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アエロリット

(牝5、美浦・菊沢厩舎)

クロフネ
アステリックス
母父ネオユニヴァース
通算成績17戦4勝
重賞勝利 18年毎日王冠(G2)
17年NHKマイルカップ(G1)
17年クイーンステークス(G3)
連対時
平均馬体重
496kg (最高:516kg)
(最低:476kg)
前走時馬体重516kg
POINT
牝馬ながら馬体重が500キロを優に超える大型馬。背中側と腹側のラインが平行に近く、胴周りをゆったりと見せており、一定の速度をキープして走ることに適した体型。父クロフネから受け継いで馬格から生まれるパワーはスピードの持続力勝負や、高速決着でこそ真価を発揮する。ただパワーに秀でているだけではなく、牝馬特有の「軽さ」を持ち合わせている点が、本馬の強さの秘密とも言えるだろう。ベストの距離はマイル~1800mで、2000mは気持ち長い印象もある。距離延長は好材とは言えないものの、自ら速いラップを刻んでこそ持ち味が活きるタイプで、今回も肉を切らせて骨を断つような競馬に期待したい。休み明けの毎日王冠もなかなかの仕上がりだったため、大型馬とはいえ一変は見込みづらいものの、今回も引き締まった馬体を披露しており、状態面での不安は見当たらない。

アルアイン

(牡5、栗東・池江寿厩舎)

ディープインパクト
ドバイマジェスティ
母父Essence of Dubai
通算成績17戦5勝
重賞勝利 19年大阪杯(G1)
17年皐月賞(G1)
17年毎日杯(G3)
連対時
平均馬体重
520kg (最高:526kg)
(最低:518kg)
前走時馬体重520kg
POINT
前走時の馬体重が520キロとかなりの大型馬で、雄大な骨格に胸前やトモの発達した筋肉が目を引く好馬体。ディープインパクト産駒の柔軟性と、パワー溢れる筋肉質な馬体から生まれるスピードの持続力を兼ね備えている点が最大の長所。骨格自体のバランスも整っているため、舞台を選ばずに安定した成績を残せている。ただ成長と共にパワー型にシフトしてきており、現状はスピードの持続力を活かした競馬がベストの形。背と腹のラインが平行に近く、長く良い脚を使えるタイプ。昨年の天皇賞(秋)は4着に敗れたが、高速決着への対応力もあり、依然として豊富な筋肉量を維持できている現状の完成度ならば、昨年以上のパフォーマンスを見せても不思議ではない。過去の戦歴や立ち写真を見ると、一度叩いて本番で良化する仕上げ方を施されてきた印象だが、今回は休み明けでも引き締まっており、後肢の下腿部にも明瞭に血管が浮き上がっている。皮膚を薄く見せ筋肉の張りも申し分なく、力を出せる状態にあると見た。前走は左前蹄が接着装蹄であったが、今回は釘で打てている点も好感。トップ3、特注馬に次ぐならこの馬か。
今週のイチオシ

アーモンドアイ

(牝4、美浦・国枝厩舎)

ロードカナロア
フサイチパンドラ
母父サンデーサイレンス
通算成績9戦7勝
重賞勝利 19年ドバイターフ(G1)
18年ジャパンカップ(G1)
18年秋華賞(G1)
18年優駿牝馬(G1)
18年桜花賞(G1)
18年日刊スポシンザン記念(G3)
連対時
平均馬体重
468kg (最高:480kg)
(最低:462kg)
前走時馬体重484kg
POINT
4歳秋を迎え父方の血統が表面に表れて来たのか、胸前やトモの発達が目立つようになってきた。馬体全体の絶妙に整ったバランスは依然としてキープしており、肉付き自体は基本的になだらかに見せているように、牝馬らしい柔軟性を損なうことなくパワーアップしてきている印象。いよいよ本格化してきたと見て良いだろう。2400mのG1を制しているが、馬体の若干な変化によって距離適性は少し短くなりつつあり、この馬にとっては現状2000mが一番合っているレンジと考えている。筋肉量が豊富でありながら胴周りもゆったりと見せており、持続力に秀でた形。非凡な柔軟性から生まれる鋭い末脚を有しつつも、本質的には持続力勝負を望むタイプであり、ある程度淀みない流れになって持続力勝負になった場合、この馬の右に出る存在はいないはず。休み明けはいつものことで、薄っすらと肋骨も浮き上がっているように文句なしの好仕上がり。

