遂に重賞へ登場!話題の白毛ブチ模様ブチコ
2015/2/28(土)
今回も仕込みはバッチリ!
-:チューリップ賞(G3)に出走するブチコ(牝3、栗東・音無厩舎)ですが、まず、注目されるのはそのルックスです。橋本助手もお揃いのグッズをまとわれておりますが、初めからあのような馬具にこだわりはあったのですか?
橋本真悟調教助手:よろしくお願い致します。ありましたね。ある程度は白で統一しようとは思っていましたが、最初はブチのシャツでした。正直、最初は勇気が要りましたし、恥ずかしかったですね(笑)。しかし、こちらとしても何かしらの形で盛り上げていけたら、やっぱり楽しんでもらえますからね。
-:最初はシャツでしたよね。
橋:ええ。2戦目がネクタイですね。あれはいい感じだったと思います(笑)。ただ、最初のシャツのインパクトが強かったので、2戦目以降は「今回は地味だったな~」ということは言われますね(笑)。その後は3戦目がネックウォーマーで、4戦目がヘルメットでした。
-:そのヘルメットの時に初めて勝ったと。
橋:そうですね。ヘルメットは縁起が良いです。それで前走が手袋でした。
-:あれは少し分かりにくかったですかね。
橋:それも言われました(笑)。
-:今回のチューリップ賞でも、まずはファッションチェックからになりますね。
橋:パドックまでは僕ですからね。
-:今のところの予定は何ですか?
橋:それは言えないですよ(笑)。でも、もう仕込みもバッチリです!
-:ブチコは白メンコでブチのワッペンがついていますが、僕のイメージでは先生(音無英孝調教師)が良く許してくれたなと思うのですが(笑)?
橋:ハハハ。基本的には他の馬は黒ですからね。最初は黒をつけようとしたのですが、先生が「黒は似合わんやろ」と言ってくれました。
レース毎にブチコ模様のグッズをつけていることで知られる橋本助手
新パートナーも上々の手応え
-:肝心の馬の状態ですが、25日の1週前追い切りでは7時5分ぐらいに武豊騎手が跨っての調教でした。ある程度、時計の出やすい状況の坂路コースを駆け上がってきましたが、時計的には50秒7でしたし、終いも12秒台が出ましたね。
橋:時計は十分ですね。終いも12秒台にまとめてくれたので、1週前としては凄く良い調教ができたと思います。
-:コース取りとしては普通の坂路コースではなくて、内目のところを走って、前の馬を交わしつつという感じの併せ馬でしたね。上がってきた時の武豊騎手の表情が凄く和やかだったのが印象的でした。
橋:そうですね。「走りも柔らかいし、芝でもやれそうだね」とは言ってくれましたので、楽しみになりました。凄く良い印象を持ってくれたみたいですね。
-:ブチコと手は合いそうですか?
橋:合って欲しいですね。
オープン馬ヒストリカルを先行する形で同入のブチコ
-:昨日は調教の前からタレントの方も取材に来ていましたね。これだけ注目されているブチコですが、普段はどのような馬なのですか?
橋:普段は大人しくて良い子ですし、扱いやすいです。他の馬と変わらない3歳の女の子という感じですね。
-:馬房でのブチコポジション(立ち位置)はどこですか?
橋:ブチコポジションはお尻をこちらに向けるような、愛想のない感じですね。自分の世界に入っている感じです。
-:飼い食いはいかがですか?
