毎週、馬体FOCUSにて馬体診断を披露している某大手牧場の元スタッフが、YouTubeで更に詳しい解説を公開中!今すぐ見る⇒

アレスバローズ

(牡7、栗東・角田厩舎)

ディープインパクト
タイセイエトワール
母父トニービン
通算成績30戦7勝
重賞勝利 18年TV西日本北九州記念(G3)
18年CBC賞(G3)
連対時
平均馬体重
485kg (最高:496kg)
(最低:472kg)
前走時馬体重504kg
POINT
仙骨の角度が斜めになっている「斜尻」で、飛節も父ディープインパクト譲りの地面に対して真っ直ぐに伸びている「直飛」。豊富なトモの筋肉量で生み出した推進力をロスなく活かせる馬体構造だ。血統は中距離向きも、胴と前脚が短く、シルエットは6F向きの短距離馬そのもの。ただ血統が影響しているのか、筋肉の付き方が良い意味でスプリンターらしくないので、重苦しさを感じさせない。蹄も薄く、高速決着に強そうだ。高松宮記念はやや時計が掛かる傾向にあるので、出来れば良馬場で時計勝負になって欲しいところ。毛艶を常に良く見せるタイプで状態は安定している。今回も筋肉の陰影が浮き上がっており、仕上がりの良かった前走よりも更に良化してきた印象。デキに関しては文句なし。

セイウンコウセイ

(牡6、美浦・上原厩舎)

アドマイヤムーン
オブザーヴァント
母父Capote
通算成績26戦7勝
重賞勝利 18年函館スプリントS(G3)
17年高松宮記念(G1)
連対時
平均馬体重
493kg (最高:504kg)
(最低:482kg)
前走時馬体重508kg
POINT
まず立ち写真を見て目に留まるのが肩周り、胸前の筋肉。トモの形も正方形に近く、筋肉量も豊富で馬体重500キロ前後と立派な馬格を誇る。アドマイヤムーン産駒はクビ肩周りの筋肉が発達する馬が多く、中京向きのパワーに秀でた体型になりやすい。17年にこのレースを勝っているように適性は言うまでもない。立ち気味の繋ぎをしており、蹄も小さめで角度が立っている。スピード勝負よりも、時計が掛かるくらいの馬場状態で更にパフォーマンスを上げてくるだろう。4歳春から一線級で戦っており、今年で6歳。筋肉量は全盛期と比較してやや低下して来ている印象もあるが、依然として筋肉の張りを感じさせ、見栄えのする馬体をキープしている。近走着順は冴えないが、得意の舞台で巻き返しがあって良い。
今週のイチオシ

ダイメイフジ

(牡5、栗東・森田厩舎)

アグネスデジタル
ダイメイダーク
母父ダンスインザダーク
通算成績25戦6勝
連対時
平均馬体重
513kg (最高:520kg)
(最低:508kg)
前走時馬体重518kg
POINT
父アグネスデジタルが強く出た胸前と、丸みがあって容量の大きなトモの筋肉が発達した好馬体。昨秋まではキ甲が抜け切らず腰高な印象が強かったが、5歳春を向かえて背が伸び、完成度が高まってきた。馬体重こそ大きな変動は無いが、余分な肉が削げて筋肉に変化し、500キロを超えるような大型馬とは思えないほど素軽さを感じさせる。胴周りも比較的ゆったりとした造りのため、良い意味でスプリンターらしくない体型。本質的には1200mよりも1400m戦が合うタイプだが、高松宮記念は1分8秒台で決着することが多いように、スピードの絶対値はあまり問われない。条件好転とまでは行かなくとも、十分対応可能な馬体構造と見た。昨秋から休み無く使われているが、毛艶は光っており、血管も全身に浮き上がっていて馬体の張りが素晴らしい。デキはメンバー1と言っても良い。
今週のイチオシ

ダイメイプリンセス

(牝6、栗東・森田厩舎)

キングヘイロー
ダイメイダーク
母父ダンスインザダーク
通算成績25戦6勝
重賞勝利 18年アイビスサマーD(G3)
連対時
平均馬体重
498kg (最高:508kg)
(最低:490kg)
前走時馬体重488kg
POINT
昨夏は500キロを超える大型馬ということを感じさせないシャープな体付きを見せていたが、オーシャンS1週前の立ち写真から腹周りを始め、馬体全体にふっくらとしてきた印象がある。細身に映っていた時期に好成績を収めているため判断が悩ましいところではあるものの、個人的には現在の立派に見せる体付きの方がスプリンターらしく好感を受ける。前走はマイナス14キロと馬体重を減らしていたが、見た目に細く映るところは無い。今回は輸送も短いので恐らく体重を戻してくるだろう。繋ぎは立っているものの、蹄底が薄めであるために道悪は不得意。出来れば良馬場で走らせたいところだ。毛艶も黒光りしており、見た目にも代謝が良さそうな雰囲気。シャープな造りの頃に素軽く見せた体付きが、どっしりとしてパワーを感じさせる馬体へと変化してきた。巻き返しに期待。

