キャリア10戦目の紫苑Sにて秋華賞出走の権利を手にしたクインズミラーグロ。戦績を辿れば掲示板を外したことは、ただ一度という堅実派であり、初めての2000mで見せた決め脚と相手なりに走れる気性がかみ合えば、G1で大駆けがあって驚けないダークホースだ。コンビ3戦3連対と相性抜群、本番でも手綱をとる吉田豊騎手にその感触と意気込みを聞かせてもらった。

初の2000mでより持ち味を発揮

-:秋華賞(G1)に出走するクインズミラーグロ(牝3、美浦・和田道厩舎)についてお聞きします。新潟での2戦を終えられた段階で、この馬に対するイメージはどのようにお持ちだったのでしょうか?

吉田豊騎手:非常に乗りやすくて、いかにも女馬という一瞬の切れ味があるなという感じでした。

-:新潟ではマイルを2戦使って、前走の紫苑Sは中山2000mのレースだったわけですが、レース前はどんな競馬をしようと考えていたのでしょう?

吉:僕が乗せてもらって3戦目だったのですが、最初に騎乗した際の反応が良すぎて、ちょっと早めに先頭に立って、ソラを使って交わされるという感じでした。(紫苑Sは)2000mというのもありますし、ジックリ乗ろうというか、折り合いに専念して馬込みから競馬ができればいいと感じでいました。

クイーンズミラーグロ

連勝の勢いをぶつけたいクインズミラーグロ


-:1頭になるとソラを使ってしまうので、それを出さないようにと。レースを振り返っていただいて、紫苑Sはどうでしたか?

吉:1600mから2000mに延びたのですが、馬込みでも楽にバッチリ折り合っていましたし「これなら脚を使えるんじゃないかな」と思って外に出したら、こちらが思っていた通りのイメージで脚を使ってくれました。

-:3戦騎乗されまして、割とレース間隔が詰まっているとは思うのですが、乗っている中で馬に変化は感じられましたか?

吉:特にないですね。最初の時も返し馬に行った時から「いい馬だな」と思いましたし、いかにも女馬の切れそうな雰囲気があって、その通りだったのでね。2度その後に使いましたが、変にテンションが上がることもなく、馬体も変わらずに使えているので、いい雰囲気ではないかと思います。

センスが活きる京都内回り

-:今回、京都2000mの秋華賞ということで、これまで吉田豊騎手は8回挑戦されてメジロドーベルで優勝されています。このレースについて何かイメージはありますか?

吉:やはり独特の2000m内回りなので、展開に左右されやすいですし、レースが上手な馬は向きますよね。この馬は展開に左右されませんから、そういう意味では向いているのかと思います。

-:クインズミラーグロの特徴はどんなところにありますか?

吉:乗りやすいので、いいところを取ってどんなポジションでも折り合えますし、(ペースが)速いと思えばもう少し後ろでも折り合える馬なので、そういう意味では上手に競馬ができるので、京都の2000mは合うのではないかと思います。

クイーンズミラーグロ

連勝の勢いをぶつけたいクインズミラーグロ


-:この馬が最も力を出せそうな展開というのはありますか?

吉:強い馬とはまだやっていないので、力勝負という意味合いよりは、どちらかといえば内側の枠を引いて、内側でうまく折り合って、最後に抜け出せるというのが、この馬の走るパターンではないかと思います。

-:本番も迫っていますが、最後にレースへ向けて意気込みをお願いします。

吉:馬の方は順調なようなので、長距離輸送をうまくクリアしてもらいたいですね。2000mはこの前も経験していますし、乗りやすい馬なので、競馬で乗るのには何も苦労しないで臨めるのでね。何とか全能力を出せるように、最後に一発「どこか開けばな」という感じの競馬をしたいと思っています。

-:ありがとうございました。関東馬とジョッキーの活躍を期待しています。