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田中博司調教助手

パドックの気配と想定馬体重

-:パドックでこの馬を見るファンは、他の馬と比べるとイレ込みもありますし、毛艶も今の時期はピカピカの馬が多いですが、腹周りに長めの毛が残っていますよね。

田:腹回りの毛は、今週に入ってからごそごそ抜け出したので、レースまでには見た目も良くなると思います。

-:冬毛が伸びだしたのが遅かったのですか?

田:伸びだしたのが年明けて2月過ぎたあたりだったので、そこはしょうがないと思います。調子は悪くないですし、毛が長くても毛艶は良いです。体調はきっちりきています。

-:前回の高松宮記念と比べたら、輸送もありますが、馬体重はどうですか?

田:輸送があるので、減らないに越したことはないのでしょうが、厩舎にいる感じで前回と同じぐらいなので、若干はマイナスになるかもしれません。



-:ストレイトガールにとっても目一杯の状態ですか?

田:ここからちょっと増えると思いますよ。いつも1週前からちょっと増えて当日を迎えるので、ここからどんどん減っていくという感じではないです。今はこの体重ですが、来週追い切った後の体重発表の時はもうちょっとあると思います。前回は64くらいだったと思うので、64~66ぐらいできて、前回の体重より2~4キロ減るぐらいであれば心配いらないのかなと思います。10キロとか減っちゃうと心配しますね。きっちり食べているし、輸送距離が違うので、減ってもしょうがないのかなという気はします。

-:先ほど、パドックでのイレ込みの話がありましたが?

田:イレ込んでいるように見えるのでしょうが、今までずっとこの馬と付き合っていて、ちょっとずつ進歩していて、落ち着けるようになっています。

-:能力を損なうほどのイレ込みではないですか?

田:パドック前の装鞍所での雰囲気とかが、去年の夏でも発汗が凄かったですが、シルクロード、宮記念あたりだと、気温の差もありますが、去年ほどの発汗はなかったです。二人で引っ張れば、ちょっと小脚を使う程度で済んでいるし、走るための準備するデモンストレーションが他よりも必要なんです。



-:暖気運動が長いのですね。

田:その程度のことと思っています。バッタバッタ暴れたりとかなければ、少々の発汗とかは気にしてないです。

-:発汗しているというのは、代謝がいいということですよね。

田:夏に発汗しないのは逆に体調が悪いですよね。もともと代謝が凄く良い馬なので、今の時期なら馬房でもちょっと汗をかいているくらいです。よっぽど酷いことをしてなければ、いつも通りだと思って欲しいです。

-:田中さんにとって、ストレイトガール1頭持ちという気合の入る状況ですが、同厩舎のもう1頭のウリウリの担当の方も田中さんです。2人の田中が挑むヴィクトリアマイルですが、最後に高松宮記念で1番人気に押してくれたファンに、ヴィクトリアマイルでの巻き返しを誓って一言お願いします。

田:高松宮記念では1番人気に推していただきながら負けてしまって、ファンの方にお詫びしたいです。前回よりも手強いメンバーが揃っていて、簡単ではないですが、前回以上に頑張ってくれるのを祈りながら、前回を帳消しにできるように調整していますので、また応援よろしくお願いします。

-:ありがとうございました。

●田中博司調教助手インタビュー(前半)はコチラ⇒

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●高松宮記念前
ストレイトガールについてのインタビューはコチラ⇒





【田中 博司】Hiroshi Tanaka

父は田中耕太郎元調教師。同厩舎で競馬人生をスタートした後、スタッフの産休がキッカケで小学生時代からお互いを知る藤原英昭調教師のもとへと異動し、名門厩舎の躍進に携わってきた。調教技術もさることながら、培ってきた知識と人脈、そのリーダーシップは秀でており、理想像といっても過言ではない調教助手。


【高橋 章夫】 Akio Takahashi

1968年、兵庫県西宮市生まれ。独学でモノクロ写真を撮りはじめ、写真事務所勤務を経て、97年にフリーカメラマンに。
栗東トレセンに通い始めて17年。『競馬ラボ』『競馬最強の法則』ほか、競馬以外にも雑誌、単行本で人物や料理撮影などを行なう。これまでに取材した騎手・調教師などのトレセン関係者は数百人に及び、栗東トレセンではその名を知らぬ者がいないほどの存在。取材者としては、異色の競馬観と知識を持ち、懇意にしている秋山真一郎騎手、川島信二騎手らとは、毎週のように競馬談義に花を咲かせている。
毎週、ファインダー越しに競走馬と騎手の機微を鋭く観察。馬の感情や個性を大事に競馬に向き合うことがポリシー。競走馬の顔を撮るのも趣味の一つ。

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