競馬専門紙にて記者として30年余り活躍。フリー転身後もその情報網を拡大。栗東の有力ジョッキーとの間には、 他と一線を画す強力なネットワークを築く平林氏が、現場ならではの視点でレースを分析します。
【オークス】関西馬優勢もまだまだチェックしたい要素あり
2020/5/19(火)
デアリングタクトは、道悪の桜花賞で大外を力強く駆け抜けた。2着のレシステンシアが距離を考慮し、NHKマイルCへと向かって2着。牝馬の2冠目は距離との戦いである。マイルの桜花賞はスピードの違いで押し切れる可能性も大。だがオークスは2400と、まずは距離の壁がたちはだかる。次元の違う馬がここを難なく通過し、秋華賞をも制して牝馬3冠を達成した先輩もいる。
父エピファネイアに初G1制覇の報告をしたデアリングタクト。ここも簡単にスルーして行きそうな逸材だ。そして新たな挑戦者がデゼル。3歳馬17頭が勝ち上がった友道厩舎のディープインパクト産駒。鞍上もヴィクトリアマイルは消化不良となったレーン騎手。
ただ枠順や当日の馬場状態と、まだまだチェックしたい要素がある。宿題はいっぱい。
20年5/17(日)2回東京8日目11R 第15回 ヴィクトリアマイル(G1)(芝1600m)
- アーモンドアイ
- (牝5、美浦・国枝厩舎)
- 父:ロードカナロア
- 母:フサイチパンドラ
- 母父:サンデーサイレンス
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「失礼しました!アーモンドアイ様」とまずはお詫びを申し上げねばならない。
リスグラシューの強さだけが目立った有馬記念。そこで思わぬ負け方を観てアーモンドアイも生き物、走れない時もあるんだと変な納得をしてしまっていた。国内最強馬と言われる彼女をたった一度の敗戦だけで全てを知ったかの様に判断して、今回もドバイ競馬が中止となって空振りの輸送、そして帰国しての一戦で昨暮れ同様なことがあろうと決めつけてしまい、勢いのあるサウンドキアラが初G1のチャンスとばかりに肩入れしての応援。
見事にルメールに直線あと50mで後ろを振り向かれるほどの大楽勝劇をまざまざと見せつけられて、馬券が紙屑(いや~、今は履歴で残るだけでした…)。自分で外れに行っているみっともない買い方で、今週も負け確定となりました。悔しいけれど、アーモンドアイはいつものアーモンドアイでした。
まずはスタート、今までで一番のゲートの出方と思えるぐらいにスッと出て、あの位置。外から前にサウンドキアラが入り、絶好のポジション。そして廻りから何もプレッシャーを受けない空間でじっと待機。4角もサウンドキアラが真後ろで通過。
直線あと400でサウンドキアラのすぐ外へ。あと200で先頭のトロワゼトワルを余力残しで交わす。そこから放った矢の様に、ビュンとゴールへまっしぐら。左手前に替えたのも画面に映っておりました。最後は止め気味なぐらいのゴール通過。それでいて昨年のノームコアのレコードにコンマ1秒。追っていたら完全に更新。
ノームコアはスタートの少しの後手が最後まで響き、ラヴズオンリーユーはもうひとつ伸びを欠き、プリモシーンも道中でもうギブアップの感じ。ただただアーモンドアイの強さを再確認しただけの牝馬限定戦でした。
このまま安田記念も秋の天皇賞も万全でしょう。失礼しました!
プロフィール
平林雅芳 - Masayoshi Hirabayashi
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、その情報網を拡大し、栗東のジョッキーとの間には他と一線を画す強力なネットワークを構築。トレセンおよびサークル内ではその名を知らぬ者はいないほどの存在。