ウインブライト

(牡5、美浦・畠山吉厩舎)

ステイゴールド
サマーエタニティ
母父アドマイヤコジーン
通算成績19戦8勝
重賞勝利 19年Qエリザベス2世C(G1)
19年中山記念(G2)
19年日刊スポ賞中山金杯(G3)
18年中山記念(G2)
17年フジTVスプリングS(G2)
17年福島記念(G3)
連対時
平均馬体重
474kg (最高:492kg)
(最低:460kg)
前走時馬体重494kg
POINT
デビュー時に450キロほどだった馬体重が、前走時では494キロまでに成長。筋肉量、それを支えるフレームが共に完成された印象で、骨格が整ってきたこともあって全体にバランス良く見せるようになってきた。飛節の折りが深い「曲飛」で、瞬間的に速い脚を繰り出せる馬体構造をしているため、馬群から抜け出すようなレース運びを得意としている。持続力勝負よりも瞬発力勝負に向いた形であるため、香港のような小回りで一団になる競馬は得意条件にピッタリと合致する。天皇賞(秋)は持続力を要するレースであるため、淀みないペースを追走して最後に鋭い決め手を発揮できるかどうかがカギになるだろう。オールカマーは休み明けでも悪くない状態に見えたが、結果9着と大敗。ひと叩きされた今回も立ち写真からは太め感こそ感じないが、目一杯仕上げて来た雰囲気はあまり感じられなかった。まだ良化の余地はありそうで、強敵相手にどこまで。
今週のイチオシ

サートゥルナーリア

(牡3、栗東・角居厩舎)

ロードカナロア
シーザリオ
母父スペシャルウィーク
通算成績6戦5勝
重賞勝利 19年皐月賞(G1)
19年神戸新聞杯(G2)
18年ホープフルステークス(G1)
連対時
平均馬体重
494kg (最高:500kg)
(最低:488kg)
前走時馬体重498kg
POINT
父譲りの豊富な筋肉量が目を引く好馬体。春の時点で相当な資質を感じさせたが、夏を越して更にパワーアップしてきた印象がある。特にトモに筋肉は横幅が広く容量が大きいだけでなく、半腱半膜様筋に明瞭なスジ、下腿部には網目のように血管が浮き上がっていて、皮膚の薄さを感じさせるほど筋肉がパンと張っている。骨格のバランスが非常に整っており、全身の筋肉量が豊富でありながら全く重苦しく見せない。半兄エピファネイアは胴周りがゆったりとした体型をしていたが、この馬は背中側が短く、腹側が長く見える体型。一瞬の加速力が武器である瞬発力タイプの構造で、持続力勝負になりやすい皐月賞を制しているものの、本質的には前走のような上がり勝負がベストの舞台ではある。天皇賞(秋)よりもジャパンCで狙いを立ててみたいタイプだ。腹周りをふっくら見せていた前走時とは異なり、肋骨が薄っすら浮き上がっていて、ムダ肉は全く感じられない。毛艶も光っていて体調面も文句なしの好仕上がりと言えるだろう。

スティッフェリオ

(牡5、栗東・音無厩舎)

ステイゴールド
シリアスアティテュード
母父Mtoto
通算成績23戦8勝
重賞勝利 19年産経賞オールカマー(G2)
19年小倉大賞典(G3)
18年福島記念(G3)
連対時
平均馬体重
449kg (最高:464kg)
(最低:440kg)
前走時馬体重442kg
POINT
オールカマーを逃げ切った前走時の馬体重が442キロと、牡馬の中でも小柄な部類。背中と腹側のラインが平行に近く胴長に映る体型で、長方形のシルエットを披露しているため、数字以上の迫力を感じさせる。瞬発力勝負では分が悪くても、長く良い脚を繰り出すことに適した造りをしており、持続力を要する舞台でパフォーマンスを上げる傾向にある。天皇賞(秋)は持続力勝負になりやすいが、逃げ馬にとって厳しい流れになりやすく、中山からのコース替わりは割り引いて考えたい。蹄が薄く小さいため良馬場でこそのタイプと言えるだろう。前回は休み明けながらキッチリと仕上げられていたため、大きな変化は感じられないものの、引き続き馬体の張りが良い。毛艶も光っていて、状態はキープできていると見た。アエロリットとの兼ね合いになるが、マイペースで運んでどこまで粘れるか。

