競馬専門紙にて記者として30年余り活躍。フリー転身後もその情報網を拡大。栗東の有力ジョッキーとの間には、 他と一線を画す強力なネットワークを築く平林氏が、現場ならではの視点でレースを分析します。
【札幌記念】今年のキーポイントはG1牝馬
2020/8/18(火)
今年のキーポイントはG1牝馬。8月2日にあったクイーンステークスがG3。別定重量で、もし出走すればラッキーライラックは67キロ、ノームコアは58キロとなって論外。
ラッキーライラックはすでに札幌で時計を出している。ノームコアは1週前に美浦で追い 切り。直前追いは出来ない日程だろう。
この2頭の対決は、昨年のヴィクトリアマイル。ノームコアがレーン騎手で勝利したが、1番人気のラッキーライラックは石橋騎手で4着だった。ラッキーライラックはその時を最後にマイル戦は使わなくなり、距離延長をしている。ノームコアは逆に2000芝は19年の1月以来となる。
2年前の2着馬マカヒキ。約2年ぶりの勝利が函館記念のアドマイヤジャスタ。ルメール騎手はポンデザールでと今年も面白い。
【小倉記念の回顧】
20年8/16(日)2回小倉2日目11R 第56回 小倉記念(G3、芝2000m)
- アールスター
- (牡5、栗東・杉山厩舎)
- 父:ロードカナロア
- 母:ウェーブクイーン
- 母父:サツカーボーイ
小倉記念(G3)の結果・払戻金はコチラ⇒
1週前に特別登録。月曜にハンデ発表。その斤量を書き込んでいる時に気がついたのが、格上挑戦なのに付けられていると思ったのがアールスターとショウナンバルディ。
ミスディレクションは勝ち上がって54キロだが、前述の2頭は条件のままで53キロ。またサトノガーネットが牝馬で55キロ。これはトップハンデ・タイの57キロとなる。重賞ウイナーだから当然なのか。そこをもっと追及しておけばと、今だから思えるもの。あらためてハンデキャッパーの仕事ぶりに恐れ入った。ゴール前で横一線を目指してのハンデ競馬は判ってはいるが、それにしてもである。
颯爽とゴールへ駆け抜けるアールスター。これが条件馬なのかと思える驚きで見送った。大外から突っ込んできたサトノガーネットも流石の脚を見せた。ミスディレクションの早々の脱落、52キロとは恵まれ過ぎと思ったサマーセントは4角手前で圏外の脚色。もう1頭のハンデ頭、ロードクエストは4角先頭。そこを我慢したランブリングアレーは直線半ばで先頭もそこから伸びなくなる。サトノルークスは何もなく終わった。
道中、最後方とブービーの馬が2,3着。だが勝ったアールスターはちゃんと勝つ位置で競馬していた。前から6頭目、ウチラチ沿いでは3番手。ロスなく廻ってきて最後はタニノフランケルの内から鋭く伸びた。長岡騎手が付きっきりで稽古とゲート再審査をしたらしい。
京都開催を終えて阪神開催に入り、宝塚記念だけ2番人気クロノジェネシスの勝利。マーメイドS、7番人気サマーセント。鳴尾記念、10番人気パフォーマプロミス。宝塚の次の週、CBC賞では13番人気ラブカンプーの勝利。プロキオンSは5番人気サンライズノヴァ。中京記念は、何と18番人気のメイケイダイハードと荒れに荒れた。
新潟を挟んでの小倉開催でも、その流れは変わらず。《負けには必ず理由がある》は野村元監督。そこらを突き詰めないと紙屑となった馬券代が悲し過ぎると。
プロフィール
平林雅芳 - Masayoshi Hirabayashi
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、その情報網を拡大し、栗東のジョッキーとの間には他と一線を画す強力なネットワークを構築。トレセンおよびサークル内ではその名を知らぬ者はいないほどの存在。