ワンアンドオンリー2ページ目
2014/6/8(日)
ワンアンドオンリーの担当助手としてすっかり有名になった甲斐純也調教助手。亡き父もかつて橋口弘次郎厩舎に所属しており、厩舎として初めてダービーに挑戦したツルマルミマタオーの担当だったというから、これは他でもない縁だろう。週が明け、いつもの冷静な表情に戻った当人に、ノンフィクションのドラマで手にした栄冠の喜びを語っていただいた。
-:レースが終わった後、いつも飄々としている甲斐さんが号泣するほどの勝利だったと思うんですけど、実際にダービーを勝ってみて、どうでしたか?
甲斐純也調教助手:素直に嬉しかったですね。
-:弥生賞と皐月賞では後方からの競馬で、それまで見せていた自在性というのが影を潜めていた訳です。やっぱりダービーで、ある程度先行できたというところは、スタッフ一同で取り組んでいたことがようやく実を結んだと思いますか?
甲:みんなが先生にダービーを獲って欲しい、と思ってやっていたから、それが全てレース内容に表れていたかなと思います。
-:実際にゴールした瞬間というのは、どういう感じになるのですか?
甲:やったと、フフフ(笑)。
-:そこはけっこうあっさりとしているんですね。追い比べをしていたのがイスラボニータだったので、ちょっと心配はなかったですか?
甲:僕はゴール前で絶叫。内から差し返されそうになっていたから、「頑張れ、頑張れ」と叫んでいました。
-:その声援に応えて、頑張ってくれたんですね。
甲:そう。だから、本当にこの子はドラマの立役者です。
-:厩舎に帰ってワンアンドオンリーとどんな話をしましたか?
甲:普段通りに変わらずです。レース前から、皇太子殿下とノリさん(横山典弘騎手)、この子、前田幸治さんの誕生日が一緒だとか、馬名の由来が「唯一無二」で、1枠2番に入ったりだとか、何か色々とありましたね。終わった後だからこそ言えますけど、全てが上手くいきましたね。
-:甲斐さん自身はダンスインザダーク以降に橋口厩舎へ入ったので、それほど悲願のダービーという思いはありませんでしたか?
甲:僕は悲願という感覚ではありませんでしたが、先生は20回目の挑戦での初勝利で、19回負けてきている訳です。2着が4回で獲る難しさは一番知っているけれども、僕は初めてのダービーで難しさが全然分かっていなかったから……。先生の中では、あの時にああやっておけば、もしかしたら勝っていたかもしれん、とか、色々なことが頭をよぎっていたはずやけど、僕は出たこともない分、自然体でした。
-:「良い意味で、ずっと平常心でやる」と言っていましたからね。
甲:はい。変に緊張することもなく、とにかく先生にダービーを、ということしか頭になかったから。だから、変な緊張感もなく、毎日すごく良い気持ち、リズムで仕事もできました。
-:終わった後、先生とはどんな言葉を掛け合ったのですか?
甲:普通に「おめでとうございました」と言って。
-:先生は?
甲:「ありがとう」と。それで十分ですよね。
-:これからどんな素晴らしい馬になっていくでしょうか?
甲:まだまだ完成されていないから、これからまだまだ先生の夢が色々とあると思うから、それに応えられるように。
-:馬も無事に帰ってきたのですか?
甲:はい、無事に。本当に大した馬です、この子は。この後は放牧に行って、また秋から。ちょっと休んでもらって。
-:本当にお疲れさまでしたね、甲斐さんも。
甲:いえいえ、疲れてないですよ。
-:また帰ってきたら、取材をさせて下さい。
甲:こちらこそ。ありがとうございます。
※次週は「TEAM橋口」の屋台骨である赤木高太郎調教助手、小牧太騎手に喜びの声を語っていただきます!6月15日(日)の公開をお待ちください。
ワンアンドオンリー陣営インタビュー
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