橋:3歳の女の子なので飼い葉もモリモリ食べるような感じではないですが、必要最低限は食べてくれるので調整はしやすいです。
-:体型的に見ますと、ダートで勝ってきた馬にしてはスッキリしている印象を受けます。白くて判断しづらい部分もありますが、ブチコ自身はやや痩せ型で、軽さのあるイメージがあります。
橋:“まさにダート馬”という感じはないので、芝、ダートでどちらも走れるような感じはしています。確かに最近の走りを見るとダートの方が、というのはありますが、まだ決めつけたくないですね。
-:デビューから3戦を芝で使ってきて惜しいところまでいきましたが、4戦目のダートではコロッと変わりましたね。
橋:3戦目が終わって、4戦目に向けての追い切りから時計が出るようになりました。その原因というのは見ている感じでは分からなかったんです。
栗東トレセンで力をつけてきた馬
-:この馬は珍しいところがあるとしたら、9月から入厩してから一度も放牧に出さずにここまできている点でしょうか。それでコンスタントに調教できている訳ですから、それだけこの環境に馴染めていると言えるのではないですか?
橋:精神的にも大分強くなったのかなと思います。半年ずっといるというのは、僕がトレセンに入ってから担当する馬で初めてですね。
-:その中で確実に力を付けて3戦目が終わった辺りから、人間で言うなら体幹、芯のところがしっかりしてきたと。そこから4戦目、5戦目と連勝してきました。
橋:まさか連勝するとはね。そんなにダートだと違うのでしょうか。今でもそう思います。
「まずは桜花賞を目指して、というところになりますが、権利が取れなかった場合は関東オークスを目指そうか、という話は出ていますね」
-:ただ、次は芝コースになりますし、桜花賞へのトライアルレースになります。
橋:格式が高いですね。何とか権利を取って本番に出られたらとは思いますが、まずは無事に、というところですね。そうすれば“次”がありますから。好走すれば桜花賞も見えてきますし、権利が取れなくても、次のレースはありますからね。
-:現状で予定しているローテーションはどのようなものですか?
橋:まずは桜花賞を目指して、というところになりますが、権利が取れなかった場合は関東オークスを目指そうか、という話は出ていますね。
-:関東オークスはブチコがすでに結果を出しているダートなので楽しみでしょうし、お姉さんのユキチャンも勝っています。なおかつ今度のチューリップ賞も楽しみだと思います。
橋:理想としてはチューリップ賞、桜花賞からの関東オークスですね。
橋本真悟調教助手インタビュー(後半)
「パドックで多数の注目ポイント」はコチラ⇒
1 | 2
プロフィール
【橋本 真悟】Shingo Hashimoto
三重県出身。小学生の頃、友人と一緒に買ったゲームがきっかけで競馬に興味を持ち始める。自宅の近所に牧場があり、そこで勤める装蹄師の紹介で愛知県のイクタトレーニングファームで4年間従事することに。その後、宇治田原優駿ステーブルを経て、23歳時に競馬学校へ入学する。
卒業後すぐには厩舎へ所属せずに、アイルランドへ行き、海外での経験を積んだ。帰国後は宇治田原優駿ステーブルの牧場長と繋がりのあった音無秀孝厩舎の所属となり、現在へと至る。担当馬にはニュージーランドTを制したサンライズプリンスなどがおり、モットーは「雑にならずに丁寧に接すること」としている。
【高橋 章夫】 Akio Takahashi
1968年、兵庫県西宮市生まれ。独学でモノクロ写真を撮りはじめ、写真事務所勤務を経て、97年にフリーカメラマンに。
栗東トレセンに通い始めて18年。『競馬ラボ』『競馬最強の法則』ほか、競馬以外にも雑誌、単行本で人物や料理撮影などを行なう。これまでに取材した騎手・調教師などのトレセン関係者は数百人に及び、栗東トレセンではその名を知らぬ者がいないほどの存在。取材者としては、異色の競馬観と知識を持ち、懇意にしている秋山真一郎騎手、川島信二騎手らとは、毎週のように競馬談義に花を咲かせている。
毎週、ファインダー越しに競走馬と騎手の機微を鋭く観察。馬の感情や個性を大事に競馬に向き合うことがポリシー。競走馬の顔を撮るのも趣味の一つ。
■公式Twitter
@aklab0328さんをフォロー