競馬専門紙にて記者として30年余り活躍。フリー転身後もその情報網を拡大。栗東の有力ジョッキーとの間には、 他と一線を画す強力なネットワークを築く平林氏が、現場ならではの視点でレースを分析します。
【有馬記念】調べる程にますます混戦模様
2024/12/23(月)
夏の王者、マジックサンズ、4角先頭から最後は内外離れての追い合いでハナ勝ち。2着はあの阪神JF勝ちのアルマヴェローチェ。約4月ぶりと初の輸送競馬と課題はあるが面白そうな馬。もう1頭、2戦2勝のマスカレードボール。道中は若さある感じだったが直線はいい姿勢での勝ち。2着ピコチャンブラックも出ている。
そしてアマヒキ。逃げる形になってゴール前で一旦抜かれた相手を差し返した。その2着馬ロジャリーマインは先週に勝利と相手関係もいい。負けている組ではジョバンニ、2戦ともエリキング相手では仕方なし。外々を廻ってで決して悪くない。武豊Jはヤマニンブークリエでレース初勝利を狙う。調べる程にますます混戦模様だ。 【有馬記念の回顧】
24年12月22日(日)中山11R 有馬記念(G1)芝2500m
- レガレイラ
- (牝3、美浦・木村厩舎)
- 父:スワーヴリチャード
- 母:ロカ
- 母父:ハービンジャー
- 通算成績:8戦3勝
にわかに大混戦模様になった今年の有馬記念。枠の並びからもダノンデサイルの先手は読みどおり。ベラジオオペラが2番手をガッチリで流れは必然的にスロー。向こう正面では外をあがる馬が出るだろうが、ダノンデサイルより前には出れない筈と。
スタートでプログノーシスとアーバンシックが遅れた。ひとより早く出てもいい加減なのに遅れてはいいものでない。アーバンシックはラチ沿いから順位をあげて行ったが、もうひとつ前で競馬をしたかった筈。2コーナー過ぎに外のローシャムパークが折り合えず何度か頭をあげた。この遅い流れでも脚を貯めれないと終いで伸びるわけがない。
あと1000から11秒台のラップ。内々の絶好位で進めたレガレイラ。大外枠から3列めで構えれたシャフリヤール。この2頭が並んでの追い合いとなった。ゴール前は僅かに内のレガレイラが出た様に見えた。ダノンデサイルが粘って3着、ベラジオオペラが4着は流れからも当然。
ジャスティンパレスが終い伸びてはきたが届く位置で進められてなかった。スターズオンアースは早くなった3コーナー過ぎからついて行けず。昨年とは雲泥の出来だったのか。3歳馬が3頭出走で牝馬のレガレイラが勝利。いろんな経験をしてきたのがここで実を結んだ形だ。
父スワーヴリチャードはハーツクライ産駒。母系はディープインパクトの血筋。《うん?、母の父がハービンジャー?》とどこかで見たと新聞を見直す。そうだった、アーバンシックだ。父も同じスワーヴリチャード、母のエッジースタイルとロカは姉妹、ウインドインハーヘアの孫だ。
2着シャフリヤールもディープインパクトの血。勝ち馬はハーツクライとディープインパクトのどちらも入っている。歴史はこうやって繋がるのかと。今頃知ったのかと怒られそうだ。ファンは本当にお目が高いです。
プロフィール
平林雅芳 - Masayoshi Hirabayashi
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、その情報網を拡大し、栗東のジョッキーとの間には他と一線を画す強力なネットワークを構築。トレセンおよびサークル内ではその名を知らぬ者はいないほどの存在。