ダノンスマッシュ

(牡4、栗東・安田隆厩舎)

ロードカナロア
スピニングワイルドキャット
母父Hard Spun
通算成績11戦5勝
重賞勝利 19年シルクロードS(G3)
18年京阪杯(G3)
連対時
平均馬体重
468kg (最高:474kg)
(最低:462kg)
前走時馬体重474kg
POINT
ロードカナロア産駒は様々なタイプの馬を出すが、この馬は父と骨格・フレームが似ており、胴が詰まり気味のスプリンター体型。筋肉量も豊富でトモには大きなスジが明瞭に浮き上がっているが、見た目に表面だって筋肉が主張していたが父と比較すると、ややなだらかな肉付き。全体に一回りコンパクトにしたような雰囲気で、まだ完成形ではなく良化余地が残っている印象だ。現状でも十分勝ち負けできるだけの馬体ではあるものの、イチオシは完成された時のために取っておきたい、そう思わせるほどポテンシャルの高さを感じさせる馬だ。ただ肋骨が薄っすらと浮き上がっているように、一叩きしてムダ肉が削げてきた印象。状態は前走以上で、文句なしの好仕上がりだ。

デアレガーロ

(牝5、美浦・大竹厩舎)

マンハッタンカフェ
スーヴェニアギフト
母父Souvenir Copy
通算成績14戦6勝
重賞勝利 19年京都牝馬ステークス(G3)
連対時
平均馬体重
472kg (最高:486kg)
(最低:462kg)
前走時馬体重486kg
POINT
1200、1600、1800、2000mと幅広い距離で勝利を挙げているが、父が長距離で活躍したマンハッタンカフェということもあり、胴周りは比較的ゆったりと造りをしている。胸前やトモ、クビ周りの肉付きが良く、短距離戦にも対応可能なパワーを生み出せる馬体ではあるものの、フレーム自体は決してスプリンターといったイメージではない。高松宮記念自体スピード勝負になりづらいレースとはいえ、6F戦は本質的に忙しいと見ている。前走で馬体重を32キロ増やしていたが、体自体は引き締まっており、決して緩んだ印象は無い。前回の立ち写真である昨年のヴィクトリアM時よりも全体にボリュームアップしており、肉付き・筋肉量が多くなったと考えて良いだろう。毛艶も上々で、体調面に不安な点は見られない。

ナックビーナス

(牝6、美浦・杉浦厩舎)

ダイワメジャー
レディトゥプリーズ
母父More Than Ready
通算成績31戦7勝
重賞勝利 18年キーンランドカップ(G3)
連対時
平均馬体重
514kg (最高:528kg)
(最低:496kg)
前走時馬体重526kg
POINT
前走時で馬体重526キロと牡馬顔負けの馬格で、牝馬ながらパワーに秀でている。筋肉量は勿論のこと、骨格自体が立派なため馬力がある。構造的に素軽い印象ではないため、スピード勝負よりも時計が掛かった方が良い。昨年このレースを3着しているが、より絶対的なスピードが求められるスプリンターズSでは7着。スプリントG1・2つを天秤に掛けた場合、時計が掛かりやすい高松宮記念向きのタイプと言って良いだろう。6歳を迎えたが筋肉量はしっかりとキープしていて、後肢の下腿部にもクモの巣のように太い血管が浮き上がっている。馬体の張りはピカイチで、オーシャンSを使われた効果か、腹周りもスッキリと見せている。今年も上位争いが期待できる好仕上がりだ。
今週のイチオシ

ミスターメロディ

(牡4、栗東・藤原英厩舎)

