競馬専門紙にて記者として30年余り活躍。フリー転身後もその情報網を拡大。栗東の有力ジョッキーとの間には、 他と一線を画す強力なネットワークを築く平林氏が、現場ならではの視点でレースを分析します。
【中山記念】怖いのは唯一の4歳馬…
2020/2/25(火)
G1馬が5頭と豪華版だ。2連覇中のウインブライトが、松岡騎手の負傷で乗り替わる今回。ここからドバイ(3月28日)に香港(4月26日)のプランの様であり、今年の初動となるだけに注目の1戦である。昨年はここから香港と連勝。さて今年はどんな状況か、最終追い切りが待たれる。
関西馬インディチャンプは、ここから香港行が発表されている。1週前に福永騎手が乗ってハードに仕上げてきた。ただマイルとそれ以上とは切れが違う。そこらが問題となる今回だ。
ラッキーライラックは、水曜にMデムーロが乗って追い切る。先週きつめにやっており、最終チェックか。昨年がウインブライトにクビ負け。府中牝馬も3着で、距離1800が悪いとは思えぬ。この後は大阪杯を予定だ。
もう1頭の関西馬ペルシアンナイトは、マイル路線にシフトされてきた。入着は十分も勝ち負けとなるとチョイ辛いか。怖いのは唯一の4歳馬ダノンキングリー。前走思いもよらぬ負け。今回が正念場だろう。
【フェブラリーSの回顧】
20年2/23(日)1回東京8日目11R 第37回 フェブラリーS(G1)(ダ1600m)
- モズアスコット
- (牡6、栗東・矢作厩舎)
- 父:Frankel
- 母:India
- 母父:Hennessy
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1000mを58.7の流れ。ワイドファラオが発馬を決め行くが、内からアルクトスもけっこう行く気で行っての流れ。息の入らない流れとなる。インティのスタートがタイミング合わず、その後もすっと行けずで、位置も思ったところでない位置。前回で好感触を得た好位待機策もできない。真後ろにいるモズアスコットが絶好な手応えで前を行くインティを見る最高の形。結果はモズアスコットとその後ろにいた馬がこぞって上位に来ているように、淀みのない流れで先行馬には苦しく差しの競馬となった。
そして昨日土曜日のダイヤモンドSでの最低人気馬の激走に驚いたばかりなのに、今日も16番人気が2着と好走。もっともケイティブレイブが最低人気だったのも知らなかったぐらい。ワンダーリーデルが2着かとモズアスコットの後を眺めていたのだが、ワンダーリーデルがそう伸びないのに同じピンク帽の馬がよく伸びる。思わず新聞を見直したぐらいだった。
その時点で馬券は外れ。3着にサンライズノヴァが来ようと何が来ようと、相手馬にケイティブレイヴは入っていない。ケイティブレイヴの存在が完全に頭から抜けているいた。G1戦線を何度も戦ってきた歴戦の雄である。フェブラリーSを昨年こそドバイ遠征で出走はしていないが、過去に二度出走の馬で実績が違う。実力ある馬をまったく無視してしまう。そこが悔しくてたまらない。
サンライズノヴァもワンダーリーデルも十分に視野に入っているのに、ケイティブレイヴだけを見逃している。こんなもったいないことはない、と悔やんでも悔やんでも尽きない。
それにしてもモズアスコットは強かった。PVで見るとインティの内め、ヴェンジェンスの横をスルリと抜けた直線。ルメールの右ステッキが2発。そして後ろをチラっと観てからさらに1発。まさしくダート巧者である。芝とダートのダブルG1勝利。これからますます強くなりそうな雰囲気。矢作厩舎とルメールの勢いがもう止まらない!
プロフィール
平林雅芳 - Masayoshi Hirabayashi
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、その情報網を拡大し、栗東のジョッキーとの間には他と一線を画す強力なネットワークを構築。トレセンおよびサークル内ではその名を知らぬ者はいないほどの存在。