブ馬主歴2年目にハーツクライと運命的な出会いを果たすと、有馬記念、ドバイシーマクラシックを制す大活躍。しかし、ノド鳴りによるアクシデントに見まわれ、突如として引退したことに一念発起、馬主になる決心を固めた。個人馬主としては、初めてデビューを果たした所有馬ジャスタウェイが大活躍の強運ぶりを発揮。遂には、目標であったドバイ遠征を実現させ、ドバイデューティーフリー(現在のドバイターフ)を圧勝。「自らの馬でドバイを勝つという」夢を実現させたばかりでなく、そのパフォーマンスが評価され、2014年度のワールドベストレースホースランキングでは、日本馬史上初の1位を獲得している。
現在の現役所有馬はカリボール、マジカルステージ、ジャスコ、キングロコマイカイ。一口馬主や共有馬ではアウィルアウェイ、ルーツドール、イストワールファムなどに出資している。
本業ではアニメ版「銀魂」、「スーパー戦隊シリーズ」などの脚本を手がけ、2020年公開の映画「デジモンアドベンチャー」も担当。愛馬との数年間に及ぶ足跡を綿密に綴った『ジャスタウェイな本』などの執筆も手がけた。




