19年11/17(日)5回京都6日目11R 第36回 マイルチャンピオンシップ(G1)(芝外1600m)

  • インディチャンプ
  • (牡4、栗東・音無厩舎)
  • 父:ステイゴールド
  • 母:ウィルパワー
  • 母父:キングカメハメハ

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直線で先頭のダノンプレミアムに内から寄せて行ったかの様にインディチャンプが近づく。先に相手が追っているのにまだ追わない。池添騎手が追いだしたのはあと200を切ってから。ステッキ3発を連打し、最後にもう一度だけ入れた。1馬身半の着差だがその差は歴然たるもの。ダノンプレミアムがペルシアンナイトの猛追を堪えて、何とか2着。インを突いたダノンキングリーは、逃げたマイスタイルをも交わせなかった……。

パドックで気がついたことがあった。京都はほぼ真ん丸のパドックだがその内側には芝がある。そこに出走馬のオーナー関係者が集って愛馬を眺めるのだが、その芝生の上に番号がふってあった。1から17までの数字が置いてあった。パドックの当初は少なかったが、周回を重ねるうちにどんどんとそこへも人が増えていった。いつからこれをしだしたのかは知らないが、上から見ていてもスッキリとしていて馬も見やすい。これはいいな~と。

ダノンキングリーは、3歳馬ながら堂々たる周回。ダノンプレミアムは時折、チャカつくとこはあるものの、いつもよりおとなしい方だろう。マイスタイルが時々、後ろに蹴りを入れる。大方の馬が落ち着いて周回している。モズアスコットはいつもながらの馬体。もっとよく見せて欲しい馬だが。インディチャンプとペルシアンナイトがよく見えていた。インディチャンプは、もりもりはち切れんばかり。ペルシアンナイトは静かながら闘志がにじんみ出ているかの感じ。この馬から少しだけ買いたいな…と。

いつものようにレイエンダが先入れ。先入れは2頭いた。馬場入りして歩いてゴールまで来てくれる馬の少ないこと。すぐに左へとキャンターで行ってしまう馬が多いこと。もう少しファンサービスでしっかりと馬体を見せて欲しいものだが。今日はかなり高いところからの観戦だ。スタート地点もしっかりと見える。

マイスタイルが先手を取るまでに少し時間はあったが、一応スンナリと先手となる。ダノンキングリーも、後手は踏まなく好位置で納まる。マイスタイル、グァンチャーレは予想どおりの流れ。フィアーノロマーノを前にしてダノンプレミアムがいて、それを見る形でインディチャンプが馬群の中。スタートで少し後手を踏んだペルシアンだが、中団の後ろぐらいの内目にいた。少し気が位置をと取りに行ったようだ。淡々と流れるが前半3Fが35.5で、そのあとも11秒台は続くが速くはない。そしてジワーっとダノンプレミアムが4コーナー手前で前へと並んで行く。

直線に入ってきて、ポカっと空いた空間を過ぎて再び内に白いラチが見えだした時ぐらいに、先頭のマイスタイルの田中勝騎手がチラっと外を見る。その外ではダノンプレミアムの姿が視界に入ったはず。その内へと上がってきたのが、インディチャンプ。馬の首をそのダノンプレミアムの方へと向けて接近していく。あと200、まだ先頭はマイスタイルだが外の2頭の勢いがいい。特にインディチャンプ。左ステッキで一、二、三と入れる。完全に先頭に立って勝利を確定したゴール少し前にもう一度、ステッキを入れる。これは最後の締めなのだろう。

ゴールを過ぎて少しして、頭を左右に振る池添騎手。おそらく切れ味にしびれていたのだろう。それから、やおら顔を天にあげて指を1本かかげた。これはいつも見られる彼の勝利の儀式だ。春の安田記念に続いての春秋の勝利である。ダノンプレミアムは完敗だった。ダノンキングリーにはいつもの勝負強い伸び脚がみられなかった。何かが違うのだろうか。そして火曜朝、坂路で音無師に聞いた。

つぎつぎと入室して来る厩舎関係者から祝福される音無師。一段落ついた時に聞く。《香港は来てないんですか?》と。すると『もう行きますって返事してあるよ。締め切りの時間があったからね』と、やはり気になるのはジョッキーのこと。それは『クラブから発表があると思うよ』で、朝の段階では教えてくれなかった。何よりもが木曜から検疫に入って、来週の金曜には出国。それまでに香港に行けるか否かの判断がくだされるらしい。

いろんな事が競馬の前に立ちはだかっている。直線でダノンプレミアムに寄って行ったことも、どうやら事実だった様だ。そうそう、パドックの件は友道師が教えてくれた。この秋からあの方式になっているそうだ。知らなかった。