競馬専門紙にて記者として30年余り活躍。フリー転身後もその情報網を拡大。栗東の有力ジョッキーとの間には、 他と一線を画す強力なネットワークを築く平林氏が、現場ならではの視点でレースを分析します。
【京都金杯・解説】今年も若い力、パクスアメリカーナが好発進!
2019/1/8(火)
19年1/5(土)1回京都1日目11R 第57回 京都金杯(G3)(芝外1600m)
- パクスアメリカーナ
- (牡4、栗東・中内田厩舎)
- 父:クロフネ
- 母:グローバルピース
- 母父:サンデーサイレンス
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昨年も3歳馬の勢いが凄かった。若い力、勢いはまぶしいほどだ。今年最初の重賞、京都金杯。人気を3分したのもその若い世代。パクスアメリカーナにカツジ、そしてサラキア。失礼、圧倒的人気に近いのがパクスアメリカーナ。好発から4列目で脚を十分に貯めて、直線あと200からステッキ2発だけ。着差以上の強さで重賞初制覇を飾った。まだ今日で7戦。今年のマイル路線に新たな勢力が誕生した。
スタートでカツジが後ろになった。PVで見ると、出てから躓いた様である。内々から上がって行くが、そうは前には行けない。そして流れは1000mが59.3のゆったりな流れだ。
こんな時には内で脚を貯めている馬の方が直線では伸びるものなのだが、好発から好位置でレースをすすめたパクスアメリカーナ。馬群の一番外ながら、いつでも動ける位置。すぐ目の前にはマイスタイル。今日は枠順もあって4番手、前から2列目の外だ。やや行きたがる素振りは見せているが、許容範囲なのであろう。
そのまま4角まで来た先行集団。前を行っていたツーエムマイスターにアサクサゲンキは、結果的に脱落したのは距離であろう。
マイスタイルが前へ出て、すぐにパクスアメリカーナが外からいちばん前に出る。その時に鞍上の川田騎手はステッキを2発入れる。少し前に出たパクスアメリカーナ。あとは手綱をしゃくる、まとめる操作でゴールを過ぎるあたりではほぼ馬なり。余裕さえ感じられるものであった。
マイスタイルが2着で、馬群の中からいい脚を使ってきたミエノサクシードが、やはり追い上げてきたアドマイヤアルバに先んじての3着。中団の内にいたサラキアは7着、スタートで安めを売ったカツジはその後の8着。
開幕日の芝ながら、外からの前々でレースをした馬の決着。おそらく枠が内なら、よりこの2頭が強い競馬をしたのではないかと思えるものだった。
パクスアメリカーナは、デビュー戦は新潟で1番人気の支持ながら4着。内へササっていたとのコメントだった。2戦目の阪神で3着時には真っすぐ走ったとの談である。3戦目の初勝利時には12キロ絞っての馬体。そして3歳になった2月にこぶし賞で連勝。後のG1馬、ケイアイノーテックを破っての勝利だった。次いでアーリントンCではタワーオブロンドンの半馬身負けの2着。
そしてG1のNHKマイルCで6着。直線で内に寄られる不利があった模様だが、どうも左廻りに若干に少し気をつかうところがあるようだ。そこから7ケ月ぶりの12月にオープン特別を勝ち、今年の金杯へと駒を進めてきたもの。
まだ少し入れ込むところとか課題はあろうが、動ける時に動ける脚質からも競馬は組み立てやすい。これからもっと強力な馬と左廻りとテーマはあろうが、G1へも近づける馬だろう。
プロフィール
平林雅芳 - Masayoshi Hirabayashi
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、その情報網を拡大し、栗東のジョッキーとの間には他と一線を画す強力なネットワークを構築。トレセンおよびサークル内ではその名を知らぬ者はいないほどの存在。