競馬専門紙にて記者として30年余り活躍。フリー転身後もその情報網を拡大。栗東の有力ジョッキーとの間には、 他と一線を画す強力なネットワークを築く平林氏が、現場ならではの視点でレースを分析します。
【新潟記念】サマー2000シリーズ最終戦。今年の注目は七夕賞組か
2022/8/29(月)
もっともそんなものが欲しくて戦っている訳でもない。今年も3歳馬の出走がある。過去10年で6回出走がある3歳馬だが優勝は4年前のブラストワンピースだけ。1番人気になった3歳馬は他の年にも居たが勝利へと結びつけられてない。今年の注目はやはり七夕賞の1,2着。エヒトとヒートオンビート。エヒトは一気に3キロ増の57。ヒートオンビートは据え置きでの57。一見、エヒトが分が悪そうだが、中間も稽古バリバリ。前走で大きく脱皮した感がある。ここも注目だ。
【キーンランドCの回顧】
22年8月28日(日)札幌11R キーンランドC(G3、芝1200m)
- ヴェントヴォーチェ
- (牡5、栗東・牧浦厩舎)
- 父:タートルボウル
- 母:ランウェイスナップ
- 母父:Distant View
- 通算成績:12戦6勝
- 重賞勝利:
- 22年キーンランドC(G3)
24時間TVが気になる。加山雄三さんの歌う姿を観たい。どうも今回で番組を卒業らしい。チャンネルを動かしながらの観戦である。気になるのが芝の状態で土曜から内を避けているケースが多い。ひとつ前の同距離の9Rで逃げた馬が直線の真ん中に出して来ていた。それでも外から差された。時計が1・09・2もかかった。ダメージがだいぶ進んでいる様だ。
外のレイハリアが好スタート。真ん中のオパールシャルムがジワっと出てくる。しかし内へ入らぬ。2頭分ぐらい開け先頭。外のレイハリアも差はない。内では最内ヴァトレニがジワジワと前めに出てくる。2F通過時はオパールシャルムとヴァトレニが内外を離れて先頭。ここで23・1だから早くない。最後方はエイティーンガール。脚質的にこの位置だ。その少し前の内にヴェントヴォーチェ。いつの間にか最内に居た。
次の3F通過が34・5。先の9Rよりかなり遅い。少し内のヴァトレニが前に出たか。4コーナーに入る処で全体がしっかり見える。オパールシャルムはだいぶ外を廻っていた。その内にウインマーベルが入ってきた。内ラチ沿いにヴァトレニともう1頭だけ。3、4頭分開いて横へ大きく広がる馬群。カーブ前には内に居たヴェントヴォーチェがウインマーベルのま後ろに居た。
後1F、まだ先頭はラチ沿いのヴァトレニ。ウインマーベルがジワジワと迫る。ジュビリーヘッドは馬群の中で進路がない。後100、ウインマーベルの内をヴェントヴォーチェが先にヴァトレニに追いつく。ルメールの左ステッキが唸る。ウインマーベルが伸びてヴァトレニを交わす。大外をトウシンマカオがいい脚も前までは無理。馬場の真ん中を選んだ馬の1,2着。久々に観たルメールの巧みなさばき。函館の後に新潟へ、そして札幌と強行軍だったが鞍上の巧みな誘導で重賞初勝利を飾ったヴェントヴォーチェ。サライが流れる中の観戦だった。
プロフィール
平林雅芳 - Masayoshi Hirabayashi
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、その情報網を拡大し、栗東のジョッキーとの間には他と一線を画す強力なネットワークを構築。トレセンおよびサークル内ではその名を知らぬ者はいないほどの存在。