初めての長期休養が進化の源

-:ドバイ遠征を控えた川崎記念になりますが、そこそこの状態で向かえるような馬ではないと思うのですが。

西:状態は上がっていますし、その上がっている馬の気持ちを優先して、手加減なく仕上げていますよ。

-:最近、調教の馬場状態が極端に速くなったり、遅くなったりと調教をする側としては難しい面もあると思います。ホッコータルマエの状態は走りをみて、どのように感じられますか?

西:馬場が悪くても全く気にせずに上がってくるんですよね。乗り手の指示を的確に理解してくれていて、昨年よりも乗りやすくなっています。

-:それはコントロールの面ですか?

西:そうですね。その分だけ体の使い方が良くなったと思います。

-:それでは結果的に昨年のドバイ遠征後に長期休養を挟んだのが良かったと?

西:あれだけ走っていたので、良いリフレッシュ、良い休養になったのではないかと思いますし、パワーアップに繋がったと思います。

ホッコータルマエ

-:それがチャンピオンズCにも繋がったのですね。チャンピオンズC前の取材の時は「能力でどれだけこれるか」という弱気な発言もしていましたが、聞いていた話とは違って(笑)、能力が相当高いのだということが分かるレースになりました。

西:改めて能力の高さを再確認しましたね(笑)。

-:その能力を引き出せたのは良い意味での長期休養であって、そのおかげで精神的にリフレッシュできて、肉体面に精神が追いついたということだったのですね。今週(1/18)の追い切りの様子はいかがでしたか?

西:馬の気持ちを尊重しての追い切りだったので、来週はしっかりとやることになると思います。動き自体は馬場が悪くてもしっかりとした足取りでしたし、息遣いも良かったです。やっぱり体の使い方が上手いですよね。13秒からまだ速くなるという体の使い方がね。

-:下が緩い分、もっといけるという感じが手綱を通して伝わってきたのですね。ファンとしては、何の心配もなく見ていればいいということですね。

西:そうですね。応援してください。

能力の把握すらできないほどの強さ

-:西浦厩舎の方針で、ホッコータルマエのことを良く考えている印象があります。チャンピオンズCの表彰式の時に、担当の相良さんが表彰式には行かずに、すぐに馬のところに行っていましたね。やっぱりいつも担当している方が馬のところに行くというのは良いシーンでした。

西:その人の気持ちもあるので、片時も離れたくなかったのかもしれませんね。

-:相良さんなりの愛情だったと。

西:そういうところでも、フォームの切り替えが上手になっている要因なのかもしれません。

ホッコータルマエ

ホッコータルマエと担当の相良調教助手


-:西浦厩舎のチームワークで強いホッコータルマエを維持しているので、このままの強さでいてほしいとファンは思っていますので、川崎記念でも好結果を出してドバイにつなげてほしいと思います。最後にファンとオーナーに向けてメッセージをお願いします。

西:一段と強くなっていますので、強いタルマエを見せられると思います。応援の程、よろしくお願いします。

-:どこまで強くなりそうですか?

西:見当つかないですね。

-:このような馬には中々、出会えないですよね。

西:能力を感じていても発揮できない馬はゴロゴロいますからね。その中で、タルマエは能力の把握すらできないほどの強さを持っていますよ。

-:ダート馬の中には地方交流重賞では活躍できても、中央では同じようにならない馬もいますが、ホッコータルマエはその点もクリアしましたからね。

西:速かろうが遅かろうが、坂があろうがなかろうが、右回りも左回りも、何の関係もなく走りますからね。

-:しかも3歳時は手前の換え方がぎこちなく、どちらかの回りでは苦労するかなというのもあった中で克服してきましたからね。恐れ入りましたとしか言えないです。これからも強いホッコータルマエに期待しています。

西:はい、応援お願いします。

(取材・写真=高橋章夫 写真=競馬ラボ特派員)

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