スワーヴリチャード

(牡5、栗東・庄野厩舎)

ハーツクライ
ピラミマ
母父Unbridled’s Song
通算成績16戦5勝
重賞勝利 18年大阪杯(G1)
18年金鯱賞(G2)
17年アルゼンチン共和国杯(G2)
17年共同通信杯(G3)
連対時
平均馬体重
504kg (最高:520kg)
(最低:492kg)
前走時馬体重524kg
POINT
胴を長く見せる体型の父から特徴をしっかり受け継いだ、ゆったりとした胴周り。本質的には持続力勝負に強い形で、長く良い脚を使うことで持ち味が生きる。500キロを超える雄大な馬格を有しており、ストライドも大きいので、東京競馬場のように広々としたコースはピッタリだ。3歳時は中団からの競馬を続けていたが、成長と共に後躯がしっかりしてきたため、テンの行き脚が付くようになった。しばらく勝利から遠ざかってはいるものの、父同様の自在性はG1で有利に働くはず。脚が長いため2000mでのスピード勝負になるとどうかも、持続力が求められるレースの質はこの馬の特性とマッチする。脚元の造りを見る限り道悪もある程度ならこなせそうなので、多少なりとも雨が残って時計が掛かるようなら面白い。休み明けということもり、馬体の張りは100%のデキとはいえないものの、毛艶が光っていて体調は良さそう。上位進出の可能性も十分。

ダノンプレミアム

(牡4、栗東・中内田厩舎)

ディープインパクト
インディアナギャル
母父Intikhab
通算成績8戦6勝
重賞勝利 19年読売マイラーズカップ(G2)
19年金鯱賞(G2)
18年報知杯弥生賞(G2)
17年朝日フューチュリティ(G1)
17年サウジアラビアRC(G3)
連対時
平均馬体重
491kg (最高:502kg)
(最低:476kg)
前走時馬体重504kg
POINT
筋肉量とバランスが高次元で整っている、現役馬の中でもトップクラスに見栄えする好馬体。筋肉量が豊富でありながら全く重苦しさを感じさせず、スピード勝負に特化した馬体構造と考えて良いだろう。胴の造りはフレームに対して平均~やや詰まり気味といったところで、先行してスピードを生かす競馬に持ち込みつつ、一定レベル以上の瞬発力で後続馬を置き去りにするのがこの馬のスタイル。成長とともによりガッシリとした体型に変化し、マイラー志向が強まってきているため、今回は2000mの距離で正攻法の競馬をしてどこまで食い下がれるか。必ずハナというタイプではないので、ミドルペース以下に流れが緩むようならチャンス。前走は不利もあって16着と大敗を喫したものの、今回も毛艶を良く見せており、ムダ肉の少ない腹周りで仕上がりは上々。ただ安田記念前と比較すると、若干トモのボリューム感に物足りなさも感じる。当週追いでどこまでパンプアップさせて来るか、当日の気配も要チェック。

ドレッドノータス

(セ6、栗東・矢作厩舎)

ハービンジャー
ディアデラノビア
母父サンデーサイレンス
通算成績27戦6勝
重賞勝利 19年京都大賞典(G2)
15年ラジオN杯京都2歳S(G3)
連対時
平均馬体重
462kg (最高:470kg)
(最低:450kg)
前走時馬体重458kg
POINT
立ち写真は実に3年半ぶり。年齢を重ねて全体にボリューム感が増し、どっしりとした重厚感のある立ち姿を披露している。昨年はシーズン通して9戦、今年もこれが8戦目となるように使い込まれているが、胸前やトモの絶対的な筋肉量はキープできており、年齢的な衰えは感じさせない。京都大賞典は全くの人気薄で展開が向いたのも確かだが、今後も侮ってはならないだろう。蹄が薄く繋ぎも長いため、馬場はきれいな方が合っているが、体型的にはスピードよりもパワーを生かした競馬が合っている印象。開幕週の良馬場で、瞬間的な脚の速さが問われづらいミドルペースになった前走は、この馬にとってマッチする流れだったのだろう。瞬発力・持続力ともに特化したタイプが強い天皇賞(秋)では展開の助けが必要になりそうだ。腹袋が大きいため太く映りがちな馬ではあるものの、今回は全体にやや緩さを感じさせ、毛艶もあまり見栄えがしない。諸々の要素が噛み合って、どこまでやれるか。

