競馬専門紙にて記者として30年余り活躍。フリー転身後もその情報網を拡大。栗東の有力ジョッキーとの間には、 他と一線を画す強力なネットワークを築く平林氏が、現場ならではの視点でレースを分析します。
【フェブラリーS】やはり若い力が優位
2021/2/16(火)
東のカフェファラオは、強い時とそうでもない時の差が大きい。ちょっと信頼性に欠ける人気馬である。西ではレッドルゼルに勢いがある。ロードカナロア産駒のダート重賞初勝利と好調な安田隆厩舎と、鞍上 川田騎手のコンビである。
ただトライアルである根岸Sは、どちらかと言うと差し馬が断然優位な結果が多い。流れが速く、終いも切れが要求されるからだと思える。ところがフェブラリーSは一昨年のインティの逃げ切りや、コパノリッキーの連覇とか、強い先行馬が押し切るシーンも多い。もちろん前半の入り次第なのは何時でも一緒だろう。
サンライズノヴァが何度かチャレンジしているが、昨年の3着が最高。やはり若い力が優位。レッドルゼルにチャンス到来だ。
【京都記念の回顧】
21年2/14(日)1回阪神2日目11R 第114回 京都記念(G2、芝2200m)
- ラヴズオンリーユー
- (牝5、栗東・矢作厩舎)
- 父:ディープインパクト
- 母:ラヴズオンリーミー
- 母父:Storm Cat
京都記念(G2)の結果・払戻金はコチラ⇒
1.8倍の圧倒的な1番人気のラヴズオンリーユーが応えて勝った。結果だけをみればそう言えるのだろうが、何か物足りなさを感じるものであった。もっと楽に簡単に勝てていいはずの相手関係だっただろう。
2番人気のワグネリアンは今回がノドの手術明けの一戦であり、以前のあのあふれるパワフルな走りが戻っているのかが問われた。それ以外の馬では勝つと言うイメージがなかなかに沸かない面々と言ったら失礼か。とにもかくにもG2とは言え、ちょっと小ぶりなメンバー構成。ワグネリアンとどちらが勝つかの接戦をして欲しかったのだが。
忘れな草賞からオークスへ勝利と昇りつめたが、まだ素質だけでの勝利だった3歳春のラヴズオンリーユー。古馬になって馬体を大きく増やしだしたが、結果はまだまだ伴ってこなかった。乗り難しい馬のイメージを感じていた。だから今回の鞍上の変更なのだろうと勝手に解釈をしている。その新たなパートナーの川田騎手が3週間、稽古に乗って微調整をしたとあった。
スタートから絶好のポジションどりをして流れに乗る。レースが動いたのは向こう正面。ワグネリアンと同じ様な後ろめにいたジナンボー、インコースをスルスルと順位を上げる。3角手前では、ラヴズオンリーユーのすぐ内目にいた。それでも中団の少し前。逃げたハッピーグリンの2番手を進めたステイフーリッシュが4角手前で先頭に立ち、そのまま押し切るかの勢い。
あと1ハロンを過ぎても、まだラヴズオンリーユーはステイフーリッシュを抜けない。あと50あたりでやっと前に出たラヴズオンリーユー。そこから1馬身少しの差をつけたのはさすが。
粘るステイフーリッシュにダンビュライト、ジナンボーが2着争いを展開したがステイフーリッシュが粘りきった。ワグネリアンはジワジワと脚を伸ばした程度で、ダンスディライトを交わしての5着。モズベッロは後方のまま。
ラヴズオンリーユーには待望の勝利。そして今年も戦いがいよいよ始まった。
プロフィール
平林雅芳 - Masayoshi Hirabayashi
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、その情報網を拡大し、栗東のジョッキーとの間には他と一線を画す強力なネットワークを構築。トレセンおよびサークル内ではその名を知らぬ者はいないほどの存在。