秋の最初のGⅠ、スプリンターズステークス。過去10年の勝ち馬を観ても種牡馬になっている馬が数頭も居るラインナップ。やはり速い馬は強い様だ。今年も快速馬が揃って面白い顔ぶれである。

速さなら3歳牝馬、テイエムスパーダ。小倉の1・05・8はかなり速い。ここも思いっきりいい逃げとなる筈。3歳馬はもう2頭、ウインマーベルとナムラクレア。特にナムラクレアはサマースプリント王者とはなったが前走の北九州記念はいただけない内容だった。鞍上の迷いで直線は進路を探す消化不良な競馬。あれは馬に申し訳ない筈で今回は鬱憤を晴らす騎乗が求められる。

そしてますます極めるメイケイエール。どんどんと成長して結果を残すメイケイエール。以前のどうにも止まらない行きっぷり、気性から来るものだったが今は鞍上の指示を待つ姿勢である。いちばんゴールに近い馬だろう。ナランフレグ、タイセイビジョンは虎視眈々と出番を待つ。

【オールカマーの回顧】

22年9月25日(日)中山11R オールカマー(G2、芝2200m)
  • ジェラルディーナ
  • (牝4、栗東・斉藤崇厩舎)
  • 父:モーリス
  • 母:ジェンティルドンナ
  • 母父:ディープインパクト
  • 通算成績:15戦5勝
  • 重賞勝利:
  • 22年産経賞オールカマー(G2)


台風15号も日曜の競馬には思ったより影響なく消えていった。数分前に終えた神戸新聞杯。勝ち馬の伸びは鋭いものであったが2着馬の激走、武豊Jの決め打ち騎乗でしっかりと菊出走権を確保。走った馬と走らなさ過ぎた馬のちょっと驚きの結果ではあったが、噛みしめる間もなくオールカマーがスタートした。

いち押し馬のテーオーロイヤルの秋緒戦のここが距離的に大丈夫なのかと頭をかすめてはいた。スタートで大外のバビットが上にポンとその後に外へ流れた。その後は勢いづいて先頭に出て行く。1年7ケ月ぶりの実戦だが鞍上は横山典J、なるほどなと。テーオーロイヤルは外めの3、4番手。これは予測どおりだがデアリングタクトは真ん中より後ろめで位置が悪い。

先頭のバビットは淡々と3コーナーを過ぎる。4コーナーでテーオーロイヤルはカーブの廻り方が大きい。横一列となった2列めに内からウインキートスが追いつく。中山はここがポイント。

直線の坂でも逃げたバビットの勢いは衰えない。テーオーロイヤルはもどかしい伸び。内めを突く馬の伸びがいい。ウインキートスとラチの狭い間をジェラルディーナが突っ込む。ウインキートスを抜いてバビットとの小さな空間もスルリと抜けた。

ジェラルディーナの鞍上、横山武史Jはゴール過ぎて派手なガッツポーズ。思わずパドックで入れ込みが激しくで皆が行った最後にパドックを後にしていた。紙面に《うるさい》と書いたほど。2着のロバートソンキーは直線では内から少し外へ出してテーオーロイヤルの内を鋭く抜けて行った。その勢いにテーオーロイヤルは外へ弾け飛ばされそうに見えたほど。勝ち馬も2着馬も8月の夏競馬を使っていた。その意味合いをレースを終えてから気がつくとは情けない。1着から4着は道中では内め、ラチが落とす影の中を走っていた。中山らしい内々の決着。そこを読まない限り馬券的中に近づけない。