マカヒキ

(牡6、栗東・友道厩舎)

ディープインパクト
ウィキウィキ
母父フレンチデピュティ
通算成績18戦5勝
重賞勝利 16年東京優駿(G1)
16年ニエル賞(G2)
16年報知杯弥生賞(G2)
連対時
平均馬体重
500kg (最高:506kg)
(最低:496kg)
前走時馬体重508kg
POINT
ディープインパクト産駒で出世する馬には父以上の馬格を有している馬が多いのだが、この馬も前走時で508キロ。ダービー制覇時が502キロと大きな馬体の持ち主。骨格のバランスも整っていて重たく映らない点からも、さすがダービー馬と思わせる好馬体と言えるだろう。肩周り、前腕の筋肉が発達しており、これは母父のフレンチデピュティが強く発現した構造といえる。背中側よりも腹側のラインが長く、後躯に向かって引き締まっており、瞬発力に秀でた造り。父譲りの柔軟性と、母父のパワーを兼備しているのがこの馬の長所だ。今回は宝塚記念以来のレースで、トモがパンとしていた前走と比較すると、今回はやや膨らみに欠ける印象がある。筋肉の輪郭はハッキリと浮いておりムダ肉はほとんど感じられないが、ひと叩きして良くなりそうな雰囲気。狙うなら次か。
今週のイチオシ

ユーキャンスマイル

(牡4、栗東・友道厩舎)

キングカメハメハ
ムードインディゴ
母父ダンスインザダーク
通算成績12戦5勝
重賞勝利 19年新潟記念(G3)
19年ダイヤモンドS(G3)
連対時
平均馬体重
485kg (最高:496kg)
(最低:476kg)
前走時馬体重496kg
POINT
全体の骨格に対して胴周りも伸びがあり、3000m級のレースで良績を残している点も納得できる。筋肉量が豊富な馬が多いキングカメハメハ産駒ながら、シャープな面も感じられる素軽い体型をしているからこそ、新潟記念で2000mのスピード勝負にも対応できたのだろう。ゆとりのある胴、長い四肢は持続力勝負向き。天皇賞(秋)は平均ペース以上で流れた場合、持続力タイプに有利なレースとなる傾向があり、今年はアエロリット、スティッフェリオと比較的強力な先行馬が顔を揃えた。それぞれが自身の競馬を主張したならば、この馬向きの流れになるはずだ。昨秋から馬体の成長が著しく、筋肉の輪郭や馬体の張りはグングン良化している。キ甲にも伸びが感じられ、成長期を迎えている印象がある。早くからこのレースを目標としていたこともあり、ムダ肉のない引き締まった仕上がり。筋肉の張りも申し分ない状態で、G1のココでも要注目。
今週のイチオシ

ワグネリアン

(牡4、栗東・友道厩舎)

ディープインパクト
ミスアンコール
母父キングカメハメハ
通算成績9戦5勝
重賞勝利 18年東京優駿(G1)
18年神戸新聞杯(G2)
17年東京スポーツ杯2歳S(G3)
連対時
平均馬体重
452kg (最高:460kg)
(最低:450kg)
前走時馬体重472kg
POINT
後肢が長い分トモ高に映るシルエットだが、キ甲が伸びたこともあって以前ほど前傾重心になっていない。元々整っていた体躯のバランスがより良化してきた印象で、完成度が高まって来たと見て良いだろう。背中が短く、腹側が長く見える胴周りは伸縮力に長けた構造で、戦績からも分かるようにこの馬の最大の持ち味はやはり鋭く切れる末脚。ペースが速すぎると持ち前の瞬発力が生きない展開になってしまう場合もあるが、それを差し引いて考えても余るくらいデキが素晴らしい。元々皮膚を薄く見せる馬で、後肢の下腿部を見ると一目瞭然。網目状に血管が浮き上がっており、馬体の張りは過去の立ち写真と比較しても、今回が一番良く見える。札幌記念から間隔は開いたものの、肋骨が薄っすら感じ取れる理想的な仕上がりで、休み明けの影響は皆無。毛艶も光り輝いていて代謝の良さを示しており、文句なしの好仕上がり。状態面では出走メンバー中トップの評価を与えたい。
出走予定馬すべての立ち写真が掲載されるとは限りません。
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