Scat Daddy
Trusty Lady
母父Deputy Minister
通算成績9戦3勝
重賞勝利 18年中スポ賞ファルコンS(G3)
連対時
平均馬体重
482kg (最高:492kg)
(最低:474kg)
前走時馬体重496kg
POINT
米国産馬らしいガッチリとした体型で、実に立派な筋肉が付いている。太く短いクビさしに、盛り上がるように発達した胸前はボディビルダーのよう。無数のスジや陰影が浮かび上がっているのは、それだけ馬体に張りがあることを示しているからだろう。4歳になって全体にボリュームアップしたと同時に磨きが掛かってきた。阪急杯でもイチオシとしたが、休み明けで目一杯仕上げてこない厩舎とはいえ7着とよもやの敗戦。ただ外枠から外目を回す競馬で、差し馬が上位を占める展開も厳しかった。結果として現状の体付きでは1400mが若干長かった可能性も。「純正スプリンター」のイメージがあるので、6F戦なら巻き返せるはずだ。ステップレースを使って腹周りは更に引き締まり、前走よりも状態は良化している。勝ち負けに期待。
class="imgYoko"

馬体診断における基本ポイントを伝授!奥が深い馬体の世界に足を踏み入れてみよう!

モズスーパーフレア

(牝4、栗東・音無厩舎)

Speightstown
Christies Treasure
母父Belong to Me
通算成績14戦6勝
重賞勝利 19年夕刊フジオーシャンS(G3)
連対時
平均馬体重
478kg (最高:488kg)
(最低:470kg)
前走時馬体重486kg
POINT
実に小倉2歳S以来の立ち写真となるが、馬体のシルエット自体は大きく変化しておらず、骨格は既に完成されている。前走時で馬体重486キロと牝馬の中では大きな部類に入るが、外見上は比較的コンパクトにまとまっている印象だ。どちらかといえばパワーよりも素軽さが目立ち、スピードの絶対値で勝負するタイプ。前脚が短く全体に重心が前傾しているが、このような形をした馬はスピードのノリが良いとされる。テンのダッシュが速いのは重心が前傾しているからだ。ただ中京芝1200mで速さに任せて押し切るのは至難の業。条件的に向いている舞台とは言い難い。冬毛が伸びて見栄えはしないものの、近走も同じような状態で結果を出しているため、状態面で評価を下げる必要は無いが、外貌で高評価することも出来ない。力は出せる状態に整った、といったところか。

ラブカンプー

(牝4、栗東・森田厩舎)

ショウナンカンプ
ラブハート
母父マイネルラヴ
通算成績15戦2勝
連対時
平均馬体重
429kg (最高:436kg)
(最低:424kg)
前走時馬体重434kg
POINT
骨格自体は大きくない、牝馬らしいやや華奢な体型をした馬。たださすがに重賞を勝っているだけあって、フレームに対しトモの容量があり、大きな推進力を生むことができそう。この立派なトモの造りは、坂路で後躯を鍛える調教を重視している厩舎のスタイルも関係しているのでは無いだろうか。パワーというよりも軽快なスピードが持ち味で、時計は速くなった方が良さそう。蹄の角度も平たく、脚元は良馬場・高速決着向きの構造と言っていい。前回の立ち写真があるシルクロードSは余裕残しの仕上げだったとはいえ、さすがに少し負け過ぎの印象。その時よりは毛艶、馬体の張り共に良化してきてはいるが、好調期には筋肉の陰影がくっきり浮き上がっていたように、まだ本調子には無さそうな雰囲気。本番までもう一段階変わり身が欲しいところ。

レッツゴードンキ

(牝7、栗東・梅田智厩舎)

キングカメハメハ
マルトク
母父マーベラスサンデー
通算成績31戦3勝
重賞勝利 17年京都牝馬ステークス(G3)
15年桜花賞(G1)
連対時
平均馬体重
484kg (最高:506kg)
(最低:450kg)
前走時馬体重506kg
POINT
さすがに全盛期と比較して筋肉量は徐々に減少してきた雰囲気があるものの、それでも高いレベルでキープしている辺りは立派。元々胴は短めで、飛節の折りも深いことから瞬間的なスピードの乗りも良かったことから短距離向きの体付きではあったが、スプリント路線に的を絞って使われたため、より筋肉量が増加してよりスプリント志向の強い体型に。体の柔らかい牝馬とはいえ歳を重ねるにつれて体が硬くなってきているので、1400mから1200mへと距離が短くなるのは好材料。寒い時期は冬毛が伸びやすい馬だが、前回の立ち写真と比較して毛艶がガラッと良くなってきた。状態は前走以上と見ている。能力的に上積みは無いが、このデキなら今年も上位争いして不思議無い。
▼高松宮記念有力馬の馬体診断は、動画だとより分かりやすい!
競馬ラボに掲載されている記事・写真・映像などの無断複製、転載を禁じます。