関係者の素顔に迫るインタビューを競馬ラボがオリジナルで独占掲載中!

榎本優也調教助手

イメージほど右回りに不安はなし

-:ファンからすると、休み明けは走るけど、府中の方が中山よりイメージが良くて、開幕週でも雪の影響で馬場コンディションが、それほど良くない中山はあまり合わないのではないか、と感じていると思います。

榎本優也調教助手:気にはなりますが、東京しか走らないとか、左回りじゃないとダメ、などは無くしていって欲しいと思います。

-:実際は右回りでも勝っていますよね。

榎:そうなんですよ。全然大丈夫だと思っています。レースぶりにしても、ゲートさえ出れば無理にポジションを取りに行かなくても、そんなに後ろから行くこともなくなりました。今まではコーナーがあまり上手ではなくて、直線まで我慢させてという競馬が多かったのですが、天皇賞を見ていると4コーナーに入るぐらいからスーッと加速していけていたので、そういう乗り方のほうが脚を余さないと思っています。

-:府中での弾け方を見ると、あまり早く動いてほしくないんじゃないでしょうか。あれだけの脚をもっていることから逆算すれば、中山の短い直線でも間に合いますからね。

榎:そのあたりは(福永)祐一さんがどのように感じているか、わかりませんけどね。



-:馬具に関して変更はありますか?

榎:特にないですね。レースに行ったら、舌を縛ろうかと思っています。関屋記念の時は縛っていませんでしたが。

-:やっぱり、縛った効果はありますか?

榎:いくらか集中力が上がっていると思います。

-:天皇賞での走りを右回りでももう一回、というのが今回のテーマになりますね。

榎:加減して走ってほしいですね(笑)。昔は体質が弱くて飼葉を食べないとか、追い切った後ガクッとくるとか、心配がいっぱいありました。今では、少しずつ良くなってきていますが、競馬に行って一生懸命走ってしまう馬なので、本当に無事に……。そこが心配ですね。



-:ジャスタウェイの良さというのは、そういった可能性があったのに怪我をしなかったことですよね。仕上がり具合や、成長以上に走る能力があったから、固い馬場でも走ることができていて、関屋記念後のちょっとした心配や、夏の暑さも克服して、G1まで辿り着いてワンチャンスをものにしたと。

榎:特に新潟なんか怖いですからね。よく大丈夫だったなと思いますね(笑)。改めてすごい馬だなと思います。

-:国内のファンには、ドバイへ行く前の壮行会的な意味合いのある中山記念ですが、ジャスタウェイのファンに向けてメッセージをお願いします。

榎:G1馬になりましたので、恥ずかしい競馬をしないように、これから頑張って調整していきます。これからもいろいろなことをクリアしていける馬だと思っていますので、応援よろしくお願いします。

-:ドバイへ行けない人が殆どだと思うので、ファンからすると、国内で強いところ見たいですよね。

榎:ハハハ(笑)。そうですね。

-:どこまでできるか楽しみです。新生ジャスタウェイに期待ですね。

榎:はい、よろしくお願いします。

●ジャスタウェイの榎本優也調教助手インタビュー(前半)はコチラ⇒

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【榎本 優也】Yuya Enomoto

競馬ラボでは『トレセンLIVE!』のコーナーでコラムを担当。
大の競馬ファンである父親の影響で、幼い頃から阪神、京都競馬場へ足を運ぶと、武豊騎手に憧れてジョッキーを志すように。視力が足りず受験資格をクリア出来ず、断念せざるをえなくなったが、競馬関係の仕事に就きたいという思いに変わりは無く、牧場勤務を経て、25歳の時にJRA厩務員課程へ入学し無事卒業。
しばらくの待機期間を過ごし、09年5月に須貝尚介厩舎で待望の厩務員生活をスタート。 7月には持ち乗り助手となり、それ以来、2頭の競走馬を担当している。

調教助手としては、アスカクリチャン、アスカトップレディ、クリーンエコロジー、コレクターアイテムなどを手掛け、2012年上半期には担当するジャスタウェイがアーリントンC(G3)を制して人馬ともに重賞初制覇。NHKマイル、日本ダービーとG1の舞台を経験した。

現在は厩舎の屋台骨を支える傍ら、趣味である一眼レフカメラで厩舎の愛馬たちを撮影。関西のトップステーブルに登り詰めた須貝尚介厩舎のスポークスマン的な役割を果たしている。


【高橋 章夫】 Akio Takahashi

1968年、兵庫県西宮市生まれ。独学でモノクロ写真を撮りはじめ、写真事務所勤務を経て、97年にフリーカメラマンに。
栗東トレセンに通い始めて17年。『競馬ラボ』『競馬最強の法則』ほか、競馬以外にも雑誌、単行本で人物や料理撮影などを行なう。これまでに取材した騎手・調教師などのトレセン関係者は数百人に及び、栗東トレセンではその名を知らぬ者がいないほどの存在。取材者としては、異色の競馬観と知識を持ち、懇意にしている秋山真一郎騎手、川島信二騎手らとは、毎週のように競馬談義に花を咲かせている。
毎週、ファインダー越しに競走馬と騎手の機微を鋭く観察。馬の感情や個性を大事に競馬に向き合うことがポリシー。競走馬の顔を撮るのも趣味の一つ。


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