カンタービレ

18年9/16(日)4回阪神4日目11R 第36回ローズS(G2)(芝外1800m)

  • カンタービレ
  • (牝3、栗東・中竹厩舎)
  • 父:ディープインパクト
  • 母:シャンロッサ
  • 母父:Galileo
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ディープインパクト産駒が出走馬15頭中10頭と、過去に見た事がないほど。ただ、桜花賞、オークスで3着に入った馬がいないのも珍しい牝馬3冠めの秋華賞のトライアル戦。オークス6着のサトノワルキューレが圧倒的な人気も当然か。そのサトノワルキューレは終始、後ろのイン。直線に入るまで内目のまま。外へ隙間をみつけて追いだしては来たが、伸びがもうひとつ。
逃げたゴージャスランチのすぐ後ろでレースを進めたルメール騎乗のカンタービレ。直線入口で先頭に立って、そのまま押し切った。
2着にはスタートで後手を踏んだサラキア、3着はインからラテュロス。この3頭が秋華賞への優先出走権を掴んだ。

久々に青空が姿を現した日曜日、温度も30度近くまで上がりむし暑さまで感じる。3連休の中日で、競馬日和である。秋を迎えた乙女たちの戦い。馬体を大きく増やした馬もいて、いい夏を過ごしたようでもある。
押し出されるような形で人気のサトノワルキューレだが、Mデムーロが新馬から乗り続けている馬だけに期待度も判る。馬体はプラスマイナス0で、春と数字は一緒。パドックでの気配もまずまずで悪くはなさそうだ。そのサトノワルキューレ、スタートで左右から挟まれたのか、少し控える形となってしまった。最後方はスタートが今ひとつのサラキア。だがこの馬はいつも出が上手くない様である。好発はカンタービレ。内からオールフォーラヴが出て行く。ゴージャスランチ、トーセンブレスとダッシュ付いて前へと出てくる。

ゴージャスランチが先頭となって1ハロンを過ぎる。オールフォーラヴが2番手で、内からウスベニノキミが顔を出してくる。そのまま2番手に上がる。ゆったりの入りの、前のグループ。3番手のオールフォーラヴがやや行きたがっているぐらい。
3Fが近づこうかというところで、外からスーッとカンタービレが順位を上げて2番手となる。サラキアはいつの間にか位置を上げて、中団の後ろにいる。サトノワルキューレは後方で、隣にウラヌスチャームが蓋をしている。そんなに縦長の隊列でなく、密に連なる馬群である。
ゴージャスランチにピタッとくっ付いて行くカンタービレ。半馬身の差で続く。後ろから外をマクって行く馬もなく、静かなまま最終カーブへと入って行く。思わずサトノワルキューレの位置を観て、《ミルコ、どうするんだ、どこへ出すんだ!》と心の中で叫ぶ。外へと出して行く気配のないまま、最後のカーブへと入ってきた。

前はいつのまにかゴージャスランチを交わして、カンタービレが先頭となっていた。外めをフィニフティが上がってきた。前は橙の帽子が2頭。それも外のカンタービレが持ったままで直線へと入ってきた。Mデムーロは、内ラチを離れ少しだけ外へ出す。馬群の切れ目を探すのだろう。
センテリュオとスカーレットカラーの間が空く。そこへ入ってさらに外へ。トーセンブレスとフィニフティの間をこじ開けてスペースを確保。外から来たウラヌスチャームと馬体を接する。内を廻っていたサトノワルキューレ、外を通ったウラヌスチャーム。当然にサトノワルキューレの伸びがいいだろうと思ったが、ジワジワと伸びるのはウラヌスチャームの方。この2頭のかなり前をカンタービレが突っ走る。
サラキアが伸びて、カンタービレとの差をだいぶ縮めた。ゴージャスランチが粘るところを、ラチ沿いのラテュロスが伸びて3着。サトノワルキューレは6着と思いの他、伸びを欠いた。

カンタービレは、流れを読んだルメールの好騎乗での勝利でもある。オークスの13着をも考えると、距離は1800がベストなのであろう。サラキアのスタートは気にしない方がいい様だ。その後の修正力も起動力もあり、しっかりした末脚を持っている。流れひとつでは十分にトップを狙える馬だ。
ルメールは萩原厩舎のノームコアの脚を十分知っているし、カンタービレの背中も知った。そして何よりも3歳世代トップのアーモンドアイとのコンビで3冠を狙う。クリストフ・ルメール。充実の秋である。