競馬専門紙にて記者として30年余り活躍。フリー転身後もその情報網を拡大。栗東の有力ジョッキーとの間には、 他と一線を画す強力なネットワークを築く平林氏が、現場ならではの視点でレースを分析します。
【天皇賞・春】阪神大賞典が鍵、穴馬は…
2020/4/28(火)
やはり阪神大賞典が鍵となろう。キセキが一人相撲みたいになってしまった。どうもアーモンドアイと戦った一昨年のJC時のキセキではない様だ。関西馬ではユーキャンスマイルが筆頭だろう。昨春よりも馬体も充実していると思える。中間の稽古も満足のいくものと思える。
ミッキースワローは、関西圏では2度の出走。まだ結果は出ていない。当然にフィエールマンか。4戦目で菊花賞、6戦目で天皇賞・春優勝は凄い実績だ。鞍上ルメールもいつもの流れに戻ってきている。
東のフィエールマン、西のユーキャンスマイル。穴は前走で見所十分のタイセイトレイル。
【マイラーズCの回顧】
20年4/26(日)3回京都2日目11R 第51回 マイラーズカップ(G2、芝外1600m)
- インディチャンプ
- (牡5、栗東・音無厩舎)
- 父:ステイゴールド
- 母:ウィルパワー
- 母父:キングカメハメハ
マイラーズカップ(G2)の結果・払戻金はコチラ⇒
単勝1.6倍。インディチャンプの配当であるが、そこへズドンと百万ぐらい投資できるタイプかどうか。絶対に勝つと思っていてもそこへブチ込む勇気、資金力(ギャンブルへ注ぎ込むお金だ)があるのかどうか。2着探しのレースは1週前登録の時から判ってはいても、小銭扱いの者には頭が固いのなら相手探し、3連単へと行くのは自然の流れ。ただ自分が頭のなかで描いていた馬の支持が思ったほどでない。そこが気になりながらもパットへ入力していく。
ところが突然に競走除外を知らされる。相手の2番手と目論んでいたフィアーノロマーノである。馬券の払い戻しはあってもちっとも嬉しくない。配当が安くなったとかでなく、何となく嫌な予感がヒシヒシとくる。そしてゲートが開いた途端に、外れ感が押し迫る。
2番人気に支持されたヴァンドギャルドが画面から消えてしまった。そもそもヴァルディゼールが2着の筆頭と思っていたのに、ヴァンドギャルドほどに売れてない。馬券の売り上げはシビアだ。人気はけっこう結果に結びつくのを何度も知っている。
ランスオブプラーナが逃げる。そこは判っていても、ベステンダンクがこの位置で競馬をしているのが全然読めていない。さらに外れ感が増す。それもベステンダンクは前を行くランスオブプラーナをも上回る勢い。そこから少し離れてはいても、インディチャンプには絶好な位置だろう。相手と買っている馬がまだまだ後ろばかりで、その行きっぷりももうひとつ。
インディチャンプはあっと言う間に2頭を抜き去って行く。出遅れたヴァンドギャルドが大外を廻っていちばん伸びてくる勢いだが、内のベステンダンクを抜くほどでない。インディチャンプは見せムチで気を抜かせぬ騎乗でゴールを駆け抜ける。
こうやって、今日もまた負けてしまう馬券戦術なのである。インディチャンプが独壇場のレース。だが安田記念の参考レースにならないほどの相手関係。本番はもっともっと濃い相手のはずであろう。
プロフィール
平林雅芳 - Masayoshi Hirabayashi
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、その情報網を拡大し、栗東のジョッキーとの間には他と一線を画す強力なネットワークを構築。トレセンおよびサークル内ではその名を知らぬ者はいないほどの存在。